著者
内田 康郎
出版者
Faculty of economics, university of toyama
雑誌
Working Paper, No.309, 2017.12, Faculty of economics, university of toyama
巻号頁・発行日
vol.309, pp.1-12, 2017-12

本稿はインド市場を攻略するスズキの現地子会社マルチ・スズキ社の事業活動について、公開資料の他、スズキ本社やマルチ・スズキへのヒアリングをもとに整理したものである。1983年に進出した当初より一貫して同社は現地自動車市場においてリーディング・カンパニーだが、当時と現在とでは競合他社の数や技術水準の向上など、競争環境がまったく異なる。そのような環境にありながら、マルチ・スズキは近年さらに競争優位を獲得してきている。本稿はその具体的な活動内容について整理するものである。
著者
内田 康郎
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.93-113, 2012-10-10

本稿の目的は、これまで標準化戦略研究で取り上げられてこなかった「ユーザー主導による標準化プロセス」の実態を解明し、これをもとに標準化戦略研究全体の体系化を図ることにおかれる。ここで、標準化戦略とは競争優位の確立を目的に、技術標準をもとに構築する事業戦略を意味するものだが、その意味での研究はこれまでさまざまな成果が見られるようになっている。だが、これまでの標準化戦略研究はライセンサ側から捉えたものが多かったが、近年の標準化はライセンサを巻き込みながらユーザー主導で進められる標準化プロセスも確認されるようになってきている。そこでは、ライセンスを持たない企業も積極的に標準開発作業に参画するだけでなく、標準開発メンバーの間では、ライセンサの持つ特許を無償で利用できるようライセンサに対してロイヤリティフリー(RF)での実施許諾を求めることなど、これまでの標準化戦略研究では対象とされなかった特徴が確認できる。こうした標準化プロセスは、ライセンサの事業戦略のあり方にも大きく影響するものと考えられる。本稿は、こうした知財を無償化させるユーザー主導の標準化プロセスの内容を明らかにしながら、このことがライセンサの競争戦略に対してどのような意味をもたらすのかについて検討することを目的とするものである。この目的に則って、事例分析としてインターネットで使われる技術の標準化を進めるW3CやRFIDの国際標準化を推進するEPCglobalを対象に進めていく。どちらもユーザー主導での標準化をRFで進めている標準開発機関である。これらの事例分析を通じて、ライセンサ主導の標準化プロセスとの間での相違点を見つけ出し、ユーザー主導の標準化プロセスがライセンサにどのような意味をもたらすかを明らかにする。同時に、本研究によって標準化戦略研究全体の体系化に資することを目指している。
著者
内田 康郎
出版者
Faculty of economics, university of toyama
雑誌
Working Paper, No.304, 2016.12, Faculty of economics, university of toyama
巻号頁・発行日
vol.304, pp.1-13, 2016-12 (Released:2016-12-28)

本稿は多国籍企業における国際ビジネスの展開において、IoTがどのようにかかわっているかについて、特に国際標準との関係性から考察を加えているものである。国境を挟んだ事業運営を前提とした旧来の国際ビジネス研究と異なり、業種や業界を超えることが前提となる IoTビジネスでは、何が、どう異なるのかということについて、既存研究では十分な整理ができていない。本稿は、その整理をする上での端緒に位置づけられるものと捉えている。
著者
内田 康郎
出版者
Faculty of economics, university of toyama
雑誌
Working Paper, No.304, 2016.12, Faculty of economics, university of toyama
巻号頁・発行日
vol.304, pp.1-13, 2016-12

本稿は多国籍企業における国際ビジネスの展開において、IoTがどのようにかかわっているかについて、特に国際標準との関係性から考察を加えているものである。国境を挟んだ事業運営を前提とした旧来の国際ビジネス研究と異なり、業種や業界を超えることが前提となる IoTビジネスでは、何が、どう異なるのかということについて、既存研究では十分な整理ができていない。本稿は、その整理をする上での端緒に位置づけられるものと捉えている。
著者
梶浦 雅己 内田 康郎 安田 賢憲
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年, ICTの標準,特許の関係が深化している。標準はデファクト標準からコンセンサス標準へシフトしている。標準と特許に関する企業のビジネスモデル事例がどのようなものであるかについて,オープン・イノベーションの視点で解明した。事例を検証した結果,オープン・イノベーションによるビジネスモデル構築は,企業内製でなく外部機関レベルで行われ,こうした変化はデファクト標準の衰退,コンセンサス標準の隆盛として出現したことが明らかにされた。