著者
武田 雅哉 濱田 麻矢 越野 剛 加部 勇一郎 田村 容子 向後 恵里子 藤井 得弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、中国における「乳房」の表象を、中華圏・ロシア・日本の各地域における表象と比較し、非西欧圏・社会主義圏における「乳房」イメージの生成、交流、変遷について明らかにするものである。分析の中心となるのは、19世紀から20世紀にかけての画報(絵入り新聞)・連環画(絵物語)・ポスターなどの図像資料、および新聞記事や文学などの文字資料である。研究成果は、株式会社ワコールの主催する「乳房文化研究会」の定例研究会「アジアにおける乳房観 Part3~中国人女性の身体意識と文化・ファッション~」において発表したほか、書籍として刊行予定である。
著者
武田雅哉著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
1998
著者
武田 雅哉 東田 雅博 立川 健治 杉本 淑彦 竹中 亨 斉藤 大紀
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究においては、画報や映画など、ビジュアルな資料を主たる研究対象としてとして検討を行なってきたが、ヨーロッパと中国および日本の、それぞれの資料に描かれた、それぞれにとっての「外国人」「外国文物」についての検証を、多角的に進めることができた。その過程で、当初の研究対象である「外国人イメージ」をさらに拡大させ、われわれの関心は、都市、政治、制度、物語、科学技術など、広く外国伝来のものに対するイメージを探る方向にも、展開していった。最終的な研究成果報告書においては、「日清・日露戦争時期におけるイギリスの画報に見るアジアイメージ」、「日本の馬匹改良に見る外国イメージ」、「エジプト遠征の記憶に見るアラブ・イスラームのイメージ」、「ドイツの画報に見るアジアイメージ」、「中国清末民初期の画報から文化大革命時期の刷り物に見る鉄道事故のイメージ」、「日本の流行歌に見いだされる上海のイメージ」、「近世ヨーロッパが見た日本の法制度」、「1930年代ハリウッド映画に見られる中国人イメージ」が、研究代表者・分担者および協力者による成果として文章化され、報告されている。3年にわたる研究会を通して、われわれは、互いに研究分野の異なる研究者が、ひとつの図像資料に目を向けて意見交換をしあうことの有効性を痛感した。それぞれが使用する言語の壁を越え、図像というオブジェの解読をめぐって知恵を出し合うという研究のスタイルは、今後の展開においても、そのまま継承されるであろう。今後はまた、英国と中国、日本と中国など、異なる地域において刊行された画報が、同一事件(戦争など)について、それぞれどのように報道されているかを、図像、テキストともに詳細に併読、検討することなども行なっていきたい。
著者
貴志 俊彦 陳 來幸 石川 禎浩 武田 雅哉 川島 真 柴山 守 松本 ますみ 孫 安石 大澤 肇 小林 聡明 谷川 竜一 菊地 暁 富澤 芳亜 泉水 英計 西村 陽子 李 梁
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本共同研究では、近100 年間に東アジア域内で起こった歴史的事件、あるいは時代の画期となるトピックをとりあげ、それぞれの局面で登場した非文字史料がはたした役割とその受容者の解釈を検討した。国内外における広範な調査と成果発表にあたっては、複数の地域で製作された非文字史料を比較対照するとともに、(a)図像解釈学的分析、(b)語彙分析による情報処理、(c)コミュニケーション・パターン分析等を導入して、紛争・協調の時代イメージと非文字史料との因果関係を明らかにした。
著者
大泰司 紀之 呉 家炎 (W5 J) 余 王群 高 耀亭 揚 慶紅 (Y .′ Y .′ Y O) 彭 基泰 (T%.′ J) 鈴木 正嗣 武田 雅哉 小泉 透 梶 光一 常田 邦彦 高槻 成紀 三浦 慎悟 庄武 孝義 YANG Qing-hong PENG Ji-tai GAO Yao-ting WU Jia-yan YU Yu-qun
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1988

《1.形態・系統学的研究》 年齢群別に標本の記載・検討を行う目的で年齢鑑定に関する研究を行い、第1切歯および第1大臼歯のセメント質組織標本により、正確な年齢鑑定ができること、および歯の萌出・交換・磨耗等によって、およその年齢鑑定ができることが判明した。体重は、2.5カ月〜3.5カ月の子鹿7例の平均の43kg、雄の場合1.5歳約70kg、2.5歳約180kg、7〜13歳の成獣は約205kg 、雌の6〜14歳では約124kgであった。胴長の平均は、成獣雄123.8cm、肩高はそれぞれ121.5、117.3cmであった。これまでに報告のない特微として、出生直後の子鹿にはニホンジカと同様の白班があり、生後2カ月、7月中旬頃には消失するることが挙げらでる。頭骨は他のCervus属の鹿に比べて鼻部顔面の幅が広く、眼下線窩が大きく深い。これは乾燥・寒冷地への適応、草原におけるcommunicationとの関係を推測させる。大臼歯のparasrastyle、mesostyleが発達していることは、固い草本を食べる食性に適応した結果と考え得る。角は車較伏の枝分かれをし、1歳で2〜3尖、2歳で3〜4尖、3歳以上で5〜7尖になるものと推定される。以上の結果などから、クチジロジカはアカシカに似るが、ルサジカより進化したものと考えられる。《2.地理的分布および生息環境》 チベット高原東部の海抜3000mから5000mにかけての高山荒漠・高山草甸草原・高山潅木草原に分布している。分布域は北緯29〜40度、東経92〜102度の範囲で、甘粛省中央部の南部、青海省東部、四川省西部、チベット自治区東北部および雲南省北部にまたがる。分布域の年降水量は200〜700mm、年平均気温は-5〜5℃、1月の平均気温は-20〜0℃、7月の平均気温は7〜20℃の間にある。森林限界は3500〜4000m、その上は高山草原であるが、4000〜4500m付近まではヤナギ類などの潅木がまばらに生えている。《3.生態と行動など》 主要な食物は草本類(カヤツリング科・禾本科・豆科)であり、冬期にはヤナギ類などの潅木の芽も食べる。胃内容や糞分析の結果では、クチジロジカはJarmanーBellの原理によると草食(Grazer)である。出産期は5月下旬から6月で、1産1子。初産は2歳または3歳で、毎年また隔年に通常12〜14歳まで出産する。最高寿命は、自然条件下では雄で12歳前後、雌はそれより長いものと推定される。群れは最大で200頭、平均35頭。雌と子および1歳の雄も加った雌群、雄群、および発情期にみられる雌雄の混群の3つの類型に分けられる。性比は2.2、100雌当りの子の数は29頭であった。夏期は標高い高山草原で過ごし、冬期は積雪の多い高山草原を避けて潅木林へ移動する。交尾期の最盛期は10月で、11月中旬に再び雄群・雌群に分かれる。妊娠期間は220〜230日と推定される。交尾期の社会組織はハレム型と交尾群型の2つがあり、ハレム型は雌が25頭以下の時にみられ、大きな角を持つ成獣雄が1頭だけ優位雄となって加わる。雌の個体数がそれより多くなると、複数の優位雄が参加する交尾群となる。音声行動には、うなり声と優位の雄が出す咆哮とがあり、特に咆哮は4〜5音節から構成される連続声で、クチジロジカ独特のものである。《4.保護管理について》 チベット高原のクチジロジカは、ヤク・ヒツジ牧業が同高原へもたらされた2000〜3000年前から、人類の影響を受け、「チベット解放」後は、家畜と人口が増えたこと、自動車道路が発達したこと、兵站が各地に出来て、銃が多数持ち込まれたことなどの直接・間接的な影響によって、分布域・生息数ともに大きく減少した。今後は、有蹄類の保護管理に従って、地域毎の適正頭数(密度)を算定したうえで、その頭数になるまでは哺護を禁止し、一定の密度に保つ必要がある。そのような体制の出来るまでの間は、各地に保護区を設定して減少傾向を止めることが最も現実的と考えられる。
著者
山中 由里子 池上 俊一 大沼 由布 杉田 英明 見市 雅俊 守川 知子 橋本 隆夫 金沢 百枝 亀谷 学 黒川 正剛 小宮 正安 菅瀬 晶子 鈴木 英明 武田 雅哉 二宮 文子 林 則仁 松田 隆美 宮下 遼 小倉 智史 小林 一枝 辻 明日香 家島 彦一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

中世ヨーロッパでは、辺境・異界・太古の怪異な事物、生き物、あるいは現象はラテン語でミラビリアと呼ばれた。一方、中世イスラーム世界においては、未知の世界の摩訶不思議は、アラビア語・ペルシア語でアジャーイブと呼ばれ、旅行記や博物誌などに記録された。いずれも「驚異、驚異的なもの」を意味するミラビリアとアジャーイブは、似た語源を持つだけでなく、内容にも類似する点が多い。本研究では、古代世界から継承された自然科学・地理学・博物学の知識、ユーラシアに広く流布した物語群、一神教的世界観といった、双方が共有する基盤を明らかにし、複雑に絡み合うヨーロッパと中東の精神史を相対的かつ大局的に捉えた。