著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.930, pp.66-69, 1998-03-02

日本経済新聞社・編集局産業部長、編集局長付編集委員を経て現在、日経BP社編集担当補佐兼ビジネス局長。1982年「トヨタ・GM提携交渉に関する特報」で新聞協会賞(ニュース部門)、1996年『ホンダ神話 教祖のなき後で』(文藝春秋刊)で第27回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。同書は今秋、オックスフォード大学から英文で出版予定。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.975, pp.78-81, 1999-01-25

ビクターの開発したVHSかソニーのベータマックスか。家庭用ビデオの世界標準規格を目指した争いは、国内から米国、欧州へと飛び火した。VHS陣営には国内で松下電器と日立製作所、シャープ、三菱電機が加わり、ベータ陣営には東芝と三洋電機が参加した。米国ではソニーが米最大のテレビメーカー、ゼニスを自陣営に引き入れると、そのライバルであるRCAを松下がVHS陣営に取り込んだ。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1373, pp.8-14, 2007-01-08

トヨタとフォードは赤い糸で結ばれているかもしれない。結ばれた糸はまだ目に見えないが、磁力作用が働きお互い知らず知らずに結びつこうとしている。両社が過去六回も提携交渉をしてきたことが何よりの証拠である。 「われわれはただ漫然と自動車を作るのではない。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.960, pp.84-87, 1998-10-05

ビクターのVHSとソニーのベータマックス。家庭用ビデオの主導権争いは、いかに多くの家電メーカーを自陣営に引き込めるかに勝負の行方がかかってきた。ビクターが7社連合を結成すると、ソニーはすかさず、その切り崩しにかかる。その後、海外メーカーをも巻き込んだ規格争いは、ソニーの巻き返しが激しくなり、ついに東芝と三洋電機がベータマックスの正式採用を発表することとなった。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.976, pp.9-11, 1999-02-01

トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業、そしてマツダ。日本を代表する自動車メーカー5社の運命は、1979年に決まったように思えてならない。20年前といえば、イラン革命に端を発した第2次石油ショックが発生した年である。 日本経済は73年秋に発生した第1次石油ショックで、高度経済成長に別れを告げた。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.935, pp.60-63, 1998-04-06

高度成長時代は演歌が全盛を迎えた時でもあった。鶴田浩二やフランク永井といった売れっ子の歌手を多く抱えていたビクターは、テレビや音響機器の不振をレコードで補うという収益構造になっていた。松下電器から経理部長として送り込まれていた平田雅彦は、この点を素早く見抜き、各事業ごとに収益管理を徹底する事業部制を敷く。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.898, pp.8-11, 1997-07-07

RVのヒットで快走を続けてきた本田技研工業の国内販売に,黄信号が点った。好調の裏側で進まなかった販売改革。今後の経営課題はここにある。昨年『ホンダ神話教祖のなき後で』で大宅賞受賞の佐藤正明氏がリポートする。1996年度の決算を発表した5月20日,社長・川本信彦の顔から笑みが絶えることがなかった。
著者
佐藤 正明
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4-5, pp.105-112, 2019-09-10 (Released:2019-12-19)
参考文献数
49

The author has continued to research on cytomechanics since 1983 when he visited Professor Nerem’s laboratory, University of Houston, Texas, USA as a visiting scholar. In those days the effects of shear stress on functions of endothelial cells (EC) are focused from the point of view of atherogenesis. In this review, progress of cytomechanics on EC is mainly summarized. First, the definition and the significance of cytomechanics are introduced. EC are located at the innermost layer of vascular wall and always exposed to three different external forces (i.e. shear stress, cyclic stretch and hydrostatic pressure). These mechanical forces affect the configuration and functions of EC and the cells finally adapt a physical environment. Cultured EC elongates and aligns to direction of flow and the degree of shape change depends on many factors such as animal and cell species, magnitude of shear stress, duration of stimulation, material of substrate and so on. Cytoskeletal structure is also changed prior to change of cell shape. Cyclic stretch induces cell elongation and the orientation transversely to the strain direction. Pressured EC exhibit multilayered structure and marked elongation and orientation with the random direction, together with development of centrally located, thick stress fibers. Mechanical forces stimulate signal transduction, gene regulation, protein synthesis and so on. The details of the time course of responses is summarized in the text. Recent progresses on cytomechanics are two topics as follows. One is an effect of substrate elasticity on differentiation of stem cells. Human mesenchymal stem cells are cultured on three different elastic substrate (i.e. soft, moderate and stiff matrices), and then respectively differentiated into neuron, muscle and bone. Another is discovery of mechanosensing molecule called mechanosensor. Living cells respond to external and internal forces, however, the sensing mechanism is not elucidated yet. Mechanosensors such as stretch-activated channel in cell membrane, p130Cas, α-catenin, talin at cell junctions and stress fiber itself are explained as the typical examples.
著者
Huizenga Wayne 佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.923, pp.62-65, 1998-01-12

がっしりした体躯だが、身の丈は平均的な日本人とさほど変わらない。自然なスキンヘッドと顔のあばたが、若い時代の苦労を物語る。唇は薄く、キラキラ輝いたブルーの小さな目で凝視されると、吸い込まれそうになる。 「ミスター・ハイゼンガ、『タイム』をはじめとする米有力週刊誌に掲載されたあなたの顔は、映画に出てくるギャングを連想させる。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.952, pp.80-83, 1998-08-03

VHSとベータマックス、どちらの技術が優れているのか。ビクター、松下電器、ソニーの3社7首脳が秘密裏に集まって開いた会合の席で、ソニーとビクターはお互いの主張を一歩も譲らず、規格統一どころの騒ぎではなくなった。業を煮やしたソニー会長の盛田昭夫は、松下幸之助にソニーの研究所と量産工場の見学を申し出た。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.967, pp.78-81, 1998-11-23

国内のベータマックス陣営とVHS陣営の覇権争いは、米国へ飛び火した。米最大のテレビメーカー、ゼニスをソニーがベータマックス陣営に引き入れると、松下電器はゼニスと並ぶメーカーであるRCAをVHS陣営に引き込むことに成功した。一方、欧州市場の開拓はまず、ビクターのビデオ事業部長、高野鎭雄が指揮した作戦が功を奏する。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.991, pp.112-115, 1999-05-17

8ミリビデオは1983年3月に世界規格が大筋合意したことから、各社とも製品化に向けて走り出した。しかしなぜか自社ブランドでの製品投入には二の足を踏んでいた。既存のユーザーに「あのメーカーは2分の1を切り捨てて、8ミリに走った」との印象を与えたくなかったためだ。 互換性も問題だった。各社ともカメラとビデオのマッチングに苦労していた。
著者
佐藤 正明
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

翻訳論、メディア論、精神分析を理論的に結びつけることを目指した本年度の研究では、フリードリヒ・キットラーのテーゼ「文字が保存するものは、ただ文字のみなのであり、それ以上でもそれ以下でもない」(『グラモフォン・フィルム・タイプライター』)に注目し、「翻訳が保存するものは、オリジナルではなく、ただ翻訳のみである」という仮説を立てることから出発した。メディア論の観点に立てば、文字という物質が記録しているのは、その背後に広がるアイディアの世界ではなく表面の文字だけであり、読み手がそこから読み取る意味と厳しく峻別されなければならない。同様に、「翻訳」と呼ばれる文字列が記録しているのは「翻訳されたもの」だけであり、その媒体の中に「翻訳されるべきもの」であったオリジナルは含まれていない。原文と翻訳の「等価性」や「誤訳」の問題は翻訳論で常に焦点を当てられてきたが、そこでは二つのテクストの連続性が前提され、かつ要求されている。これに非連続性、恣意性を対置させることで、翻訳論は精神分析的なダイナミズムへの広がり獲得する。原文の刺激に由来しつつもそこから断絶されて別の言語体系に現れた「翻訳」は、その国語に運動をもたらし、話者を新たな連想の連鎖に置くことができる。このとき翻訳は、原文の代理としての「翻訳されたもの」ではなく、独自の(シニフィアンの)論理に従って振舞う(話者/主体を)「翻訳するもの」となる。フロイトの用語において「翻訳」は「解釈」の意味で使用されることがあるが、彼が「翻訳/解釈」によって目指していたのは真理としての原文の正しい再構成ではなく、翻訳の連鎖としての連想が先に進むことだけである。ラカンが日本語の特徴として名指した「永遠の翻訳」とは、漢字というフェティシズム化された対象のまわりで「翻訳するもの」が循環してしまい、機能不全に陥った状態を指すといえる。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.997, pp.90-93, 1999-06-28

日本ビクター専務の高野鎭雄が8ミリビデオ対策で孤軍奮闘しているころ、彼はもう1つの問題で頭を悩ませていた。ビクターの次期社長問題である。宍道一郎が社長に就任したのが1979年6月だから、すでに3期6年が経過しており、いつ代わってもおかしくない状況にあった。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.924, pp.99-102, 1998-01-19

昨年の香港の天気は異常続きだった。6月下旬から降り始めた雨は、中国に返還される真夜中にピークに達した。150年余り続いた英国植民地に別れを告げる哀かなしみの雨は、バブル崩壊で一転、悲しみの雨に変わった。 乾期の11月は本格的な観光シーズンだが、円安が日本人観光客の激減に拍車をかけた。街の雑踏は以前と変わらないが、高級ホテルのロビーは閑散としている。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.941, pp.72-75, 1998-05-18

家庭用ビデオ「ベータマックス」の図面とカセットを携え、ソニーの副社長、岩間和夫と専務の大賀典雄が、ビクターの本社を訪ねてきた。それを見た高野鎭雄は、ソニーの技術力の高さを思い知らされる。水面下でVHSの開発を続けてきたものの、明らかにソニーに水をあけられてしまった。このままVHSの開発を続けるべきか、ソニーの方式を受け入れるべきか思い悩む。
著者
田中 恵梨 佐藤 正明 林 知代 三宅 茜巳 粥川 恵子 林 成子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.346-347, 2011-08-20

岐阜県下呂市に,拝殿が吹きさらしのため風雨にさらされ,劣化が進んでいる天井絵がある.この天井絵には下呂地域の自然や風景,明治21年当時の道具等が描かれており,この地に住んでいた人々の生活を窺い知ることができるため,地域資料として重要なものであるといえる.本論では天井絵の記録撮影,データベース化,コンテンツの作成を通して地域資料の発掘と活用について考察した.