著者
北島 宣 山本 雅史 伊藤 謙 米森 敬三 深尾 葉子 安冨 歩 中崎 鉄也 山崎 安津 清水 徳朗 中野 道治 岳 修平 林 維真 鐘 國芳 中野 道治 長田 俊樹 渡邉 和男 河瀬 真琴 山下 満智子 前山 和範 中村 彰宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ウンシュウミカン、カボス、などの両親が明らかとなり、多くの日本在来カンキツは、キシュウミカン、ユズ、タチバナに起源していることが明らかとなった。キシュウミカンは中国江西省の「南豊蜜橘」に由来することが示された。タチバナは台湾に起源し、沖縄を経て本土に伝播したと考えられ、タチバナの沖縄系統はシークワーサーとの交雑によって生じたことが示唆された。田中長三郎のカンキツ標本を整理してデジタル入力を行い、検索機能も付加してアーカイブ化を行った。田中長三郎の自筆スケッチなどの資料を蒐集・整理してデジタル化を行うとともに、和歌山県橘本神社のカンキツ博物館「常世館」に展示し、広く一般に公開した。
著者
斎藤 彰 矢野 昌裕 岸本 直己 中川原 捷洋 吉村 淳 斎藤 浩二 久原 哲 鵜飼 保雄 河瀬 真琴 長峰 司 吉村 智美 出田 収 大沢 良 早野 由里子 岩田 伸夫 杉浦 巳代治
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.665-670, 1991-12-01
被引用文献数
23 92

Restriction Fragment Length Polymorphism(RFLP)法を用いて,主にインド型イネ,Kasalathと日本型イネ,遺伝子標識系統FL134の間でRFLPを示すDNA断片を検索し両品種を親とするF_2集団144個体の分離調査から,遺伝子連鎖地図を作成した.この地図の全長は1,836cMであり,従来の形態,生理-生化学的遺伝子地図(木下1990)及びこれまでに発表されているRFLP地図(McCOUCH et al1988)よりそれぞれ58.5%および32.2%長い.従って,これらのRFLP・DNAマーカーを用いてすでにマップされている遺伝子や末だマップされていない遺伝子を今後効率的に,正確にマップできると推定された.
著者
河瀬 真琴 阪本 寧男
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-9, 1987-03-01
被引用文献数
1

ユーラシア各地から収集されたアワ83系統を供試系統(=)に選び,日本,台湾の蘭嶼,ベルギーの3系統をそれぞれテスターA,B,C(=)として交配した.交配にはピンセット乃至は吸入ポンプを用いて効率的に除雄を行たうことができた.試みた249組み合わせのうち224組み合わにおいて系統間雑種を得ることができ,その雑種第一代および供試系統の自殖個体の花粉稔性と種子稔性を調査した.雑種第一代の花粉稔性は8.2%から99,1%まで観察され様々た程度の不稔性が見られたが,同じ交配組み合わせから得られた雑種の個体間では不稔性の程度に欠きた差はなく,その不稔性の出現は遺伝的たものと考えられる.ほとんどすべての供試系統自殖個体の花粉稔性が75%以上であることから,雑種の花粉稔性においても暫定的に75%以上をもって正常と判定した.3種類すべてのテスターとの雑種を得ることのできた62系統はその花粉不稔性にもとづいて6種類の型に分類することができた.テスターA,B,Cのうち,特定のひとつのテスターとの雑種だけが正常な花粉稔性を示す系統をそれぞれA型,B型,C型と分類した.また,テスターAとの雑種もテスターCとの雑種も正常な花粉稔性を示す系統はAC型,テスターBとの雑種もテスターCとの雑種も正常なものはBC型と分類した、どのテスターとの雑種も正常な花粉稔性を示さない系統はX型と分類した.AB型あるいはABC型と分類されるようた系統は見い出されなかった.種子の不稔性にも同様の傾向が認められたが,不明瞭であり花粉不稔性の方が系統間の遺伝的分化をより直接的に反映していると考えられる.分類された冬型はそれぞれ特異的た地理的分布を示した.A型は日本,韓国,中国の系統に高い頻度で見られ,これらの地域のアワが互いに緊密な関係にあることが示唆された、B型は台湾本島山間部と日本の南西諸島の系統に,C型は特にヨーロッパの系統に,それぞれ集中して見い出された。遺伝的により未分化た段階にあると考えられるAC型とBC型の系統はそれぞれアフガニスタンとインドに分布している.X型の系統は台湾の蘭嶼やフィリピンのバタン諸島に集中して見られたほか各地に点在しており,さらにいくつかの型に分類できるかもしれない.このように冬型の分布は明瞭た地理的独白性を示し,各地域に特異的な地方品種群が成立していることが明らかとなった.冬型の地理的分布と穎果のフェノール着色反応性やエステラーゼ・アイソザイムの分布との間にいくつかの対応関係が見い出された、また,台湾から南西諸島へアワの導入された可能性がフェノール着色性の系統の分布から示唆されていたが両地域におけるB型系統の分布はそれを裏付けるものである.遺伝的により未分化と考えられるAC型とBC型の分布はアワの起原を考えるうえで非常に重要である、すたわち,アワがアフガニスタンからインドにかけての地域で起原し,遺伝的に分化しながら東西に伝播していった可能性が示唆される.この可能性はアフガニスタンの系統が草丈カミ低くきわめて旺盛に分けつし小型の穂をもっといった原始的特徴を示すこととも一致している.
著者
渡邉 和男 河瀬 真琴 マシウス ピーター 西川 芳昭 松井 健一 阿部 健一 香坂 玲 阿部 健一 香坂 玲 院多本 華夫 渡邊 高志 磯崎 博司 藤村 達人 箕輪 真理 木村 武史 王 碧昭 伊藤 太一 帳 振亜
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

農業食糧及び薬用遺伝資源の多様性について、国境を超越して生存する少数民族に関わり農家保全の実地・実験調査を実施した。ミャンマー北部、ミャンマー、タイとラオスの国境地帯について山間部を主体に研究を実施した。過剰開発や貨幣経済の浸透、さらに不均衡な情報の供給と啓蒙の欠如で、在来の植物遺伝資源が絶滅危惧になっていることやその伝統的文化に支援された知見が急速に失われてきていることがわかった。モノグラフや公的機関の報告書として情報発信した。