著者
松﨑 秀隆 原口 健三 吉村 美香 森田 正治 満留 昭久
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.57-61, 2015 (Released:2015-03-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

〔目的〕実習教育の現状を把握するために,臨床実習における不当待遇の有無を調査した.〔対象〕実習を経験した最終学年に在籍する全学科の学生159名.〔方法〕実習終了直後に,自記式の質問用紙を用いて調査を行った.内容は,「言葉による不当な待遇」,「身体へおよぶ不当な待遇」,「学業に関する不当な待遇」,「セクシャルハラスメント」,「性差別の経験」および「他科または他職種との関係」の領域である.〔結果〕全学科において不当待遇が認められ,その割合は理学療法学科59.7%,作業療法学科53.3%,言語聴覚学科61.5%,看護学科88.8%,視機能療法学科35.0%であった.〔結語〕本邦での,実習における医療系学生に対する不当待遇調査は殆どない.今後も実習教育方法の構築に向けた継続研究に努めていきたい.
著者
松崎 秀隆 吉村 美香 原口 健三 満留 昭久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】臨床実習において,臨床実習指導者(以下,SV)が指摘する問題点の多くは,基本的態度など情意領域に関連している。しかし,指導方法や注意の仕方は様々であり,SVの殆どは臨床に従事し,「教育」に関する指導方法が十分でない場合も多い。つまり,社会性や実習態度が未熟な学生に対する,教育的知識が不十分なSVとの間で,実習指導を介したハラスメントが生じる可能性が高くなっている。また,これらのハラスメントは,理学療法学科(以下,PT)の実習形態や作業療法学科(以下,OT)の実習形態の特徴にも関係していると思われる。そこで今回,学科間での違いを把握するとともに,実習でのハラスメントの防止を目的に,臨床実習中に学生が感じたハラスメントに関する調査を行い検討した。【対象および方法】対象は平成25年度,当学院理学療法学科および作業療法学科に在籍し臨床実習を経験した学生64名(男性31名,女性33名)で,平均年齢は23.2±1.4歳(年齢範囲20~44歳)であった。臨床実習終了直後に,自記式の質問用紙を用いて調査を行った。質問内容は,①「ハラスメントを経験した」あるいは「ハラスメントと感じた」かの経験の有無,②経験が有る場合の「ハラスメント内容」である。内容項目は,「言葉による不当な待遇」,「身体へおよぶ不当な待遇」,「学業に関する不当な待遇」,「セクシャルハラスメント」,「性差別の経験」および「他科または他職種との関係」の6つの領域(33項目)である。これらの質問項目は,過去の調査および先行研究の内容を検討して作成した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当法人倫理審査委員会の承認(FS-46)を受けるとともに,対象者への研究説明と同意を得て実施した。【結果】各学科の属性比較,男女比較において有意差は認めなかった。ハラスメントを感じたという学生の割合は,PTで59.1%,OTで53.3%であった。割合および項目別の内容に学科間の差は認められなかった。領域については,「学業に対する不当な待遇」でハラスメントを感じたとする回答が多かった(PT53.8%,OT47.2%)。内訳は,「忙しいからとあまり指導されない」(PT26.5%,OT20.0%),「将来について否定的な批評をされた」(PT20.4%,OT26.7%),「教える際に不快な態度で接せられる」(PT16.3%,OT13.3%)。一方,セクシャルハラスメント」の領域においては,「言い寄られる,口説かれる」(PT2.0%,OT6.7%)のみであった。ハラスメントを感じた学生のPT82.8%,OT87.5%が抗議していないことも分かった。【考察】昨今の学生教育および指導方法において,体罰をはじめハラスメントに関する報道が多く見られる。今回の調査でも,両学科の臨床実習におけるハラスメントの存在を確認した。PT・OTの臨床実習では伝統的にマンツーマンの指導体制が取られ,徒弟的になる可能性などデメリットも指摘されていた。その対策として症例ごとの指導者と,その指導者を統括する指導者というように複数指導者制が試みられるようになり,それぞれの指導者から多角的な視点で指導を受けることで,学習意欲向上に繋がるなどの有効性も報告されている。しかし,それぞれの指導者の指導方法や実習の到達目標が異なるなど,学生は戸惑い,指導者が2人になったと感じる場面もあった。そこで近年では,クリニカルクラークシップの形態での臨床実習の導入が注目されている。本調査の課題として,学生からの一方的な見解であることを考慮しなければならない。臨床実習中にSVに影響される学生は少なくない。多くの学生が卒業時に臨床実習の思い出を報告することからも,その役割は大きいと考える。今後は,指導者からの意見も取り入れ学生の夢や希望を断つことのない,臨床実習教育方法の構築に向けて努力していきたいと考える。【理学療法学研究としての意義】欧米諸国では指導者に対する批判的評価報告が散見される。一方で,本邦ではPT・OTの実習中のハラスメントに関する調査報告は極めて少なく,実態調査としての意義は大きい。臨床実習教育の手引きで,「良好なコミュニケーションのための鍵は指導者側に委ねられている」との指摘もあり,より良い臨床実習教育方法の構築に向けた調査報告,研究を継続していきたいと考える。
著者
吉村 美香 長野 宏子 辻 福美 Anh To Kim 大森 正司
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.603-610, 1998-10-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

(1) 酸肉にはいずれの試料においても,LBSもしくはTATACのどちらか,または両方の培地に生育が見られた.また,ポテトデキストロース寒天培地においては全ての試料で生育が普遍的に見られた.層そして,DHL寒天培地において多くの試料で生育が見られた.(2) 一般成分を分析した結果,豚肉のpHは5.61で,酸肉(ネムチュア)のpHは3.81と低かった.また,乳酸の生成が顕著に見られた.(3) 遊離アミノ酸は,酸肉(ネムチュア)の方が多く含まれ,特に旨味成分のグルタミン酸が多く,次いでアラーン,ロイシンなどが多く含まれていた.これは,豚肉のタンパク質の自己消化による変化とほぼ一致した.(4) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動及びペプチドパターンの分析の結果,発酵によって肉タンパク質が分解し,低分子タンパク質やペプチドの生成が認められた.