著者
副島 健治
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 = Journal of International Student Center, Toyama University (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.51-52, 2013-09

1998年の日韓首脳会議における「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」の構築の合意に基づき,具体的な行動計画として「日韓共同理工系学部留学生事業」が立ち上げられた。この事業は,韓国で選抜された高校卒業生を,留学生として日本の国立大学の理工系学部が受け入れるプログラムである。1999年に第一期生の募集が開始され10年間の第1次事業を経て,2009年の募集から新たな第2次事業が行われている。富山大学はこれまでにこのプログラムに基づく留学生(以下,「日韓生」とする)をのべ9人受け入れた。現在2人の日韓生が富山大学に在学中である。
著者
副島 健治
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
no.12, pp.9-16, 2013-09

独立行政法人北方領土問題対策協会は,1998 年より「北方領土」に日本語講師を派遣し日本語コースを開いてきた。これまでのべ3000 人以上の現地のロシア人住民が日本語を学んだ。2011 年からこの事業のための教科書開発の検討会が設けられ教科書の開発に取り組んでいる。「北方領土」という特殊な地で実施される日本語教育のための日本語教材であり,教材開発は諸所において色々な配慮のもとに具現化されていった。その特徴は,「ビザなし交流」の場面を意識したダイアローグを「小会話」として積み重ねる,キリル文字による日本語表記,日本語には適宜ロシア語訳を付ける,必要な説明や解説はすべてロシア語で行う,などである。この日本語コースは「ビザなし交流」の一環として,北方領土問題の解決に寄与するために行われている事業であり、何よりも教師と学習者がお互いの立場を理解し敬愛し合い,人と人とのしっかりした信頼関係が構築されていることが重要である。
著者
副島 健治
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 = Journal of International Student Center, Toyama University (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
no.7, pp.15-30, 2008-10

いわゆる「ビザなし交流」の一環として「北方四島交流事業日本語講師派遣事業」が独立行政法人北方領土問題対策協会によって1998年から実施されている。これは,日本とロシアという2つの国家聞の領土をめぐる緊張した状況を抱える「北方領土」の地で,島氏に対する日本語講座を開講する事業である。事業の目的は北方領土問題の解決に寄与することにほかならない。毎年開講されているが,短期間なので受講者の学習したことが定着しにくく適当な教材も不足しているなど,困難な側面もある。しかし,島民からは概ね好意的に受け入れられており,日本語学習を通して,現地に親日的・友好的な雰囲気が生まれ,醸造されてきており,「北方領土」における本事業の日本語教育は一定の成果が上がっていると言える。しかし,本事業の趣旨である「ビザなし交流」に合致した教材の開発,効果的な講師派遣の方法や期間など,今後さらに検討し,取り組むべき課題もある。
著者
副島 健作
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.46-47, 1997

In this study, we report the result of a questionnaire survey of advanced students who are in our graduate school on the shitsutsuaru form acquisition. It was found that they made more errors of that form than the sbiteiru form and couldn't understand the criteria of choice between these two forms in the expression of progressive action. The significant correlation between the errors of the shitsutsuaru form and the length of their stay in Japan wasn't found in an examination with the F-test. From all of these pieces of evidence, we need to establish how to teach the shitsutsuaru form effectively in Japanese language classrooms.
著者
副島 健治
出版者
富山大学国際交流センター
雑誌
富山大学国際交流センター紀要 = Journal of Center for International Education and Research, University of Toyama (ISSN:21891192)
巻号頁・発行日
no.4, pp.21-29, 2017-12

近年の日本人学生は「内向き志向」であると言われる。本報は,日本人学生が改めて自文化である日本語・日本文化を学ぶことを,グローバルマインドを身につける1つのアプローチとして位置づけ,その学びにより自らのアイデンティティーを確認し誇りを持って外へ目を向けるようになる契機となるのではないかという「グローバル人材育成」の試みとして実践した報告である。関わった学生たちは,日ごろ気に留めていなかった「日本語」をあらためて学び,「発見」することを経験した。その新鮮な経験によって,教養としての知識を身につけるということだけにとどまらず,気おくれすることなく外国(語)へ目を向けることのできる日本人としての自負も生まれ,留学することを考え始める学生もでた。「グローバル人材育成」という観点から,自己の文化を見つめ直すことが重要であることが明らかとなった。
著者
副島 健治
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 = Journal of International Student Center, Toyama University (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.64-65, 2008-10

1998年,当時の小渕恵三日本国総理大臣と金大中韓国大統領による日韓首脳会議が行われ,21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築するとの共通の決意を宣言したが,この合意に基づき,具体的な行動計画として「日韓共同理工系学部留学生事業」が立ち上げられた。この事業は韓国で選抜された高校卒業生を留学生として日本の国立大学の理工系学部が受け入れるプログラムである。1999年に第一期生の募集が開始された。富山大学ではこのプログラムによりこれまでのべ7人を受け入れてきた。本学に配置があった年度は2001年度,2003年度,2004年度,2006 年度であった。2001年度(第2期生)4人,2003年度(第4期生)1人,2004年度(第5期生)1人,2006年度(第7期生)1人,計7人
著者
副島 健市 小柳 仁 吉田 翼 有岡 孝則 大内 田明
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.1782-1784, 1985

開心術を行なう際, 人工心肺回路にopen circuitを用いるかぎり, つねに空気塞栓の危険を伴ってくる. 空気塞栓予防対策は, 以前より種々の方法があるが, それぞれ一長一短があった. 今回われわれは超音波を用い, 貯血槽の液面を感知するレベル・センサーを試作したので, 使用経験を報告する. 装置はWilliam Harvey (WH) 1300, 1500用として, 液面に対し直下より垂直方向に用いるものと, WH 1700用として, 液面に平行して横から用いる, 2種類を試作した. いずれも液面の低下を警報で知らせ, さらに危険域まで低下すれば, 警報と同時に, 送血ポンプの非常停止を行なう. 本装置はノイズ対策が十分で, また光や静電気などで誤作動する心配がなく, 確実に作動するため, きわめて有用であった.