著者
高田 英一 森 雅生 関 隆宏 大石 哲也 川辺 聡史
出版者
独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構(旧 大学評価・学位授与機構)
雑誌
大学評価・学位研究 (ISSN:18800343)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.67-80, 2018-03-01 (Released:2019-03-27)
参考文献数
12

本研究では,国立大学における内部質保証のためのIRによる支援の実施状況に関するアンケート調査を行った。調査結果によると,IRの内部質保証への支援は,十分に行われているとは言えない状況であった。また,IR担当の組織・人が存在する大学では,IRによる評価への支援が多く行われていた。しかし,IRによる改善への支援や支援の有用性を高める要因は明確にならなかった。このため,今後,IRの組織・人以外のIRによる支援の有用性を高める要因を検討する必要がある。
著者
高田 英一
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.96-99, 2021 (Released:2021-12-28)

第3サイクルの認証評価では、内部質保証が重視されているため、各大学では、各大学の運営の独自の文脈とともに認証評価基準を踏まえて、内部質保証体制の構築と機能の実質化に取り組んでいる。その際は、他大学の評価結果が参考となるが、留意すべき課題の所在や内容を把握することは必ずしも容易でない。このため、本研究では、認証評価機関である大学基準協会の評価結果を基に、大学の内部質保証体制について指摘された課題の所在等を分析するものである。
著者
高田 英一 桑野 典子 森 雅生 関 隆宏 関口 正司 高森 智嗣
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は、我が国におけるIR及び内部質保証の在り方に関する研究である。この研究で、内部質保証を支援するIRのための人材の教育カリキュラムとデータベースの活用に関する研究も行った。また、IRによる内部質保証の実質化の支援の状況を把握するために、国立大学を対象とするアンケート調査を実施した。調査の結果、IRは内部質保証の支援を十分に実施していないことが分かった。今後は、IRは、個別の課題の調査分析にとどまることなく、全学としての内部質保証システムに位置付けて活用することが重要といえよう。
著者
高田 英一
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.96-99, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

内部質保証は3 巡目の認証評価の重点評価事項であるが、その取組は未だ十分とはいえない。本研究において、 認証評価における内部質保証に関する評価結果を検討した結果、課題の指摘に関する評価機関の特質とともに、多くの大学では改善の実績に課題がある状況が明らかとなった。
著者
高田 英一 大石 哲也 森 雅生 関 隆宏 小柏 香穂理 劉 沙紀
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.87-93, 2020 (Released:2021-01-31)
参考文献数
7

大学が近年の厳しい経営環境に対応するためには,ステークホルダーの支持を得る必要があり,そのためには,ステークホルダーによる認知の集積である「レピュテーション」を高め管理する取組である「レピュテーション・マネジメント」(reputation management)の取組を進める必要がある.また,その際には,大学のデータマネジメントを担当するIRの活用の取組が有効と考えられるが,いずれの取組の状況も明らかでない.このため,国立大学に対してこれらの取組の現状に関するアンケート調査を実施した.調査の結果から,レピュテーション・マネジメントの重要性が多くの大学で認識されるとともに,レピュテーション・マネジメントに関する取組が実施されていること,また,レピュテーション・マネジメントへのIRの活用の必要性が認識されている状況が明らかとなった.
著者
高田 英一 高田 悠二
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.3-14, 2012-11-30

現在,わが国の大学では,近年の大きな経営環境の変化に対応するために,教職協働の推進と,そのための大学職員の能力向上の必要性が叫ばれている.特に,国立大学では,大学評価への対応の重要性が増しているが,それに携わる職員に必要な能力に関する議論はほとんど行われていない.そこで,本稿では,法人評価における教育分野の達成状況報告書の作成業務を対象として,教育情報の収集・蓄積・管理・分析等の業務に必要な職員の能力に関する現状と課題を検討した.その結果,当該業務には,多様なレベルの教員・職員が多様な業務に関与しており,それら業務の遂行には,大学評価に関する専門的知識だけでなく,大学の活動全体に関する幅広い知識など重層的な知識・能力が必要であることが明らかとなった.
著者
高田 英一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.99-104, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)

大学においてIRを適切に機能させるためには,適切な部署に適切な資質を有するIR人材を配置する必要がある。しかし,わが国では,IRを担当する人材が十分でないため,その育成を進める必要がある。このIR人材の育成の検討の前提として,本稿では,国立大学におけるIR担当組織の構成員の実態を調査した。調査の結果,IR担当組織の構成員は,IRに関する能力,関心等の個人的な資質よりも,全学として組織的にIR に取り組む体制の構築を意図して,役職を指定して任命される場合が多いことが分った。また,IR人材の養成のための研修を充実する必要があるが,個別の大学では困難であるため,大学間連携や学会を通じた取組が必要である。また,研修の内容を大学がIR人材に求める資質やIR人材の担当する職務,経験に対応した内容とすることが望まれる。