著者
浅野 行蔵 富永 一哉 吉川 修司 田村 吉史 柿本 雅史 北村 秀文 森本 良久 津村 弥
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.338-345, 1999-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

協会701号および901号の乾燥酵母を製造し, これらの醸造特性を小仕込み試験および実製造スケールの醸造試験で調べた。乾燥酵母を約40℃ の湯に投入して水戻し, 酒母なしの酵母仕込みを総米約3tonで行った。発酵は, 前急にもならず, 順調に進行した。アルコール濃度が高くなったモロミの後半においても, 発酵力は衰えず, ボーメの切れの良いモロミ経過となった。得られた原酒は, それぞれの協会酵母の特徴を示す, すがすがしく香りの豊かな酒となった。多数の実製造試験を行った結果, モロミ経過の再現性は高かった。現場からの評判も良好で, 乾燥酵母が実用に適することを示した。
著者
吉川 修司
出版者
日本学校メンタルヘルス学会
雑誌
学校メンタルヘルス (ISSN:13445944)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.40-47, 2016

<p>【問題と目的】精神分析を教育に応用する試みは,エビデンスベースドな風潮の中でほとんど顧みられてこなかった。しかし,近年英国を中心として,教育における精神力動的な見方や,関係性を重視したアプローチが再び注目されるようになってきている。そこで本稿では,精神分析が教育に応用されてきた歴史を振り返ったうえで,クライン(Klein, M.)の「投影同一視(projective identification)」の概念を援用しながら実際の事例を考察し,教師が精神分析的な視点を持つことの可能性について論じた。その結果,精神分析の概念は,事例で起きている現象を理解するのに有効であると考えられた。今後,実際の指導場面で教師が行う生徒理解に,精神分析学をはじめとする深層的な概念や理論を援用する研究が進められることで,より多面的な理解が可能になると思われ,生徒支援の新たな視座が開ける可能性が示唆された。</p>