著者
中澤 弥子 佐藤 晶子 小木曽 加奈 吉岡 由美 鈴木 和江 高崎 禎子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】長野県では、一年を通じて家の最大の節目を年取りの行事とする傾向が強く、年神棚にご馳走をお供えし、一年の無事の感謝と新しい年の豊作を祈り、家族揃ってご馳走で祝う習慣1)がある。本研究では長野県の大晦日と正月の行事食の継承の実態と現在の特徴について、平成21~22年度調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学 行事食・儀礼食」で行った調査結果を基に明らかにすることを目的とした。 【方法】アンケート回答者のうち、長野県内に10年以上住み、現在も住んでいる人および現在長野県内に住み、他県に10年以上住んだ経験はあるが、行事食に長野県の影響を受けている人の正月と大晦日のデータ(計686人)を集計し分析を行った。 【結果】回答者の年齢層は、10~20代50%、30~40代33%、50代13%、60~80代4%であった。大晦日の認知度は99%、行事食の経験が98%と高く、年取りの祝い料理については、喫食経験ありが67%で、毎年食べるが53%を占めた。年越しそばは喫食経験ありが90%と高く、毎年食べるが57%、毎年ではないが食べるが19%と高率であった。鮭料理の喫食経験ありは62%で毎年食べるが35%、鰤料理の喫食経験ありは54%、毎年食べるが23%であり、現在も鮭や鰤などの年取り魚が年取りの祝い料理として食されていた。その他、海なし県である長野県において肉料理の回答は少なく、刺身、数の子、握り寿司などの海産物がご馳走として好まれ食されている様子がうかがわれた。1)「聞き書 長野の食事」、p348、農山漁村文化協会 (1986)
著者
中澤 弥子 佐藤 晶子 小木曽 加奈 吉岡 由美 鈴木 和江 高崎 禎子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.113, 2011

【<B>目的</B>】長野県では、一年を通じて家の最大の節目を年取りの行事とする傾向が強く、年神棚にご馳走をお供えし、一年の無事の感謝と新しい年の豊作を祈り、家族揃ってご馳走で祝う習慣<SUP>1)</SUP>がある。本研究では長野県の大晦日と正月の行事食の継承の実態と現在の特徴について、平成21~22年度調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学 行事食・儀礼食」で行った調査結果を基に明らかにすることを目的とした。<BR>【<B>方法</B>】アンケート回答者のうち、長野県内に10年以上住み、現在も住んでいる人および現在長野県内に住み、他県に10年以上住んだ経験はあるが、行事食に長野県の影響を受けている人の正月と大晦日のデータ(計686人)を集計し分析を行った。<BR>【<B>結果</B>】回答者の年齢層は、10~20代50%、30~40代33%、50代13%、60~80代4%であった。大晦日の認知度は99%、行事食の経験が98%と高く、年取りの祝い料理については、喫食経験ありが67%で、毎年食べるが53%を占めた。年越しそばは喫食経験ありが90%と高く、毎年食べるが57%、毎年ではないが食べるが19%と高率であった。鮭料理の喫食経験ありは62%で毎年食べるが35%、鰤料理の喫食経験ありは54%、毎年食べるが23%であり、現在も鮭や鰤などの年取り魚が年取りの祝い料理として食されていた。その他、海なし県である長野県において肉料理の回答は少なく、刺身、数の子、握り寿司などの海産物がご馳走として好まれ食されている様子がうかがわれた。<BR><SUP>1)</SUP>「聞き書 長野の食事」、p348、農山漁村文化協会 (1986)
著者
大浦 由美 野口 俊邦 佐藤 晶子
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.1-8, 2002-07-01
被引用文献数
2

本研究では,国有林野における森林レク事業の国有林ならびに地域社会にとっての今日的意義および問題点を明らかにすることを目的として,長野県木曽谷地区を事例に,中でも典型的な利用形態である「スキー場型」国有林野利用を地元主導で進めてきた王滝村の取組みについて分析を行った。その結果,おんたけスキー場は1990年代初頭までは民宿等の発展や雇用創出など地域への経済的波及効果の面で多大な成果を上げてきた。しかし,現在ではスキー人口の頭打ちやスキー場乱立の影響で利用者は激減し,木曽谷地区でも大問題となっている。こうした状況については,1980年代後半からの国策的な民活型大規模リゾート開発の推進および自己収入確保の観点から積極的にこれに乗じてスキー場等の開発を進めた国有林の施策展開にも大きな責任がある。村は新たな展開として国有林内林道を活用したイベント等,より多面的な利用に期待している。こうした動向が,従来よりも国有林と地元との関係をむしろ強める方向に働いていることから,多面的な森林レク事業的国有林野利用は地域社会と国有林との現代的な関係の再構築という意味で今日的意義を持ち得ると言える。