著者
前田 雅子 前田 稔彦 松元 加奈 森田 邦彦
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.335-339, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
11
被引用文献数
3

目的 : 診療時グラム染色検査の導入が抗菌薬の使用動向に影響を及ぼすかを検討することを目的とした.方法 : グラム染色導入前後での抗菌薬の種類・使用量の動向, 診療経過の動向を後方視的に調査した.結果 : 抗菌薬処方頻度 (100 人当たり) は, マクロライド系は20.9件 (2006年) から3.6件 (2012年) , 第三世代セフェム系は7.9件 (2005年) から2.4件 (2012年) に減少の一方, ペニシリン系は1.6件から3.9件に増加した. それにともなって1人当たりの抗菌薬消費額が約1/5に低下した. 小児急性副鼻腔炎患者50人当たりの抗菌薬不使用患者数は9倍に増加した一方, 治療期間中に抗菌薬2種類以上を処方された患者数は26名から9名に減少し, 治癒に要した日数は約6日間短縮された.結論 : グラム染色導入がよりよい抗菌薬使用につながる取り組みとなる可能性が示唆された. 多施設での研究的取り組みによる評価の必要性が考慮される.
著者
宮本 陽一 前田 雅子 大滝 宏一 西岡 宣明
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

今年度は、個々に資料収集および先行研究において提唱されてきた分析について再検討した。さらに、その知見をもとに九州方言(長崎方言、熊本方言)を中心に、特に選択的接続詞が認可されるコンテクストを念頭に本課題の刺激文を作成し、実験プログラム(Ibex Farm)を完成させた。個々の研究成果については以下の通りである。宮本は、九州方言における短い答えのデータをもとに日本語の短い答えにおける名詞句内分配解釈の認可条件について検討した。共通語では区別が難しい代名詞の「の」と属格の「の」の分布を九州方言のデータから区別し、日本語の短い答えにおいてFocP SPECへの移動ならびにAn(2016, 2018)の提唱する拡張削除(Extended deletion)が関与していることを明らかにした。西岡は特に日本語の主語位置の量化詞と否定の作用域について熊本方言の「が・の」主語をもとに考察し、さらに英語との比較を通して、カートグラフィの理論構築を行った。前田は助詞の残る削除現象、イントネーションと量化詞の作用域の関係、疑問文断片等について長崎方言等のデータを踏まえつつ、分析を行った。大滝は実験で使用する熊本方言と長崎方言における量化表現について検討し、どのような刺激文を実験で使用すべきか検討した。また、刺激文を提示する際に使用するプログラム(Ibex Farm)について、刺激文ならびに画像刺激の提示方法について検討した。加えて、富山方言における実験の可能性についても検討した。
著者
木口 智明 濱川 恵梨香 冨岡 華代 新居 朋恵 前田 雅子 堀江 正一 北田 善三
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.130-135, 2010

A simple and rapid method has been developed for determining of L,L-aspartame (APM), its epimer (L,D-APM), diketopiperazine (DKP), L-phenylalanine (Phe) and D-Phe in various foods by high performance liquid chromatography (HPLC) and liquid chromatography/mass spectrometry (LC/MS). These compounds in foods were extracted with 0.01mol/L hydrochloric acid in ultrasonic bath, and the extract was loaded onto a strata-X-C, cation-exchange and reverse-phase cartridge. The HPLC separation was performed on a SUMICHIRAL OA-5000 (monolithic-type, 4.6mm i.d.×10cm) with ultraviolet detection, using 2mmol/L CuSO<sub>4</sub> solution-acetonitrile-isopropyl alcohol (85:10:5) as a mobile phase. The LC/MS separation was performed on a CHIROBIOTIC TAG (2.1mm i.d.×25cm, 5μm) with a mobile phase of 0.01% ammonium acetate-0.005% acetic acid-ethanol (1:1:2). The recoveries of 5 compounds from foods added at the level of 0.2g/kg in HPLC and LC/MS were 93.9-102.9% and 82.1-102.4%, respectively. In HPLC, the detection limits of APM, DKP and Phe were 0.02g/kg. In LC/MS, the detection limits of APM was 0.01g/kg, and DKP and Phe were 0.02g/kg.