著者
森下 大樹 佐野 大佑 荒井 康裕 磯野 泰大 田辺 輝彦 稲毛 まな 折舘 伸彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.3, pp.251-256, 2019-03-20 (Released:2020-04-08)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

Stress Velopharyngeal Insufficiency/Incompetence (SVPI; 吹奏楽器の演奏時のみ呼気が鼻腔より抜けることで演奏に支障を来す病態) の1例を経験したので報告する. 症例は19歳, 男性. クラリネット演奏時のみ鼻から空気が漏れ, 吹き続けられないため, 当科を受診した. ファイバースコピーでは, 頬ふくらまし時にアデノイドの小隆起の左側より呼気の漏出を認めた. 全身麻酔下, 上咽頭脂肪注入を施行したところ, 呼気の漏出と症状は消失し, 術後1年再発を認めていない. 本邦において耳鼻咽喉科医師の中でも認知度が低いと思われる SVPI について文献的考察を加え,症例提示する.

1 0 0 0 OA がん免疫療法

著者
西村 剛志 加納 里志 佐久間 直子 佐野 大佑 小松 正規 折舘 伸彦
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
雑誌
耳鼻咽喉科免疫アレルギー (ISSN:09130691)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.237-246, 2013 (Released:2013-12-26)
参考文献数
77

頭頸部癌患者に対する治療方針を決定する場合,現時点で免疫療法が第一選択の方針となることは極めて稀であるが,手術,放射線治療,化学療法との組み合わせで上乗せ効果を期待できる可能性がある。近年開発の著しい分子標的治療薬にも免疫学的知見が反映されており今後の飛躍的な治療成績の向上もあり得る。Biological response modifier (BRM) 製剤,養子免疫療法,ワクチン療法など現在利用可能と考えられる免疫療法と機序につき簡便に概説した。