著者
佐藤 枝里 渡邉 素子 北岡 智子 鈴木 雅子 谷口 洋子 和合 香織 和田 浩平 稲山 かおり 願興寺 礼子
出版者
中部大学, 大学企画室高等教育推進部
雑誌
中部大学教育研究 (ISSN:13497316)
巻号頁・発行日
no.21, pp.41-49, 2021-12

新型コロナウイルスの蔓延により、学生達の生活様式は大きな影響を受けた。大学生活が従来包摂してきたフェース・トゥ・フェースで対面することの豊かさ、直接性や身体性が有していた価値、身体移動に伴う距離や時間が封印されることとなった。これまで学生相談・学生支援は、対面相談を基本とした個人カウンセリングと予防的心理教育を行ってきたが、コロナ禍を機に、対面と遠隔のハイブリッドによる支援が必要とされるようになった。本論文では、パンデミック発生後18か月間の取組を主に予防的心理教育の視点から概観し、今後の学生支援の可能性と留意点について取り上げた。初年次科目の出前授業では、授業形態の切換えに関わる適応支援や学部・学科への帰属意識を高める工夫が望ましいこと、新入生アンケートは、宿泊研修中のウェブ実施が学生への迅速な支援につながること、心理教育的グループ活動については対象学生により開催方法を選択することが重要であることが考察された。
著者
重松ロカテッリ 万里恵 河野 崇 山中 大樹 立岩 浩規 北岡 智子 横山 正尚
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.29-32, 2017

<p>鎮痛薬の有効性はプラセボ・ノセボ効果の影響を強く受ける.特に,鎮痛薬への期待と不安は,それらの発現に重要と考えられる.今回,臨床実習前の医学生を対象として新規に説明を受けた鎮痛薬の期待と不安の関係についてアンケートを用いた予備調査を行った.医学部4年生(108名)に対し,弱オピオイド鎮痛薬のトラマドールの説明を通常臨床と同様に行った.その後,トラマドールの鎮痛効果への期待と副作用の不安について11段階で評価した.その結果,トラマドールの鎮痛効果への期待度と副作用の不安度には有意な正の相関が見られた(Spearmanの順位相関係数:0.392).鎮痛薬のプラセボ効果を最大限にして,ノセボ効果を最小限にすることは医療従事者にとって永遠の課題といえるが,その達成のため今後もさらなる検討が必要と考えられる.</p>
著者
上岡 清乃 北岡 智子 鈴木 恵太
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.77-78, 2018 (Released:2018-08-30)
参考文献数
8

本研究は、英語学習に特異的な弱さを示した高校生2名(A児、B児)を対象として認知特性に応じた効果的な英単語書字指導法を検討した。両名とも全般的知的発達水準は平均から平均の上の領域で、視覚的情報処理の速度と正確性に認知的短所が考えられた一方、A児は視覚情報をもとに推理し思考する力が、B児は聴覚言語系情報処理が認知的長所として考えられた。指導では、英単語の綴りにおける効率的な学習と確実な定着を意図し、PC画面上に提示したスライドを用いて綴りを諳んじる視覚系列化法や語呂合わせを介して綴りを音韻に乗せて覚える言語イメージ法などを行った。その結果、指導開始前に比して指導終了後に書字成績の向上がみられた。また、一定期間後も高い正答率が維持されたことより確実な定着が窺えた。ここから、聴覚優位/視覚優位といった個々の認知特性に応じた英単語の書字指導方法について考察した。