- 著者
-
勝又 純俊
- 出版者
- 日本生命倫理学会
- 雑誌
- 生命倫理 (ISSN:13434063)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.1, pp.13-21, 2010-09-23 (Released:2017-04-27)
- 参考文献数
- 33
平成12年の「東大医科研病院事件」最高裁判決で「エホバの証人」の輸血拒否への対応の一応の基準が示されたと考えられた。しかし,「エホバの証人」の無輸血治療に関する最近の民事訴訟と,「エホバの証人」の輸血拒否に関する報道をみると,同最高裁判決に依拠するだけでは,信仰に基づく輸血拒否によって発生する民事的,刑事的,あるいは倫理的諸問題を解決できないと思われる。これらの問題点を提示し,今後の検討の材料としたい。