著者
武田 雅哉 田村 容子 加部 勇一郎 向後 恵里子 濱田 麻矢 越野 剛
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

本研究は、中国における「乳房」の表象を、中華圏(中国大陸以外の中国語圏を含む)・ロシア・日本の各地域における表象と比較し、非西欧圏・社会主義圏における「乳房」イメージの生成、交流、変遷について明らかにするものである。分析の中心となるのは、19世紀から20世紀にかけての画報(絵入り新聞)・連環画(絵物語)・ポスターなどの図像資料、および新聞記事や文学などの文字資料である。戦争を背景とした「国民国家」形成の時代、外来の影響と自国の伝統の交錯する磁場の下で流通した「乳房」イメージを、「戦時プロパガンダ」、「女性表象」、「可視化/不可視化されるセクシュアリティ」など多様な視点から解読し、三地域間の歴史的記憶が構築されるシステムについても考察する。平成27年度は、以下の研究を行った。1.定例研究会の開催。おのおのの研究発表および意見交換・資料閲覧のための会合を年2回(8月・1月)開催した。定例研究会では、研究代表者および分担者が研究成果報告を行ったほか、ゲストスピーカーを招き、日本のマンガ、観光施設における人体模型、日本古典文学に見られる乳房表象に関する講演と質疑応答を行った。2. 国内における資料調査。国会図書館関西館、京都国際マンガミュージアムにおいて関連資料調査を行った。3. 書籍の購入。『中国近現代女性学術叢刊』等の書籍を購入した。4.平成25年度から27年度にかけて収集した資料を活用し、研究代表者および分担者が、株式会社ワコールの主催する「乳房文化研究会」において「アジアにおける乳房観 Part3 ~中国人女性の身体意識と文化・ファッション~」と題する研究成果報告を行った。5.研究成果公開、書籍出版のための打ち合わせを行った。(1月・3月)
著者
佐々木 睦 平井 博 加部 勇一郎
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

研究会については、1度の国際シンポジウム、2度の児童雑誌研究会を行なった。2015年5月30日に開催した京都国際マンガミュージアム学術シンポジウム「〈連環画〉、そのさまざまな顔 ~他ジャンルとの接点をさぐる~」)は京都大学の貴志俊彦教授が代表をつとめる基盤研究(A)「東アジア域内100年間の紛争・協調の軌跡を非文字史料から読み解く」とともに主催したものである。第3回中国児童雑誌研究会「交錯するまなざし」/2015年8月1日/首都大学東京。佐々木睦「海を渡ったのらくろ ──20~30年代児童・少年雑誌に見る日中漫画交流」、加部勇一郎「『児童時代』における異国表象」、米井由美(首都大学東京大学院博士課程)「民国期女性雑誌と日本」に加え、鳥谷まゆみ(立命館大学衣笠総合研究機構)によるゲストスピーカー講演「民国期の小品文について ──青少年教育から文章愛好青年の創出へ」第4回中国児童雑誌研究会「〈書き換え〉のたくらみ」/2016年3月4日/首都大学東京。佐々木睦「民国期児童雑誌『小朋友』の日本漫画受容」、平井博「ルビッチ『ウィンダミア夫人の扇』と洪深「『少奶奶的扇子』 ──中国早期サイレント映画管見」、加部勇一郎「戴鉄郎のマンガ『黒猫警長』について」、上原かおり「『三体』三部作から『三体X』へ ──登場人物像の〈描き換え〉から考える」。国内外での資料調査はのべ6回、研究課題解明のための貴重な資料を多数入手した。メンバーによる研究発表は著作が6点、口頭発表が13。うち研究代表者・佐々木睦「海を渡ったのらくろ ──民国期児童雑誌における日本漫画の受容」は民国期の児童雑誌に戦前の講談社の漫画が多数輸入されていることを初めて指摘したもので、従来戦後のものと考えられていた日本漫画の中国雑誌への掲載が大正時代にさかのぼれることを発見した。