著者
前田 洋一 大野木 裕明
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.23-30, 1994-06-10 (Released:2018-05-08)

中学1年生351名(男子173名,女子178名)を対象に,教師作成テストと知能検査から得られるいくつかの知的指数の関連性を調べたところ,以下の結果を見いだした。(1)教師作成テストはB式知能偏差値よりA式知能偏差値との相関が高い。教科間で各偏差値との関連性を検討した結果,男子群で,B式知能偏差値と高い相関を示す教科として理科・数学が得られた。(2)知能検査から得られる知的指標の内,創造的思考を表す指標である[流暢性]と[柔軟性]について教師作成テストとの相関を検討した結果,これらの2指標と教師作成テストとの相関は著しく低かった。教科ごとに各知的指標との相関を検討した結果,女子群では[認知]との相関が高かった。(3)教師作成テストから教科の構造を見るためにクラスター分析を行った結果,男子群では中学校1年段階で理系教科と文系教科に分類することができるが,女子群では未分化であった。
著者
守谷 茂雄 前田 洋一 米久保 智得 浅川 浩一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.220-226, 1977-12-25
被引用文献数
1

いもち病防除剤であるイソプロチオランの水溶液にイネの幼苗を浸根処理し,処理苗にトビイロウンカを放飼してウンカの生育,産卵などに及ぼす影響を調べた。<br>40ppm処理苗で連続飼育した成虫は寿命が短くなり,特に雄において影響が著しかった。生存1雌1日当りの産卵数は減少し,卵のふ化率も低下した。しかし,処理苗で短期間飼育した成虫の産下卵は正常にふ化し,ふ化幼虫を無処理苗で飼育した場合には正常に生育した。<br>ふ化直後から処理苗を与えた幼虫は徐々に死亡し,40ppm処理では羽化までにほとんどが死亡したが,死亡虫の中には脱皮途中で死亡する個体もみられた。5ppm処理苗を全幼虫期間与えたトビイロウンカは羽化後死亡する個体が多く,羽化成虫は寿命が明らかに短くなり,産卵数も少なくなる傾向を示した。<br>イソプロチオランはイネに産下されたウンカ類の卵にほとんど影響せず,処理卵からふ化した幼虫の生育,羽化,羽化成虫の産卵にも大きな影響は認められなかった。
著者
前田 洋一
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.209-215, 1996-02-20

本研究は,中学校理科における観点別評価と評定の実態を明らかにするために行ったものである。平成5年度末に,指導要録に記入された理科の観点別評価と評定を収集した。調査対象となった生徒は,男子538名,女子535名の合計1073名である。その結果,以下の2点が明らかとなった。(1)「関心・意欲・態度」,「知識・理解」,「技能・表現」の観点については,生徒の80%前後が達成していたが,「科学的思考」では生徒の約65%しか達成していなかった。(2)評定と観点別評価の間の相関値を見てみると,評定と最も相関の高い観点別評価の項目は,どの学年でも知識・理解の観点であった。相関係数は,0.80から0.84と高い正の相関値を示した。教師は生徒の能力を多面的に評価しようとしているが,本研究の結果は,知識・理解と評定の関連性を強調するものになっている。生徒の学力を多面的に評価するために授業と評価を一体化させることが急務である。
著者
秦野 智也 笠原 康信 吉原 慎一 片岡 陽一 前田 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.380, pp.7-11, 2004-10-21
被引用文献数
2

ノード間に複数の物理的なリンクが張られた状況において,それらを仮想的な1本のリンクとして扱う技術としてリンクアグリゲーションがIEEE 802.3adで標準化されている. IEEE 802.3adではフレームの順序が変動しないようにするために,各コネクションは1つのリンクを選択して伝送することを規定している.しかし,各コネクションが使用するリンクを複数のリンクから選択する方法が詳細には規定されていない.本稿では,複数のリンクの帯域利用効率を向上させるために,コネクションが使用するリンクをトラフィック状態に応じて動的に振り分ける方式を提案する.コネクションのリンク変更による対象コネクションのスループットの減少を防ぐため,提案方式は,リンク変更回数を少なくすること,コネクション間のリンク変更回数を均等にすることを特徴とする.また提案方式の帯域利用効率およびリンク変更回数について,シミュレーションにより評価する.