著者
出原 立子 藤井 朝比 前田 祐太朗
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.153, 2014 (Released:2014-07-04)

金沢市は、平成27年春に北陸新幹線開業を迎えるにあたり、滞在型観光の促進を目標とした「夜の賑わい創出事業」に取り組んでいる*1。本事業の一環として、我々は金沢の玄関口である金沢駅東口にある「もてなしドーム」において、プロジェクションマッピングを用いた実証実験を行った。 本研究のねらいは、ICTを活かし街の付加価値を創出する方法を実践的に追求することにある。今回の取り組みにおいて掲げた目標は、北陸新幹線開業に伴い新しい金沢のイメージを創り伝えること、そして新幹線開業の気運を市民と共に高めるために、見に来られた参加者達とプロジェクションマッピングとの関係性を創ることを目指した。 そこで、金沢の新たなイメージを伝えるために、もてなしドームにある構造物を対象に映像を投影する鑑賞型プロジェクションマッピングを行い、さらに、広場に集まった人々との関係性を創り出すために、インタラクティブ技術を用いた参加型プロジェクションマッピングのイベントを実施した。
著者
松下 俊介 出原 立子 土田 義郎 川﨑 寧史
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

金沢は観光資源の開発として、夜間景観を生かした観光コンテンツづくりを施策の一つとして掲げている。現在、ライトアップやナイトミュージアムなどがあるものの、街中に点在していることから、本研究ではそれらを巡り歩くきっかけづくりとして、金沢の夜の町巡りを促すラリーシステムの提案を目指した。本ラリーシステムは、NFCタグ付きの光アイテムを持って、街中に設置されているチェックポイントを巡り歩き、最終地点へと誘って行く。チェックポイントは透明板の重層構造ディスプレイで作られており、NFCタグを近づけると重層構造ディスプレイに映像が投影されるしくみとなっている。本ディスプレイはデジタルイメージが立体的な表現に見え、夜のシーンに映える演出が特徴であり、さらに参加者らの行動の記録がNFCタグに記録されることで、参加者ごとに異なる映像が作られる。本研究では、システムの設計・開発を行い、検証として金沢中心街において夜の灯巡りを誘う実験を行った。
著者
山内 暢人 出原 立子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.48, 2017 (Released:2017-06-29)

のとじま臨海公園水族館の各施設を巡る楽しさを向上し、来館者が能登の海洋生物についてさらに学ぶ機会を提供する目的として、「のとじまアクアリウムラリー」を展開し実証実験を行った。本ラリーシステムは、モバイル端末と3DCGを映す擬似ホログラフィを用いた仮想水槽をデータ通信で繋いだ点が特徴であり、水族館内を巡りながら能登の海洋生物を自分のスマートフォンに集め、さらに館内の大型水槽に向けてリリースする、キャッチ&リリースラリーである。チェックポイント内に手をかざすことによって、海洋生物をアプリケーション内の水槽に捕まえることができ、能登近海の海洋生物への興味に繋げるようにした。さらに、図鑑の説明文などを通すことで、学習向上に繋げた。捕まえた海洋生物は、ラストポイントにてフリックすることによって、壁面にその海洋生物を投影することができ、リリースシステムを楽しむことができる。そして、映像コンテンツを制作することで、切り替え映像用として、壁面に溜まった海洋生物をクリアおよび最後の演出とした。
著者
出原 立子 赤野 裕喜 脇坂 一希 川﨑 寧史
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.10, 2013 (Released:2013-06-20)

金沢の伝統工芸活性化を目指し、伝統工芸の魅力の伝え方として、これまでとは違った切り口から紹介する方法を検討し、若者に訴求できる伝統工芸の魅力発信の方法について提案し、実際にそれを実践してみることからその方法にについて考察を行った。金沢の伝統工芸の中でも代表的な加賀友禅の魅力を若者に伝え、興味関心を持ってもらうきっかけを作る方法を検討した。具体的には、メディア技術を活用した加賀友禅染めデジタル体験システム「Somect」を開発し、それを用いて体験型のイベントを街中において開催することを試みた。 加賀友禅染めデジタル体験システム「Somect」は、布でできたスクリーンを手で直接触れることで、加賀友禅の繊細な図柄を元に加賀五彩の彩色・ぼかし表現も自在にできるのが特徴で、手で布地を触れることで染め体験ができるインターフェースを用い、手仕事の技を伝えることをねらいとした。 本システムを使ったイベントを金沢の街中で実施し、そのイベント会場の設計・制作は建築学科の学生が担当し、システムのデザインと体験シーンのデザインの効果的なコラボレーションを行うことができた。
著者
出原 立子 郭 清蓮
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.147-156, 2006-03-01

金沢工業大学情報フロンティア学部メディア情報学科2年生を対象にした専門基礎科目「コンピュータグラフィックス演習」において行った、CGの表現技法と技術理論の習得を目指した教育実践について報告する。本科目では、工学系大学におけるCG導入教育として、技術理論を踏まえた実践的表現技法の習得をいかにして行うかを教育目標とし、テキストベースの講義と3DCGソフトを用いた演習からなる授業を行った。本稿では、その教育実践とその学習評価について、CGの表現技法と技術理論の学習評価の相関調査の結果、ならびに学生アンケートについて報告する。また、今回用いた課題作品を効率的に評価するための方法についても報告する。