著者
吉井 博明 八ッ橋 武明
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-11, 1999

Cable TV is expected to become one of the major media to realize fusion between broadcast and telecommunication. Recently many Japanese Cable TV operators provided internet connection service as the first step. Musashino-Mitaka Cable TV company was the first Cable TV operator to provide the service of internet connection. We conducted survey of Cable TV subscriber on the use of internet and evaluation of internet connetion service under the cooperation of Musashino-Mitaka Cable TV company in March, 1999. In this paper emphasis are put on findings of the survey : Cable TV subscribers are very intersted in inernet and the rate of internet use is very high, and the internet user of Cable TV subscriber are composed by two different groups, heavy users and light users.\n ケーブルテレビは、放送と通信の融合を進めるインフラストラクチャーとして大きな期待がかけられている。ケーブルテレビは、多チャンネル放送とインターネットの高速伝送を同時に実現する、最も有力なメディアのひとつとみなされている。ケーブルテレビの加入者は、ケーブルテレビ会社が提供するインターネット接続サービスを利用するか、別のインターネット接続サービス会社を利用することによって、自宅からインターネットを利用することができる。 ケーブルテレビ会社が提供するインターネット接続サービスは、電話回線を使ったダイアルアップ接続サービスに較べて、はるかに高速の接続サービスを提供できる点が大きな特長である。また、インターネットに接続するのに、電話回線を使うのではなく、ケーブルテレビ回線(同軸ケーブル)を使うことから、電話代が不要であり、しかもインターネット利用中でも電話を使うことができるという特長もある。さらに、ケーブルテレビ会社はサービス対象地域が限定されており、加入者がわかっていることから、パンフレットやチラシによる広報だけでなく、社員や営業マンが加入者宅を直接訪問し、勧誘や相談、あるいはセットアップ・サービスまで行うことができる。 このようなケーブルテレビ会社によるインターネット接続サービスは、2つのタイプのインターネット・ユーザー層を掘り起こす可能性がある。ひとつは、高速接続サービスを希望するユーザーで、おそらく現状の低速接続サービスに不満を持っているユーザー層であり、もうひとつは、インターネットに関心はあるが、加入の手続きやセットアップ等が苦手で加入していなかった潜在ユーザー層である。 そこで、本論文では、日本のケーブルテレビ会社の中で、最初にインターネット接続サービスを実現した武蔵野三鷹ケーブルテレビ株式会社の協力を得て、その加入者に対するアンケート調査により、インターネットに接続している世帯を選び出し、その利用実態を分析する。その際、ケーブルテレビ加入者のインターネット利用の特徴を明らかにするために2つの比較分析を行う。第1の比較分析は、①武蔵野・三鷹ケーブルテレビの加入者で武蔵野・三鷹ケーブルテレビのインターネット接続サービス(パークシティネット・以下p-netと略称)に加入しているインターネット・ユーザー、② 武蔵野・三應ケーブルテレビの加入者でp-netには加入しておらず(ケーブルテレビのみの契約世帯)、他のプロバイダーに自宅で加入しているインターネット・ユーザー、③一般的なインターネット・ユーザーという3グループ問の比較である。第2の比較分析は、p-netに加入しているユーザーを、①10Mbpsという高速接続サービスを受けているユーザー、②128kbps以下の接続サービスを受けているユーザーという2つのグループに分け、利用実態を比較するものである。
著者
八ッ橋 武明
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.48, pp.219-236, 280, 1996-01-31
被引用文献数
1

This is a study of the penetration process of CATV, decision-making processes in successful and unsuccessful acceptance of it in families, and satisfaction with it. These were investigated by a survey in a CATV system area near Tokyo. This was the first attempt at such a survey, and several interesting findings were obtained. Observed decision-making processes leading to successful acceptance are strongly consensus-oriented. In the average CATV subscriber family, the number negative to acceptance was only seven percent. Presence of a negative opinion in a family were highly likely to lead to unsuccessful acceptance. These findings suggest that the attractiveness of CATV would be rather weak, in addition to a slightly high application cost for the average consumer. Customer satisfaction analysis shows that subscribers are divided into several groups sensitive to the different types of usefulness of CATV. These results suggest that different types of promotional paths of CATV would be effective.
著者
三上 俊治 橋元 良明 箕浦 康子 吉井 博明 八ッ橋 武明 柏倉 康夫 遠藤 薫
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、多チャンネル状況における地域情報メディアの利用実態を探るために、鳥取県米子市において、中海ケーブルテレビの視聴可能地域をエリアとして、テレビ、新聞、多チャンネルケーブルテレビ、インターネットの利用状況、地域情報の情報源、地域住民の情報発信手段としてのケーブルテレビの役割について、テレビ局での聞き取り調査、パブリックアクセスチャンネル(PAC)参加者へのグループインタビュー、米子市民へのアンケート調査を実施した。具体的には、米子市在住の20〜69歳男女819名を対象とする社会調査を実施した他、携帯電話、携帯メール利用者計約10名を対象として、特定の1週間の通話内容とメール内容を記録してもらい、これを起こしたスクリプトを使って会話分析を行った。社会調査の結果、次のような知見が得られた。(1)テレビとインターネットに関する利用と満足の構造は類似しており、ある程度の相互代替性、補完性がみられる。(2)ケーブルテレビの加入動機は、多チャンネル化と専門チャンネル視聴が大きく、多チャンネル化ニーズが強いことを示している。(3)中海テレビの地域チャンネルは比較的よくみられており、なかでも災害情報、選挙速報、お祭りなどのイベント情報へのニーズが高いことがわかった。(4)パブリックアクセスチャンネルの視聴率は低いが、ケーブルテレビの番組取材を受けた経験のある人が多く、これがケーブルテレビの地域的機能に貢献していることがわかった。携帯メールの会話内容を分析した結果、感情表現として絵文字や特殊記号が多用されていること、全体として文章が簡潔で短く、くだけた会話調であること、移動しながら、きわめて短時間に多くのメッセージが交換されていることなどの特徴が再確認された他、音声通話との使い分けの実態などが明らかになった。