著者
高田 英一 森 雅生 関 隆宏 大石 哲也 川辺 聡史
出版者
独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構(旧 大学評価・学位授与機構)
雑誌
大学評価・学位研究 (ISSN:18800343)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.67-80, 2018-03-01 (Released:2019-03-27)
参考文献数
12

本研究では,国立大学における内部質保証のためのIRによる支援の実施状況に関するアンケート調査を行った。調査結果によると,IRの内部質保証への支援は,十分に行われているとは言えない状況であった。また,IR担当の組織・人が存在する大学では,IRによる評価への支援が多く行われていた。しかし,IRによる改善への支援や支援の有用性を高める要因は明確にならなかった。このため,今後,IRの組織・人以外のIRによる支援の有用性を高める要因を検討する必要がある。
著者
嶌田 敏行 小湊 卓夫 浅野 茂 大野 賢一 佐藤 仁 関 隆宏 土橋 慶章 淺野 昭人 小林 裕美 末次 剛健志 難波 輝吉 藤井 都百 藤原 宏司 藤原 将人 本田 寛輔
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

大学の諸課題の数量的・客観的把握を促すIRマインドの形成を目指した評価・IR人材の能力定義、教材の開発、教育プログラムの開発および体系化を行った。そのために単に研究・開発を行うだけでなく、様々な研修会や勉強会を開催し、全国の評価・IR担当者の知見を採り入れた。そのような成果を活かして、評価・IR業務のデータの収集、分析、活用に関するガイドラインも作成し、評価現場やIR現場で活用いただいている。加えて、合計14冊(合計940ページ)の報告書を作成した。この報告書は自習用教材としての活用も意識した構成とし、すべてwebページを作成し公表している。
著者
小湊 卓夫 嶌田 敏行 淺野 茂 大野 賢一 佐藤 仁 関 隆宏
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

大学における教育では目標設定型の教育が求められている。そこにおいて重要なのは設定された目標に基づいて、どのように評価を行うのかである。そして教学マネジメントにおいては、それを全学的にどのように進めていくのかが課題であるが、米国でのInstitutional Effectivenessを参考に、定期的なプログラムレヴューとそれに基づいた改善計画を提出させる仕組みの構築が重要であることが分かった。
著者
高田 英一 桑野 典子 森 雅生 関 隆宏 関口 正司 高森 智嗣
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は、我が国におけるIR及び内部質保証の在り方に関する研究である。この研究で、内部質保証を支援するIRのための人材の教育カリキュラムとデータベースの活用に関する研究も行った。また、IRによる内部質保証の実質化の支援の状況を把握するために、国立大学を対象とするアンケート調査を実施した。調査の結果、IRは内部質保証の支援を十分に実施していないことが分かった。今後は、IRは、個別の課題の調査分析にとどまることなく、全学としての内部質保証システムに位置付けて活用することが重要といえよう。
著者
山下 耕治 赤井 伸郎 福田 健一郎 関 隆宏
出版者
財務省財務総合政策研究所
雑誌
フィナンシャル・レビュー (ISSN:09125892)
巻号頁・発行日
vol.149, pp.202-223, 2022 (Released:2023-02-10)
参考文献数
11

本稿の目的は,水道管路の老朽化や人口減少の進行は,家事用の水道料金にどのように反映されるのか,さらには,口径別か用途別かという料金体系の違いは,水道料金の格差を生む要因であるのかについて実証的に明らかにすることである。パネルデータを用いた検証から,次のようなファクト・ファインディングを得た。 第一に,老朽化した水道管路の割合が高い事業体ほど,家事用の水道料金は有意に高くはなるが,そのパラメータはゼロに近く極めて小さいことを確認した。すなわち,管路の老朽化を見据えた水道料金の設定・改定は機能していないことを示唆するものである。第二に,口径別料金体系を採用している事業体では,用途別の事業体と比較して,家事用の水道料金は高い水準にある。さらに,口径別の事業体では,老朽化した管路の割合が高いほど水道料金が高いことが確認された。すなわち,用途別の事業体では,「家事用」という区分が明示的に存在することで,家事用の水道料金を高い水準に設定・改定することへの反発を招くなど意思決定上の困難性が存在するのかも知れない。第三に,口径別料金体系を採用している事業体は収益性が高く,用途別の事業体は収益性が低いことを確認した。 地方公営企業である水道事業は,独立採算制が原則で,原価に見合った料金設定・改定が求められている。用途別の料金体系を採用することで,水の使用目的により水道料金が異なる状況は,原価に見合った料金設定が機能していないことを意味する。用途別の料金体系は,施設の老朽化や事業の収支を見据えた適正な水道料金の設定・改定を阻む制度的要因になっていると思われ,持続可能性の観点からは,口径別料金体系の導入が望まれる。
著者
高田 英一 大石 哲也 森 雅生 関 隆宏 小柏 香穂理 劉 沙紀
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.87-93, 2020 (Released:2021-01-31)
参考文献数
7

大学が近年の厳しい経営環境に対応するためには,ステークホルダーの支持を得る必要があり,そのためには,ステークホルダーによる認知の集積である「レピュテーション」を高め管理する取組である「レピュテーション・マネジメント」(reputation management)の取組を進める必要がある.また,その際には,大学のデータマネジメントを担当するIRの活用の取組が有効と考えられるが,いずれの取組の状況も明らかでない.このため,国立大学に対してこれらの取組の現状に関するアンケート調査を実施した.調査の結果から,レピュテーション・マネジメントの重要性が多くの大学で認識されるとともに,レピュテーション・マネジメントに関する取組が実施されていること,また,レピュテーション・マネジメントへのIRの活用の必要性が認識されている状況が明らかとなった.