著者
弘中 満太郎 八瀬 順也 遠藤 信幸
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

昆虫が正の走光性によって人工光源に集まることは,身近な生物現象である.昆虫走光性に関しては,コンパス理論,マッハバンド理論,オープンスペース理論という3つの主要な仮説が提案されているが,いずれも多様な走光性反応を十分に説明できてはいない.本研究では,顕著な走光性反応を示す幾つかの分類群の昆虫の飛翔軌跡と到達地点を解析し,それらの昆虫が光源と背景との境界部に向かうことを示した.本研究の結果は,既存の3つの仮説とは異なり,昆虫がその正の走光性において明暗や波長,そして偏光による視覚的エッジへ誘引されていることを示唆している.
著者
八瀬 順也
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:21870365)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.121-126, 2020-08-20 (Released:2021-02-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
吉田 和弘 栁澤 由加里 三浦 宏晴 冨原 工弥 八瀬 順也
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.165-167, 2019-05-31 (Released:2019-09-01)
参考文献数
16

We investigated the effect of ploughing on overwintering populations of Laodelphax striatellus nymphs in two successive periods. The population densities of L. striatellus were remarkably lower after ploughing. Almost identical results were recorded irrespective of the ploughing seasons (November or January). In addition, the population densities remained low until early spring when the examinations ended.
著者
向阪 信一 西村 唯史 八瀬 順也 永岡 治 ニ井 清友
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.36, pp.144, 2003

吸汁ヤガの防除のための防蛾灯の配置は、内田らによれば東西南北の鉛直面照度と水平面照度の5方向の平均値で定義される空間照度1lx(光源方向に向けた最大照度では2.5lx)必要である。露地栽培での防蛾灯の配置を決める場合,防蛾灯の設置高さが低いため水平面照度と空間照度(最大照度)との差が大きい。そのため,露地栽培キャベツ圃場で防蛾灯の器具間隔を最大照度によって決め,ヤガの被害軽減効果と最大照度の有効範囲を調べる試験を行った。40W防蛾灯2台を1組とし遮光部のある側を背中合わせにして3組を地面に垂直に設置した。ランプ中心を地上から1.5mとして,26m間隔で設置した。ヤガによる被害の程度は,キャベツの芯を食害するハイマダラノメイガによって発生させられる非結球株数で調査した。最大照度2.5lx(空間照度1.0 lx)以上あれば,非結球株はほぼ0_から_1株以下に抑えられた。ひとつの試験事例ではあるが,露地栽培用防蛾灯の配置設計では,最大照度でその配置を決める方法が有効であることが示唆された。試験は初期照度で行っているため,実際の配置では保守率を考慮し,初期の最大照度が防蛾灯間で少なくとも約4 lx以上得られるように,20m間隔程度で40W防蛾灯2台1組設置することが望ましい。