著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.399-420, 2005-12-05

近代日本の道路は物資や旅客の輸送など民生目的のほか軍事的にも利用された。陸軍は道路の使用および道路状況の改善に強い関心を寄せており、道路整備の主体であった府県や市町村に対して道路を整備するよう働きかけ、いっぽう、多数の兵士や重量のある兵器が通過する陸軍の道路使用は各地で道路の被損を引き起こし、府県や市町村は道路修繕を余儀なくされた。道路行政を管掌する内務省は、1919年に制定された道路法に陸軍の道路使用に伴う地方の負担を軽減する条項を盛り込み、それは一定の効果をあげたものの、こうした状況の根本的な改善にはつながらなかった。
著者
北原 聡
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.399-420, 2005-12-05

近代日本の道路は物資や旅客の輸送など民生目的のほか軍事的にも利用された。陸軍は道路の使用および道路状況の改善に強い関心を寄せており、道路整備の主体であった府県や市町村に対して道路を整備するよう働きかけ、いっぽう、多数の兵士や重量のある兵器が通過する陸軍の道路使用は各地で道路の被損を引き起こし、府県や市町村は道路修繕を余儀なくされた。道路行政を管掌する内務省は、1919年に制定された道路法に陸軍の道路使用に伴う地方の負担を軽減する条項を盛り込み、それは一定の効果をあげたものの、こうした状況の根本的な改善にはつながらなかった。
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.269-289, 2008-03

明治以降の電信電話の発展において道路の利用は不可欠の重要性を有しており、電信と電話の道路占用には1890年に制定された電信線電話線建設条例によって法的保護が与えられ、逓信省は道路へ自由に電柱を建設することができた。しかし、それは道路行政を管掌する内務省の道路監督権限の侵害にあたり、道路交通の障害となる電柱も多かったため、内務省は1919年に成立した道路法で電信電話の道路占用に関する優遇措置を撤廃し、1936年および42年の内務逓信両省協定によって電信線電話線建設条例の問題点を全面的に解消した。
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.71-86, 2008-09

戦間期の日本では、外資系自動車会社である日本フォード、日本GMによる自動車製造および全国的道路改良による道路状況の改善を背景に、貨物自動車の利用が大都市圏から地方へと拡大した。迅速かつ機動的な戸口から戸口への輸送という鉄道輸送には無い特徴をもつ貨物自動車は、輸送時間と輸送費の点で鉄道より優れていたことから、鮮度の維持が欠かせない生鮮食料品の輸送などに活用され、鉄道の補助輸送のほか鉄道と並行する輸送にも進出して、短距離輸送を中心に国有鉄道と自動車の競合が発生した。貨物自動車輸送業は車両1台を所有する小規模経営が一般的で、荷主の指示により随時随所で輸送を行う貸切営業が大宗をしめ、貨物自動車の急増に伴う競争の中で、輸送業者は種々の営業努力を行いつつ経営を成り立たせていた。
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.83-100, 2001-09

1919年に公布された道路法は我国初の体系的道路法規で、道路改良による自動車交通の促進を重要な目的としていた。自動車の通行と密接に関係する道路の構造は、道路法に付随した道路構造令で規格が定められ、幹線道路を構成する国道・府県道については、自動車2車線交通に必要な幅員が確保された。構造令に基づく国道・府県道の改良は、概ね構造令の幅員規格に則って実施され、戦間期に都市から地方へと広がり、鉄道輸送と競合した貨物自動車輸送の発展に、こうした改良が貢献した。
著者
北原 聡
出版者
関西大学経済・政治研究所
雑誌
都市経済の諸相
巻号頁・発行日
pp.37-49, 2011-03-31

http://www.kansai-u.ac.jp/Keiseiken/books/sousho152.htm
著者
塚本 哲郎 福井 巖 木原 和徳 後藤 修一 北原 聡史 小林 剛 児島 真一 大島 博幸
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.351-356, 1996-05

シスプラチンを含む全身化学療法を用いて治療したステージD2前立腺癌患者29例を3群に分けた. 1)H群:ホルモン療法が化学療法より4週を越えて先行したもの(9例). 2)C群:化学療法がホルモン療法より4週を越えて先行したもの,又は化学療法単独治療例(9例). 3)HC群:ホルモン療法と化学療法の関始時期の差が4週以内のもの(11例). Kaplan-Meier法による5年生存率は,H群が18%, C群が28%, HC群が78%で,HC群が他の2群に比べ良好であったWe retrospectively analyzed 29 patients with stage D2 prostatic cancer who had been treated with chemotherapy at the urological clinic of Tokyo Medical and Dental University Hospital between 1983 and 1992 to evaluate the efficacy of chemotherapy for advanced prostatic cancer. The patients were divided into three groups according to the starting time of chemotherapy in relation to hormone therapy; 9 patients who received chemotherapy more than four weeks after the initial hormone therapy (group H), 9 patients who received chemotherapy only or in combination with the hormone therapy more than four weeks previously (group C), and 11 patients in whom both therapies were started within four weeks (group HC). Follow-up period ranged from four to 108 months averaging 35. Combination chemotherapy including cisplatin was administered one to 17 times with the median of five. The five-year survival rates estimated by Kaplan-Meier method were 18% in group H, 28% in group C, and 78% in group HC, respectively (HC vs. C: p < 0.05, HC vs. H: p = 0.059). These findings indicate that a combination chemotherapy including cisplatin may improve the prognosis of patients with advanced prostatic cancer when it is started with the initial hormone therapy simultaneously.