著者
米本 和弘 佐野 香織
出版者
国立大学留学生指導研究協議会
雑誌
留学生交流・指導研究 (ISSN:13434683)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.49-61, 2023 (Released:2023-07-06)

近年、高等教育の「内なる国際化」の観点から、国際共修の授業が盛んに行われ、観察された学生の学びや変容の様子をもとに、その効果と可能性が指摘されている。ただ、高等教育の国際 化に関しては、課題も指摘されており、授業の方法や技術面の課題のみではなく、国際化の意味と国際共修のあり方についても議論を深める必要がある。そこで本稿では、協働で実践を行った 教員2名の協働探究を通して、教員の国際共修に対するあり方について考察することを目的とした。教員2名に対するインタビューを通し収集したデータをもとに、国際共修で直面しうる境界 に関する課題とそれに対する教員の教育観を描き出すとともに、高等教育の国際化とは何を指すのかという視点から、教員の境界へのかかわり方を論じた。国際共修というアプローチが抱えうる課題を取り上げたが、教員2名の教育実践を通して、その課題教員が常に意識的であることの重要性と、その難しさが明らかになった。
著者
佐野 香 高鳥 雄吾 張 少飛 佐々木 俊恵 小林 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.275-283, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
15

「問題文中への解答挿入機能」や「選択対象絞込み機能」などからなるスマートツール(ST)を実装したWBTベースのドリル型学習支援システムe^2-ELMを開発し,2005年度後期セメスター後半から大学学部の授業科目にて試験運用を始めた.従前から市販のWBTを用いていた履修学生による比較評価や,有志学生による評価実験などを行った.インターネット技術に関するドリル型学習教材を3通りの方法(STあり,STなし,紙ベース)で学習してもらい,プリテストおよびポストテスト得点から学習ののび(回帰成就値)を求めた.その結果,STは解答時の煩わしく非生産的な作業を軽減するとともに,ドリル型学習への期待感を高め,さらに学習ののびにも効果的なことが確認された.