著者
冨澤 元博 大塚 博子 宮本 徹 山本 出
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.49-56, 1995-02-20
被引用文献数
6

シビレエイ電気器官のニコチン性アセチルコリンレセプターイオンチャンネル複合体へのイミダクロプリド関連化合物を含む各種リガンドの効果について, アセチルコリン(ACh)認識部位のプローブである[^3H]α-ブンガロトキシンおよびイオンチャンネル内のアロステリック部位のプローブである[^3H]フェンサイクリジンを用いたラジオレセプターアッセイにより検討した.ニコチン, アナバシン, カルバコールおよびシチシンはアゴニストであり, DMPP, コニイン, ネライストキシン, d-ツボクラリンはACh認識部位とアロステリック部位の双方に作用し, フェンサイクリジン, TCP, クロルプロマジン, メカミラミン, ロベリンおよびトリメタファンはアロステリック部位に作用する非拮抗的遮断薬であることを認めた.イミダクロプリド, 6-クロル-PMNIおよびアセトアミプリドは弱いアゴニスト作用を示したが, NMTHT, ニテンピラムなどには弱いアゴニスト作用とともにイオンチャンネル内に存在するアロステリック部位への弱い作用が認められた.
著者
橋本 隆雄 宮島 昌克 冨澤 元
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.565-568, 2001

2000年10月6日、鳥取県西部の山間部を震源とするマグニチュード7.3の鳥取県西部地震が発生した。この地震により斜面表層崩壊と落石による道路斜面被害が多かった。また、宅地造成盛土でも斜面崩壊や低地での液状化の発生により被害が生じた。特に震源地に近い西伯町法勝寺中学校では、高台にある軟式野球場の高さ14mの盛土法面が2.5mのテンションクラックを生じ、地上高さ4.5mの下部擁壁を崩壊する斜面崩壊を生じた。そこで筆者らは、土質調査と土質試験を行い、そこから得られる土質定数を用いて被害発生のメカニズムについて考察した。
著者
山本 出 藪田 五郎 冨澤 元博 斉藤 隆行 宮本 徹 利部 伸三
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.33-40, 1995-02-20
被引用文献数
14

[^3H]α-ブンガロトキシン, [^3H]ニコチンをプローブとしニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の認識部位へのニコチノイド, ネオニコチノイド, 関連化合物の結合性をみた結果, 昆虫nAChRでは3-ピリジルメチルアミノ部分をもつこと, 脊椎動物nAChRではイオン化度の高いことが必要であった.[^3H]フェンサイクリジンを用いTorpedoのnAChRのイオンチャンネル開口への効果をみた結果, アゴニスト作用を呈するのに3-ピリジルメチルアミノ部分があるほうがよいが, イオン化度の高いことが必要であった.ニコチノイドのアミノ窒素原子とネオニコチノイドの構造上対応する窒素原子の^<15>N NMRを測定したところ, 後者は前者に比べはるかに低磁場にあり, 窒素原子上の非共有電子対が電子吸引性基により非局在化, すなわち部分正荷電を帯びていることを示し, これが昆虫のnAChRとの相互作用には十分だが, 脊椎動物のそれとは不十分であるといえる.これによってニコチンは温血動物への毒性が高く, 殺虫活性が限られているのに対し, イミダクロプリドはその反対の特性を示すことが説明できる.