著者
角田 由美子 吉村 圭司 中島 健 岡村 浩
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.213, 2003

<b>目的</b> 市場には様々なデザインの婦人靴が出回っており、ヒールの形状も多種多様である。これらの中にはファッション性を重視するあまりにヒールの強度を考慮せずに設計されているものも認められる。ヒールの破損による事故は数多く報告されているものの、ヒールの強度と形状との関係について検討したものは見当たらない。したがって、現在流行しているスティレットヒールの強度についてヒールの高さ、太さ、補強芯の有無等から検討を行った。<b>方法</b> 実験には高さ約8cmで形状の異なる3種類のヒールを試料とした。ヒールの高さの影響を検討するために各ヒールの高さを1cmおよび2cm短くして試験を行った。ヒールの補強芯は鋼製パイプを用い、焼入れをしたパイプと焼入れをしていないものを用いた。また補強芯の入っていないヒールも試料とした。ヒールの素材はABS樹脂を用い、射出成型の条件は一定とした。これらのヒールについて、歩行で受ける強い衝撃に対する耐久性や柔軟性を評価する、婦人靴ヒールの衝撃試験を行った。また小さな衝撃を繰り返し加え、疲労破壊を評価する婦人靴ヒールの疲労試験を行なった。<b>結果</b> 1)ヒールの高さが低いほど衝撃を受ける位置がヒールのシート部近くになるため強度は強く、たわみや変形も少なかった。2)補強芯が入っているヒールは入っていないものよりも強度は強く、補強材としての効果が認められた。3)焼入れをした補強芯は焼入れをしていないものよりも強度は強く、たわみや変形も少なかった。4)ヒールが太いほど強度は強く、ヒール中央部のカーブが小さいものほど強い傾向が認められた。以上の結果から同一素材におけるヒールの強度はヒールの高さ、太さ、ヒール中央部の形状、補強芯の有無および焼入れの有無等が影響していることが認められた。
著者
山之上 卓 吉村 圭一郎 小田 謙太郎 下園 幸一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-28, no.11, pp.1-7, 2015-02-26

Twitter の呟きがその模様に現れる 「着る電光掲示板」 の開発について述べる.この掲示板を着た人は,歩く広告塔となるだけでなく,災害発生時の連絡通知手段となる可能性を持つ.
著者
ミルン A. A. 吉村 圭
出版者
鹿児島女子短期大学
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = Bulletin of Kagoshima Women's College (ISSN:02868970)
巻号頁・発行日
no.58, pp.99-112, 2021

[訳者解題] 本稿では『くまのプーさん』(Winnie-the-Pooh)の著者として知られるA. A. ミルン(Alan Alexander Milne)が書いた,戦争と平和に関する論考『名誉ある平和』(Peace with Honour)6章から8章までの翻訳を行う.1 本稿で扱う6章から8章では,主に本書の副題(an Enquiry into the War Convention)にもある戦争というものが行われるに至る「慣習」が議論の中心となる.「戦争への慣習」(The War Convention)と題された6章では,庭の破壊をする侵入者の寓話が描かれている.その中では,仮に自身がその庭をこよなく愛する所有者で,その侵入者による破壊を阻止する唯一の手段が偶然手元にあった爆弾を投げることだったときに,家族もろとも爆弾で庭を爆破するかどうかという問いが投げかけられる.通常はそのようなばかげたことをするものなどいるはずがないのだが,しかしそれを実行に移すのが,「感傷にとりつかれた愚か者たち」(sentimentally obsessed idiots)であるとミルンは指摘する(44).この寓話は当然のことながら,他国による侵攻とそれへの反撃という戦争の比喩になっており,ここで言われる「感傷」とは,戦争やそこでの死に対して「英雄」や「名誉」といった言葉で語られるときに呼び起こされる感情のことを指している.日本でも戦国時代の刀と刀で体をぶつけあう戦いのあり方が英雄的でロマンチックな行為として語られることがあるが,本書で言及されているように,同様の価値観が少なくともボーア戦争まではイギリスにもあったようである(49).ミルンはこの「感傷」こそが習慣的に繰り返されてきた戦争の1つの要因であると考えていた.ミルンは庭の寓話によって,庭を破壊されることに対する「本能的な武力の利用」(instinctive use of force)ではなく,例えばその侮辱行為に対して自身の面子が保たなければならないという,決闘の時代から脈々と受け継がれてきた「慣習的な武力の利用」(conventional use of force)こそが戦争を誘発するものの正体だと指摘しているのである(40). そして7章では,戦争へと若者たちを駆り立てる号令として利用されてきた多くの詩の一節を引き合いに出しながら,その「感傷」がこれまでの歴史の中で戦争を正当化してきたと述べている.ミルンは第一次大戦を「ほとんどコミカルといってもいいほどに非英雄的なもの」(almost comically unheroic)(52)と捉えている.第一次大戦における兵士たちは,英雄のように戦場で壮絶に散ったのではなく,その多くは負傷や毒ガスの後遺症に苦しみながら,しかしベッドの上で死んだのである.1千万の戦死者のうち,800万人は,次に犠牲になるのが自分ではなく自分の戦友であってほしいと願いながら,「英雄的なことを成し遂げる前に殺されてしまった」(did nothing before they were killed)(53)という.しかしそれでもなお,彼らの死は終戦記念日の度に繰り返し行われるの祈りやスピーチ,勲章,あるいはこの章で繰り返し引用されるホメロスの「国のために死すことは甘美にして望ましいもの」という一節によって美化され,神聖化される.このようにして第一次大戦における死は,英雄的と語られてきた過去の戦争と同様に美化され,その美しき死への「感傷」によって,地獄を経験したはずのヨーロッパは同じ過ちを繰り返そうとしている.ミルンはここでこのような警鐘を鳴らしているわけである. 1940年,ミルンは『名誉ある平和』への補足として小冊子「名誉ある戦争」(War with Honour)を執筆した.その中でミルンは,自身が『名誉ある平和』を書いた目的について「読者たちに,先人の目を通した伝統的戦争観ではなく,現在の戦争を自分自身の目で見てほしかった」(I wished my readers to look at modern war with their own eyes, not at a tradition of war through the eyes of their ancestors)(6)と語っている.2 また『名誉ある平和』の10章では,勇敢な物言いで戦争について雄弁に語る者たちこそ,望めばいくらでもその機会があったはずなのに戦争で死ぬことがなかったものたちだと皮肉を込めて述べている(100).このように,自身で戦争を体験していないものたちが,「感傷」によって美化された戦争について語り,そしてそれが繰り返されることをミルンは恐れていたのである. ミルンは自身の具体的な戦争経験について多くを語った作家ではないが,7章3節では,その戦争体験の一端を覗き見ることができる.そこでは同じ連隊の部隊に参加するために,一緒にフランスへ行くことになった物静かな青年兵士について書かれている.この青年は両親から持たされた防弾チョッキを身につけるべきかどうかを悩んでいたのだが,結局それを着ていようがいまいが関係はなく,彼は連隊合流前に敵軍の爆撃によって粉みじんに吹き飛ばされてしまったという.戦場を直に経験したミルンに,このようにあっけなく戦死した大勢の戦友がいたことは想像に難くない.そしてミルンは「自分自身の目で」目撃したその戦友たちの死を,覚悟を持って「コミカルといってもいいほどに非英雄的」だったと表現しているのである.そしてその覚悟とは,彼らの死が美化され「感傷」に訴えかける道具として,次の戦争に利用されないようにするための覚悟なのである. ミルンはこれまで英文学研究史上重視されてこなかったきらいがある.そしてこの『名誉ある平和』もまた,一部のミルン研究者を除けばあまり語られることはなかった.しかし本書は平和主義者として第一次大戦という人類史上最初の歴史的事件を経験し,それが二度と繰り返されないよう願った作家が書いたものであり,それは当時を生きた人間の精神を示す重要な資料としても評価することができるのである.ここに邦訳を掲載することで,ミルンの当時の願いが現代というこの時代に広く知られるための一助となればと考えている.[解題注記]1 本稿では『名誉ある平和』の初版(Methuen, 1934)を元に引用,翻訳を行う.『名誉ある平和』の概要については拙訳『名誉ある平和〈1〉』の「訳者解題」にて詳しく述べている.2 「名誉ある戦争」は第二次大戦下に書かれたものである.この中でミルンは,ナチスの支配に置かれることは戦争よりも悪しき状態として,ナチスとの戦争を支持している.邦訳については拙訳「名誉ある戦争」参照.
著者
吉村 圭
出版者
鹿児島女子短期大学
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = BULLETIN OF KAGOSHIMA WOMEN'S COLLEGE (ISSN:02868970)
巻号頁・発行日
no.58, pp.113-126, 2021-02-28

[訳者解題] 本稿では,A. A. ミルン(Alan Alexander Milne) が1934年に著した平和に関する論考『名誉ある平和』(Peace with Honour)の9章から11章の翻訳を行う.1 9章では戦争支持者たちが戦争を自らの死と結び付けて考えず, 思考停止状態で「戦争の習慣への追従」(subservience to the war convention)(89)をしていることに対して,10章では第一次大戦を経験せず悠々と生き延びたものたちが,経験したことのない戦争について勇ましく雄弁に語ることに対して,11章では当時戦争の口実として用いられた「人間の本質」(Human Nature)という言説が持つ矛盾に対して,それぞれに批判が行われている. 中でも9章では,ミルンが著した掌編「アルマゲドン」("Armageddon")と同じ言い回しや描写が随所で用いられており,その点が極めて意義深いものといえる.「アルマゲドン」とは,1914年8月5日号の「パンチ」誌に掲載された物語であり,日付を見てわかるようにその号は,イギリスがドイツへ宣戦布告し,事実上の大戦への参戦を表明した8月4日の翌日に発行されている.執筆期間を思えば,まさに大戦前夜に書かれた作品なのである.その中では第一次大戦が勃発するまでの経緯が極めて風刺的に描かれている.2 物語の冒頭では,ポーキンスというキャラクターが「英国に必要なものは戦争だ[…].俺たちはたるみきっているよ[…].俺たちを目覚めさせるためには,戦争が必要なんだ」(what England wants is a war […]. We 're flabby[…]. We want a war to brace us up)(87)と述べ,戦争のない現状を嘆く場面がある.これとほぼ同じ言説が『名誉ある平和』9章に用いられている――「英国はたるんでいるよ.目覚めるためには戦争が必要だ」(England is getting slack. What she needs is a war to wake her up)(88).同箇所でこの発言は1914年の初夏にある愛国主義者が語るのを実際に聞いたものだと説明されている.つまりまさにミルンが「アルマゲドン」が書かれた頃に耳にしたものであり,その言葉は20年後に『名誉ある平和』が執筆されるまで,ミルンの心に残るほどの衝撃があったことが分かる. また同じく9章では,戦争の暗雲がたちこめるときに,ある国の「旗」(flag)が冒涜され,その「威信」(prestige)が脅威にさらされ,「編集長と新聞社長が扇動的な記事を書き始める」(Here are our editors and newspaper proprietors preparing their leading articles)のだと説明されている(87).一方「アルマゲドン」の中では,エッセンランドという架空の国の「愛する国旗」(our beloved flag)への「侮辱行為」(insult)によって,その国の「威信」(prestige)が脅かされ,論説記者が愛国心を煽る扇動的な記事を書くというストーリーが描かれている(88).単語や筋書きレベルでの類似はもちろんそうであるが,国旗が侮辱されたからという理由で扇動的に愛国心があおられ,国の「威信」を守るためという口実で戦うことが美化された上で戦争が始まるというこの作品に描かれた戦争勃発への過程は,『名誉ある平和』で言われる「戦争への習慣」そのものであるといえる.つまり大戦が勃発したまさにそのときに執筆された「アルマゲドン」には,『名誉ある平和』の土台ともいうべきミルンの戦争への考えがすでに映し出されているのである. ミルンは自伝の中で,「私は1914年より前も平和主義者だった」(I was pacifist before 1914)と述べているが(It's Too Late Now 211),「アルマゲドン」と『名誉ある平和』の類似から,この言葉に偽りはなかったことがわかる.しかし伝記的事実が示すように,そのミルンでさえも「戦争を終わらせるための戦争」(war to end war)という言葉を真に受けて,自ら戦場に身を投じざるをえなかったのである(It's Too Late Now 211).その事実から,第一次大戦という現在の我々には想像しえない歴史的事件に際しての,戦争への社会的ムードの高まりをうかがい知ることができる. ここで扱うミルンの『名誉ある平和』は,文学研究上これまで十分に議論されてきたとはいいがたいが,第一次大戦という時代に生きた人の精神の歴史を示す貴重な資料となるものであるといえる.そのためここにその一部の翻訳を掲載する.[解題注記]1 本稿での翻訳及び引用はすべて『名誉ある平和』の初版(Methuen, 1934)より行い,引用のページ番号もそれに準拠する.『名誉ある平和』の概要については拙訳『名誉ある平和〈1〉』内「訳者解題」参照.2 「アルマゲドン」に描かれた大戦勃発への風刺については拙著「第一次大戦のカリカチュアとしての『アルマゲドン』」にて詳細に議論している.
著者
山之上 卓 吉村 圭一郎 小田 謙太郎 下園 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.495, pp.59-65, 2015-02-26

Twitterの呟きがその模様に現れる「着る電光掲示板」の開発について述べる.この掲示板を着た人は,歩く広告塔となるだけでなく,災害発生時の連絡通知手段となる可能性を持つ.
著者
山之上 卓 吉村 圭一郎 小田 謙太郎 下園 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.495, pp.59-65, 2015-03-05

Twitterの呟きがその模様に現れる「着る電光掲示板」の開発について述べる.この掲示板を着た人は,歩く広告塔となるだけでなく,災害発生時の連絡通知手段となる可能性を持つ.