著者
竹田 直樹 八木 健太郎
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.12, pp.77-84, 2013-10-26

本研究は、都市空間に進出したサブカルチャーコンテンツの類型化と整理、ならびに、こうした事例の人々による受容形態の類型化と整理を試み、サブカルチャーコンテンツの都市空間における性質の一端を考察するものである。フィクショナルな物語として製作され、受容されてきたサブカルチャーは、これまで、現実世界とは無関係な存在であった。だが、その受容者は、このところ現実世界をそのフィクショナルな物語に沿う形で、読み替えてとらえるようになっている。ついには、その読み替えは現実世界に、実体のある彫像や建築や環境や施設となって設置、建設、保全されるようになり、現実世界は書き換えられている。都市空間に進出したサブカルチャーは、単なる余暇の娯楽にとどまらず、日常の生活に深く浸透した、新たな信仰の対象とも言える地位を確立しつつあるのかもしれない。
著者
竹田 直樹 八木 健太郎
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-7, 2009-03-31

彫刻設置事業における既成作品購入型とは、既成の作品の中から適切なものを選択・購入し、設置するという、きわめてシンプルな作品選択の方法である。この方法では、原理的に作品内容の中に設置場所との関連性は含まれず、設置される作品の内部にサイトスペシフィシティーは必然的に生じない。本論では、最初に計画的で継続的な彫刻設置事業に既成作品購入型の作品選定システムを取り入れた1973年からの長野市、その前後に行われた旭川市の設置事業、そして1978年から81年にかけて横浜市により大通り公園で実施された設置事業を分析対象とした。なお、この分析過程において、田村明の言説は重要である。その結果、既成作品購入型は、モニュメント性が希薄な作品が得られるという点で、自由主義社会にふさわしい作品選定方法として捉えられていたことがわかった。しかし、冷戦が終結し、バブル経済が崩壊した後の社会では、それは意外にも「自由主義の推奨する芸術」を賛美し、あるいは「高価で贅沢な商品」を賛美するモニュメントに変質してしまった可能がある。
著者
竹田 直樹 八木 健太郎
出版者
兵庫県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

平成18年度に引き続き、昨年度のディスカッションを通して見いだされた課題をさらに詳細に検討し、都市におけるアートの変容過程を明らかにするための調査と分析を行った。日本国内におけるアートの存在形態に関する研究については、代表者の竹田が中心となって研究分担者とともに研究を進めた。その結果、わが国のパブリックアートとしては、公共空間に彫刻などの美術作品を設置するという形態を取ることが多いことが明らかになったが、こうした自治体などの彫刻設置事業にも、時代によってその枠組みに違いが生まれたことが見出された。その成果の一部として、こうした枠組みの一つとして彫刻シンポジウム型の彫刻設置事業について、その発生と変遷の過程を明らかにした論文が環境芸術学会誌に掲載され公表されている。また、現在進行しつつあるプロジェクト型のアートについては、各地のプロジェクトの調査にもとづいて一般誌等にその成果が発表されているほか、研究代表者らは実際に制作者としても参加することによってその実態の解明を進めた。一方、海外におけるアートの存在形態に関する研究については、研究分担者の八木を中心となって研究代表者とともに研究を進めた。最も大きな変化があった期間として4特に1980年代のアメリカにおける変化の重要性に着目し、昨年度のパブリックアートの見直し研究の調査に加え、1980年代を中心とするアメリカにおけるパブリックアート政策の枠組みに関する研究を進めた。アートを導入する側と、アートを制作する側の双方の視点から検討することにより、1980年代に起きた大きな変化が、導入する側においては冷戦の終結による政治的な役割の終焉が、制作する側においては美術の自律性に関わる意識の変化が重要な要因となって発生したことを明らかにした。この成果は、環境芸術学会誌に論文として掲載され、公表されている。
著者
丹羽 健 長谷川 正 草場 啓治 八木 健彦 大砂 哲
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,数万気圧・数千度の酸素超臨界中でのゲルマニウムおよびシリカの二酸化物(GeO_2,SiO_2)の溶融・急冷回収実験から中空角柱状の非常に特異な形態を有する単結晶の育成に成功した.高密度ガラスを合成することは難しかったが,超高圧下におけるガラス形成能や結晶成長機構の解明,新規機能性材料開発に対する幅広い知見を得ることができた.
著者
小野江 和之 河合 聖子 丹羽 さやか 八木 健郎 馬場 研二 山口 悦郎
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.11, pp.2519-2521, 2007-11-10
被引用文献数
1 1

症例は61歳,女性.持続する微熱,乾性咳嗽あり当科受診した.外来検査中に症状増悪し緊急入院,自然経過のみで自他覚所見の改善を認めた.過敏性肺炎を疑い精査したが血清学的には抗原同定困難であった.誘発試験にて羽毛布団に原因抗原が含まれることを確認した.<br>

1 0 0 0 ECOC2007報告

著者
忠隈 昌輝 高橋 正典 今村 勝徳 杉崎 隆一 八木 健 森本 政仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.451, pp.1-4, 2008-01-17

2007年9月16日〜20日にドイツ・ベルリンにて開催されたECOC2007の概要を報告する。約450件の報告の中から光ファイバ技術関連のトピックスを概説する
著者
八木 健 杉崎 隆一 荒井 慎一 相曽 景一 武笠 和則 小倉 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.84, pp.1-6, 2000-05-18

WDM伝送が急速な進歩を遂げている中, 光アンプ, 分散補償モジュール, 合分波モジュールあるいは波長変換モジュールなどの光を処理するためのデバイスが大きな進歩を遂げている.また, 新たなWDM用光源の検討も進められている.それらのデバイス・光機器のキーアイテムの一つとしてデバイス系光ファイバの開発にも力が注がれている.本論文では我々が開発している光ファイバー分散スロープ補償ファイバ, 非線形現象を回避するEDF, 高非線形性ファイバーの紹介を通して, デバイス系光ファイバの現況を考える.