著者
許 憲春 李 潔 作間 逸雄 谷口 昭彦
出版者
埼玉大学経済学会
雑誌
社会科学論集 (ISSN:05597056)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.55-67, 2006

本稿では、中国サービス業の範囲および生産面のGDP推計におけるその分類の変化を考察し、中国サービス業統計に存在する問題を検討し、国家統計局によるサービス業統計の改善措置について述べる。
著者
作間 逸雄
出版者
文化経済学会〈日本〉
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.8-10, 2022-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
18
著者
李 潔 作間 逸雄
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

国際基準SNAによって定義されるGDP統計は作成国の既存統計に全面的に依存し、各国が異なる推計方法を確立しているのが現状である。本研究は日中両国のSNAの導入経緯や統計制度、既存統計の相違を整理し、GDP統計の作成方法を考察した。また、帰属家賃の推計方法や実際の統計値を考察し、持ち家率が8割以上の今日でも中国の推計方法は本質的に変更していないことを問題点として提起した。さらに中国実質GDP推計に主に使用されるシングルデフレーション法のバイアスの問題について独自の考察を行った。本研究は中国を含め、発展途上国及びMPS体系からSNA体系への移行国のGDP統計の解明に一助になることを期待したい。
著者
有吉 範敏 作間 逸雄 市岡 修
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究の第一の成果は,Leontiefの環境経済モデルに立ち返って,政策分析に利用可能なLeontief環境経済CGEモデルの開発を手がけたことである。そこではまず,環境と経済を統合し均衡論のフレームワークで考察したLeontiefの先駆的研究を展望したあと,Leontief環境経済モデルの構造の徹底的な解析を試みた。また,Leontiefモデルの拡張や一般化ならびに応用分析についても考察を行い,経済主体の最適化行動や政府による課税を組み込んだLeontief環境経済CGEモデルの開発を手掛けた。本研究の第二の成果は,環境・経済統合勘定(SEEA)の拡張・改良版である環境SAMを構築することによって,環境SAMに基づくCGEモデルを構築し,これを用いて様々な政策分析を行ったことである。そこではまず,わが国のSEEAデータとSNAデータを用いて,詳細な「環境SAM」を構築し,その上で「帰属環境費用」に焦点をあてた簡易化された「環境SAM」のCGE分析を行なった。この環境SAMでは,労働,資本に加えて,「エコマージン」=帰属環境費用という生産要素の存在を仮説的に仮定し,実際には資本側の取り分として分配される所得の中に環境をいわば「搾取」して得た部分があり,維持費用概念に基づく帰属環境費用がその部分に該当すると考えた。この部分にコブダグラス型の関数形を当てはめて,いくつかの比較静学分析を実行した。主要な比較静学結果は3つある。(1)環境税,間接税の増税は,エコマージンを減少させる。(2)資本の外生的増加,労働の外生的増加に対するエコマージンの反応は逆になる。さらに(3)中間投入を帰属環境費用分だけ増加させた実験では,経済への影響は軽微なままエコマージンをゼロに出来る。なお,SEEAやSAMを含むSNAのフレクシビリティに関する研究や,CGE分析に用いたソフトウエア(GAMS, HERCULES)に関する詳細な解説も行った。