著者
増田 彰則 中山 孝史 古賀 靖之 八反丸 健二 長井 信篤 皆越 眞一 鄭 忠和
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.581-588, 2005-08-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
1

慢性疼痛患者に対して, 認知行動療法とリハビリテーション, 運動療法に加えて温熱療法を併用したところ(温熱療法群n=22), 併用しなかつた群(非温熱療法群n=24)に比べ, (1)痛み行動が有意に減少した, (2)情動面では, 怒りスコアが有意に改善した, (3)治療への満足度が高かつた, (4)退院して18カ月後, 仕事に復帰した割合は, 非温熱療法群の58%に比べ温熱療法群は82%と高かつた.以上より, 慢性疼痛の治療として温熱療法の併用は有効であることが示唆された.
著者
増田 彰則 山中 隆夫 武井 美智子 平川 忠敏 志村 正子 古賀 靖之 鄭 忠和
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.903-909, 2004-12-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

子どもからみた家族機能が, 心身症の発症, 学校での適応, 思春期の精神面や生きる喜びに与える影響について検討した. その結果, 家族機能不良群は, 心身症の発症の相対危険度が良好群に比べ2倍であった. 小学, 中学時代にいじめを受けた者は2倍, しばしば学校を休んだ者が3倍高かった. 思春期になると一入こもるようになった, 他人の視線が気になる, 自己主張ができない, 人間関係をうまくつくれないと答えた者が約2倍高かった. さらに, 人を信用できない者は約5倍, 誰も相談相手がいない者は良好群に比べ相対危険度が3倍高く, 自分が必要とされていない, 生きる喜びがないと答えた者も約4倍高かった. 家族機能は, 心身症の発症のみならず, 学校適応や思春期の精神面, 生きる喜びにも影響を及ぼしていることがわかった.
著者
増田 彰則 平川 忠敏 山中 隆夫 志村 正子 武井 美智子 古賀 靖之 鄭 忠和
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.369-378, 2004
参考文献数
23
被引用文献数
3

思春期・青年期の心身症およびその周辺疾患の発症に及ぼす家族の健康,養育環境,養育方法,家族機能と被暴力体験の影響について調査した.対象は,心療内科を受診した患者195名(平均年齢21歳)と健常大学生415名(平均年齢20歳)である.調査は,われわれが作成した自己記入式質問紙を用いて実施し,ロジスティック解析にて検討した.その結果,病気発症に有意な影響を及ぼす因子として,「親から身体的暴力を受けた」,「父親から母親に身体的暴力があった」,「家庭は安全な場所ではなかった」,「甘やかされて育った」,「片親が死亡した」,「幼小児期に可愛がられた記憶がない」の6項目が抽出された.これらの因子を2項目もっている例では,まったくもっていない例に比べてオッズ比で7.9倍,3項目以上もっている例では21.1倍の病気発症の危険因子となった.以上より,心身症およびその周辺疾患の治療では,家庭環境や家族機能について十分な配慮とアプローチが必要である.また,病気発症の予防に健全な家庭環境と良好な家族機能の回復が重要であることがわかった.
著者
瀧井 正人 野添 新一 小牧 元 古賀 靖之 神崎 健至 田中 弘允
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.823-830, 1995-10-30
参考文献数
22
被引用文献数
3