著者
高田 英一 大石 哲也 森 雅生 関 隆宏 小柏 香穂理 劉 沙紀
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.87-93, 2020 (Released:2021-01-31)
参考文献数
7

大学が近年の厳しい経営環境に対応するためには,ステークホルダーの支持を得る必要があり,そのためには,ステークホルダーによる認知の集積である「レピュテーション」を高め管理する取組である「レピュテーション・マネジメント」(reputation management)の取組を進める必要がある.また,その際には,大学のデータマネジメントを担当するIRの活用の取組が有効と考えられるが,いずれの取組の状況も明らかでない.このため,国立大学に対してこれらの取組の現状に関するアンケート調査を実施した.調査の結果から,レピュテーション・マネジメントの重要性が多くの大学で認識されるとともに,レピュテーション・マネジメントに関する取組が実施されていること,また,レピュテーション・マネジメントへのIRの活用の必要性が認識されている状況が明らかとなった.
著者
劉 沙紀 矢萩 徹 大西 英治 岩宮 眞一郎
出版者
日本音楽知覚認知学会
雑誌
音楽知覚認知研究 (ISSN:1342856X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.73-86, 2015

市販の映像作品の一部を用いて音楽と映像それぞれの印象と調和感の連続測定実験を行い,調和感が形成される心的過程についての検討を行った。本研究で用いた視聴覚刺激においては,類似した印象の音楽と映像が組み合わされ,高い調和感が形成されていた。このような調和感は,意味的調和と言われている。異なる作品の音楽と映像を組み合わせても,音楽と映像の印象は類似せず,意味的調和は形成されない。意味的調和は,音楽と映像の印象を感知した後に形成されるので,形成にある程度の時間がかかる。しかし,一旦調和感が形成されると,音楽と映像の印象の類似性が弱まっても,調和感は持続する。また,映像の展開に合わせて,次第に調和感が上昇する。
著者
劉 沙紀 孫 陶洋子 蔡 祺 岩宮 眞一郎
出版者
日本音楽知覚認知学会
雑誌
音楽知覚認知研究 (ISSN:1342856X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.87-100, 2015 (Released:2022-01-12)
参考文献数
20

音楽と画像の調和感に関する文脈効果を明らかにするために,「陽気な」あるいは「陰気な」印象の音楽と画像を用いて調和感の評定実験を行った。連続した2場面よりなる視聴覚刺激において,両場面とも音楽と画像の印象が類似し,両方の印象とも一貫している場合には,後半に呈示した場面の調和感が高まった。2場面とも,音楽と画像の印象が反対の刺激においては,後半に呈示された場面の不調和感が和らいだ。音楽と画像の印象が一貫している場合には,不調和感の緩和効果がより顕著だった。音楽と画像の印象が類似している場面と反対である場面の組み合わせでは,後半に呈示された類似している場面の調和感,反対である場面の不調和感が抑制された。