著者
木戸 優奈 佐藤 直行
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.401-402, 2019-02-28

インスタ映えする写真を投稿するユーザーはセンスや行動力などに優れている可能性が高いが,表立って評価されることは少なく「承認欲求が強い」と批判されることが多い.本研究では,ユーザーの優れている面を明らかにするため,27名の投稿写真のカテゴリ(SURF特徴量を用いたクラスタリング,計5556枚)の比率と性格因子(自意識・ゆとり感)の関連を調べた.その結果,投稿頻度の高いユーザーは低いユーザーに比べ,公的自意識が低く遊楽性が高いことがわかった.また,Fashionカテゴリの比率と公的自意識・挑戦性の有意な相関を示した.以上の結果は,投稿頻度が高いユーザーは承認欲求というより,遊楽性や挑戦性をもとに活動していることを意味する.
著者
宮本 泰 佐藤 直行 三浦 馨 柳沢 謙
出版者
Japan Antibiotics Research Association
雑誌
The Journal of Antibiotics, Series B (ISSN:04478991)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, pp.246-250, 1954

先に細谷1) らは, 本邦の土壌から分離した放線菌の1株H-365株が, 抗菌スペクトル並びに動物に対する低い毒性などの点でStreptomycin (SM) に類似の性質を示す新抗生物質を産生することを見出し, この株が<I>Streptomyces reticule</I>に属することから, この物質をReticulinと命名した。後に, BENEDICT2) らはscreeningの途上でやはり日本 (千葉県) において採取された土壌の2っの別々のサンプルから得られた2株が, SM類似の抗生物質を産生することを見出したが, この株は従来SM産生株として知られている<I>S. griseus</I>及び<I>S. bikiniensis</I>とは異なる新種で, 彼らはこれを<I>S. griseocarneus</I>と命名し, その有効産生物質はHydroxystreptomycinであることを指摘した。<BR>細谷3) らはその後, screeningを継続して2,000種以上の分離放線菌の中から, グラム陽性及びグラム陰性菌に有効な抗生物質産生株100株余を分離したが, その中からreticulin産生株として5株を得て, このものの生物学的性状, 有効物質の精製などを研究し, 得られたreticulinを用いてモルモットに於ける実験的結核症に対する治療実験をおこない, 著るしい効果が見られたことを報告4)した。更に, 細谷5) らは, <I>S. reticule</I>とBENEDICTらの得た<I>S. griseocarneus</I>との異同並びにそれらの産生物質であるreticulinとhydroxystreptonlycinとの異同を詳細に研究し, これらの産生株は分類学的に異なるものであること, 並びにreticulinとhydroxystreptomycinとは化学的に同一物質であることを結論するに至つた。<BR>著者らは, 1951年から1952年にかけて, 当時細谷から依頼を受けたreticulinのサンプルを用いて, モルモットの実験的結核症に対して長期の治療実験をおこない, 遠隔治療成績をも含めて, 同時に治療対照として用いたSMと同程度の著るしい成績を認め, 昭和27年6月文部省綜合研究結核研究委員会化学療法研究科会に報告した。その時の実験では, 当時までに発見された主な抗結核剤, 即ちPAS及びTB1をも同時に最終的に比較をおこなう目的の下に, 遠隔成績の観察をも兼ねて多数の動物群を編成したが, 不運にも溶血連鎖球菌による肺炎の流行に遭遇し, 実験動物の多数が罹患, 或いは斃死するに至り, 殊に治療中止後の遠隔成績を見るための残存動物群における混合感染が甚だしく, 実験成績の正確な批判に少なからず支障を来たした。以上の事実並びに膨大な成績表のために適当な誌上発表の機会を失したが, 今回, reticulin治療群とSM治療群の部分だけを他から切りはなして, 対照群との比較成績を, ここに報告する次第である。幸い, この両治療群のみは治療中の実験群のうちでも溶血連鎖球菌の汚染をうけた個体が少なかつた。治療中止後の観察群は大部分が混合感染をうけた。混合感染の有無は剖検表の備考欄に記載してあるから成績の判読に際して参照されたい。治療実験に入るに先立ち, reticulinの結核菌に対する発育抑制効果をSMのそれと比較した成績を示した。
著者
水原 啓暁 佐藤 直行
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本提案では,ヒトとヒトのコミュニケーションは、コミュニケーションを行う二者の脳の神経活動の振動(神経リズム)がシンクロすることによって実現される,という仮説を検証する.この目的のために,コミュニケーション課題を遂行中の被験者からの脳波計測を実施するとともに,神経リズムのシンクロを非侵襲的に操作することで,コミュニケーションの量的および質的変化が起こるかを調べる.本研究提案の成果は,円滑なコミュニケーションを実現するための技術開発につながる.令和元年においては,以下の2つの研究項目のうち、「コミュニケーション時の脳波と音声のシンクロ」について重点的に研究を遂行するとともに、「非侵襲脳刺激による神経リズム協調の操作」についても、その非侵襲脳刺激の方法について検討した.(1) コミュニケーション時の脳波と音声のシンクロ(2) 非侵襲脳刺激による神経リズム協調の操作「コミュニケーション時の脳波と音声のシンクロ」については,ナレーションを聴取中の20名の実験参加者を対象とした脳波計測実験を完了した.この実験では,短編小説のナレーションを聴取後に,どのような内容であったかを自由想起により被験者に回答してもらう課題である.自由想起した内容とオリジナルの小説文章との意味的な一致度を定量的に評価するために,自然言語処理技術を用いてそれぞれの文章を意味ベクトルに分解する.この意味ベクトルの一致度合いに基づき,被験者がどの程度ナレーション文章の聴取に成功していたかの成績評価を行う方法を開発した.特に今年度においては,自然言語処理技術による評価性能が最大となるパラメータ探索を実施した.また,「非侵襲脳刺激による神経リズム協調の操作」については,現在,経頭蓋電気刺激の利用可能性について検討を開始したところである.
著者
佐藤 直行
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.32, 2017-11-01
著者
佐藤 直行
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.119-128, 2011-09-05 (Released:2011-10-28)
参考文献数
55

脳はコンピュータとは異なり,光や音など異なる属性に関する情報処理は別々のハードウェア(脳部位)で並列分散的に処理される.このような構造は予測不能に変化する環境に適応して行動するために必要な構造だと考えられるが,どのようにして個体全体の情報を統合しているのだろうか? この問題を解く手がかりが「神経活動のリズム同期現象」である.リズム同期は多数要素の時空間パターンを自己組織的に生成できるダイナミクスであり,脳の各部で機能的な役割をもつことが明らかになってきた.なかでも領野スケールの同期現象である“脳波”は,脳分散システムにおける情報統合プロセスの理解に役立つ.本稿では神経活動のリズム同期現象とその機能的意義について概説し,脳波の大域脳モデルが脳分散システムの理解への道筋を与えうることを述べる.
著者
木戸 優奈 佐藤 直行
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.401-402, 2019-02-28

インスタ映えする写真を投稿するユーザーはセンスや行動力などに優れている可能性が高いが,表立って評価されることは少なく「承認欲求が強い」と批判されることが多い.本研究では,ユーザーの優れている面を明らかにするため,27名の投稿写真のカテゴリ(SURF特徴量を用いたクラスタリング,計5556枚)の比率と性格因子(自意識・ゆとり感)の関連を調べた.その結果,投稿頻度の高いユーザーは低いユーザーに比べ,公的自意識が低く遊楽性が高いことがわかった.また,Fashionカテゴリの比率と公的自意識・挑戦性の有意な相関を示した.以上の結果は,投稿頻度が高いユーザーは承認欲求というより,遊楽性や挑戦性をもとに活動していることを意味する.