著者
青木 舜平 西川 祥子 柳原 英人 佐藤 徹哉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.1006, 2017 (Released:2018-04-19)

局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に伴う磁気光学効果の増大はスピン軌道相互作用の変化に起因するものと考えられている。本研究ではAuナノ粒子のLSPRを用いてCoFe_2_O_4_の磁気異方性の変化させることを目指す。Auナノ粒子が埋め込まれたCoFe_2_O_4_膜を作製し共鳴波長、ファラデー効果の測定をした。結果はファラデー回転角が共鳴波長で大きく変化し、磁気異方性の変化を示唆するものであった。
著者
佐藤 徹哉 山本 紀和 中村 誠
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.191-196, 2006-06-25 (Released:2011-02-17)

世界初の有効840万画素16: 9CCD, 広角28mm相当からの光学4倍の光学式手プレ補正 (O.I.S.: Optical Image Stabilizer) 搭載Leica DC Vario-Elmaritレンズを搭載したDMC-LX1により, 撮影アスペクト比を操る楽しみをはじめとする新たな楽しさの提案を行った.新開発のレンズとCCDをはじめとする要素技術とデザインが一体となって商品開発を行って, コンパクトサイズを犠牲にすることなくクリエイティブコンパクトモデルと称するにふさわしい表現力を備えたカメラを実現した. ユーザアンケートの結果では, 購入者の多くが新たな16: 9での撮影に満足されている一方で, 4: 3での撮影と併せて, 撮影アスペクト比を一つの表現手段として使う様子が伺われた.
著者
佐藤 徹哉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

磁性原子がランダムに配列した磁性体であるスピングラスでは、低温でスピンが凍結し、エイジング現象やメモリー効果などの特徴的な記憶現象を示す。しかし、その詳細については不明な点が多い。本研究では、スピン配列の詳細な情報を得るためにスピン流の利用に注目した。これは、スピン流がスピンの方向とスピンが流れる方向の二つの量を持つベクトル量であり、スピングラス中のスピンと直接相互作用してスピン配列の有用な情報をもたらし得るためである。スピン流を用いてスピングラスの低温相での挙動を解明することを目的に研究を進めた。強磁性FeNi層/中間Cu層/スピングラスAgMn層の3層構造をスパッタ法により作成し、強磁性層の強磁性共鳴を利用したスピンポンピングによるスピングラス層への非局所スピン流注入を試みた。比較のため、スピングラス層を含まない強磁性FeNi層/中間Cu層の2層構造も作成した。中間層は強磁性相とスピングラス層の間に交換結合が生じさせないために挿入した。マイクロ波を薄膜に対して垂直方向に、掃引磁場を薄膜に対して平行方向に印加し、低温での強磁性共鳴のスペクトルの半値幅の温度依存性を調べた。その結果、3層構造試料の半値幅はすべての温度領域で2層構造試料の半値幅より大きく、これはスピングラス層に注入されたスピン流が吸収されることにより生じるものと考えられる。また、2つの試料での半値幅の差はスピングラス転移温度近傍で極小を示した。この特徴は、スピングラス転移温度以下で、スピン拡散長が急激に低下するか、またはミキシングコンダクタンスが増大することで解釈される。現在のところ、この両者のどちらが支配的であるのかについては明らかではないが、スピングラス相と常磁性相ではスピン流の挙動が異なることがわかった。