- 著者
-
儀同 政一
- 出版者
- 日本ハンセン病学会
- 雑誌
- 日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
- 巻号頁・発行日
- vol.78, no.1, pp.17-23, 2009 (Released:2010-12-21)
- 参考文献数
- 20
らい菌に対し強い殺菌作用を示すニューキノロン系抗菌薬(NQ)は、多剤耐性らい菌に対する治療薬として重要である。NQ などの化学療法薬はin vitro 活性がいくら強くとも血中半減期や組織移行性などの体内動態が劣るならば、強いin vivo 活性は期待できない。今回Buddemeyer 法とヌードマウス足蹠法を用いてニューキノロン系抗菌薬の構造式と抗らい菌活性の相関を検討した。実験結果からキノロン母核の1位にシクロプロピル基、3位にカルボキシル基、4位にオキシ基、5位にアミノ基または水素基、6位にフッ素基、7位に5員環または6員環の塩基性環状アミン、8位にフッ素基、塩素基またはメトキシ基に置換したNQ が、抗らい菌活性を最も強めることが示唆された。