著者
隅田 英一郎 佐々木 裕 山本 誠一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.552-557, 2005-05-15

機械翻訳に対する増大しつづける需要とその翻訳品質に対する期待に現時点の技術は応じきれていない.しかし,最近,機械翻訳技術の研究は大きく変わった.1つは,翻訳品質を自動的に評価する手法が提唱され普及したこと.もう1つは大量の対訳から翻訳知識を学習する手法が盛んに研究され,短時間に低コストで機械翻訳システムを構築する技術が開発されたこと.この2つが相まって,機械翻訳システムが長足の進歩を遂げ社会の需要と期待に応える日は近い. 本稿では,特に,翻訳品質の評価に焦点をあてて,(1)代表的な人手評価の手法,(2)最も広く利用されている自動評価の手法,(3)評価型国際ワークショップの1つであるIWSLT,(4)自動評価の応用と展望について述べる.
著者
武田 昌一 桐生 昭吾 山本 誠一 吉田 友敬
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

人間の感性メカニズムを解明する研究の一環として、音楽や音声を聴くだけではなく音楽に合わせて手を叩く、百人一首かるた競技時に読手の発声を聞いてかるたを取るなど、能動的動作が伴うときの脳の情報処理に関するいくつかの新しい知見を脳血流や脳波計測、聴取実験などの方法により取得した。更に、感性に関する応用研究の一環として、感情の強さまで自由自在に表現できる日本語感情音声合成方式を初めて実現した。
著者
横山 諒 加藤 恒夫 山本 誠一
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.325-334, 2019-08-25 (Released:2019-08-25)
参考文献数
13

Flick text entry on smartphones is so popular that a majority of users prefer it to the more conventional QWERTY keyboard. Yet, the typing speed and accuracy of such text entry varies greatly depending on the individual. Focusing on eye-gaze behavior, we analyzed typing data of 33 individuals recorded with a touch logger and eye tracking data of 31 individuals recorded with a glass-type eye tracker to clarify what causes the individual variability. Correlation analysis revealed the following four findings. 1) The typing speed and the reciprocal of time interval from a release to the next landing showed a high correlation over 0.90. 2) The higher the gazing ratio at the keyboard was, the slower the typing speed and the higher the accuracy tended to be. 3) Some expert users achieved a fast typing speed and a high accuracy. 4) The majority of errors were landing errors to adjacent keys. On the basis of these findings, we propose a keyboard layout that considers eye gaze.
著者
山外 功太郎 山本 誠一
出版者
神戸市立工業高等専門学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:09101160)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.7-9, 1999-08-30

In this paper, we describe the comparison of Rn-222 concentrations between wooden house and reinforced concrete apartment. The portable Rn-222 monitoring system, which can measure the maximum 4 sites simultaneously, was employed for this survey. The indoor Rn-222 concentration level of the wooden house was almost equivalent to that of the outdoor. In the reinforced concrete apartment, the maximum indoor Rn-222 concentration was more than 150[Bq/m^3], about 10 times higher than that of the wooden house.
著者
菅谷史昭 竹澤 寿幸 隅田 英一郎 匂坂 芳典 山本 誠一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.2230-2241, 2002-07-15
被引用文献数
12

ATR音声翻訳通信研究所(ITL)が研究開発した音声翻訳システムATR-MATRIXのシステム概要,コーパス収集,評価結果などについて,研究開始当初の目標や研究経緯に則して述べる.コーパスベースの技術を全面的に取り入れたATR-MATRIXの要素技術の詳細については文献を参照し,システムに特徴的な技術について本論で述べる.対話実験による総合評価を実施し,利用分野は限定されるものの,タスク達成率が90%となることを確認した.また,対話実験において実験を重ねるに従って,同一タスクに対する性能が向上するなど,ATR-MATRIXを介した対話実験結果について述べる.ATR-MATRIX speech translation system was developed at ATR Interpreting Telecommunications Research Laboratories (ATR-ITL).In this paper we explain the system's outline and its development process including the initial objective, corpus collection and its overall evaluation.Each of three major components of the system: speech recognition, language translation, and speech synthesis, introduced an innovative corpus-based technology.In the paper, however the explanation is focused to major topics in the overall system, while rendering appropriate references to detail explanations of specific technology.We also explain some experimental results: additional sessions improve the performance of the same task.
著者
池田 千里 山本 誠一 田口 收 鯨井 千佐登
出版者
宮城工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

平成8〜9年度の2年間、計画に沿って以下の研究を遂行し、一部は図書、学術誌等で公表した。1.奈良〜平安時代にかけての、東北地方の鉄生産の代表的な遺跡として、青森県の杢沢、宮城県柏木、福島県武井の各遺跡に着目し、現地での文献調査や出土資料収集も行った。2.古代からの日本周辺地域との交流の歴史の中で、朝鮮半島からの九州および畿内、日本海沿いへの影響、特に伽耶地方の古代製鉄遺跡遺構のの分布・立地状況の確認、文献資料収集と現地研究者との討論を行い、東北への鉄文化や製鉄技術の移入の経緯を探った。3.鉄器文化の中で、近世まで継続してきた「刃物」に着目し、古来の「鉄系クラッド材」として、種々の鉄と鋼について、鍛造および圧延による接合加工(鍛接)を行った。結果として、接合界面に微細な動的再結晶の形成と鍛錬組織の繰り返しなどの、変形特性や接合性に及ぼす加工率、温度、強度差、含有成分等の効果について系統的な金属学的依存性が認められた。4.上記1、2、の基盤を背景に、遺構の製鉄関連出土の鉄滓について、地理的・歴史的特徴をふまえ、化学成分関係、顕微鏡組織など、材料工学的見地から、比較・検討を行った。その結果、各地域での製鉄技術や炉内反応の共通点、相違点を明らかにすることができた。すなわち、鉄かんらん石の存在は、鉄収率は大幅に低減させていること、酸化チタンも、スラグに移行するときにウルボスピネル(Fe_2TiO_4)やイルメナイト(FeTiO_3)などを形成し、これらの化合物の形態と分布の相異に関連性があること、などが明らかになった。さらに、出土層位が異なる鉄滓組織の比較によって、酸化チタンの含有量の比較ができ、たたら製鉄の操業レベルが時代とともに向上していること、が確認できた。
著者
馬田 一郎 伊集院 幸輝 加藤 恒夫 山本 誠一
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.163-173, 2022-06-01 (Released:2022-06-15)
参考文献数
40
被引用文献数
1

This paper examines the characteristics of face-to-face communication and online communication from the viewpoint of group co-creation. First, we review the previous studies of face-to-face communication and that of online communication to discuss the merits and demerits of each communication style. Then we present observational results of our pilot face-to-face co-creation conversation data that shows the collage nature of such interaction: the ideation process often consisted of step-by-step accumulations of fragmentary pieces of information that were incomplete and vague per se, fully utilizing the abundant nonverbal cues and a shared collaboration environment. These findings are expected to contribute to designing matching strategies of communication styles and the characteristics of collaborative tasks.
著者
菅谷 史昭 竹澤 寿幸 横尾 昭男 山本 誠一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J84-D2, no.11, pp.2362-2370, 2001-11-01

音声翻訳システムの新たな評価手法として翻訳一対比較法を提案し,ATR音声翻訳通信研究所が研究開発した音声翻訳システムで評価した.言語翻訳部単体,音声認識部と言語翻訳部を結合した場合の翻訳一対比較法の評価結果を述べるとともに,音声認識誤りのシステム性能に与える影響を分析した.また,評価結果を文ごとの平均単語エントロピーを使い分析し,同システムで採用されたコーパスベース音声翻訳システム性能の特徴を明らかにした.また,翻訳一対比較法の誤差解析を行った.
著者
土居 大夢 加藤 恒夫 山本 誠一
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.23-24, 2019-02-28

バスや電車など振動環境下でスマートフォンを操作する際,タップした座標が意 図した位置から大きくずれることがある.このタップ位置ずれを,スマートフォ ンの加速度センサから取得した加速度信号に対する線形予測分析と,無相関化し た加速度信号の重回帰分析により補正する方式を提案する.路線バス車内で10名 の実験協力者から収集した加速度信号とタップ位置のデータより個人毎に線形予 測分析と重回帰分析を行った結果,タッチスクリーン上の2軸それぞれのタップ 位置ずれについて,真値と推定値との相関係数0.40を得,補正により位置ずれの 平均平方二乗誤差を1.92mmから1.44mmに25%削減した.
著者
山本 誠一
出版者
純真学園大学
雑誌
純真学園大学雑誌 = Journal of Junshin Gakuen University, Faculty of Health Sciences (ISSN:21866481)
巻号頁・発行日
no.4, pp.39-54, 2015-03

要旨 : 心電図U波は,T波に引き続く小さな波形で,成因もまだ解明されていない.従来,U波が陰転する陰性U波は,虚血性心疾患の診断に有用であるとの報告があるが,詳細な検討がなされていなっかった.そこで,虚血性心疾患における陰性U波および陽性U波(異常陽性U波)の臨床的意義について,①責任冠動脈狭窄枝の推定が可能か?②左前下行枝の近位部狭窄と遠位部狭窄の鑑別が可能か?③左室後壁の虚血を示す,右冠動脈狭窄と左回旋枝狭窄の鑑別が可能か?④経皮的冠動脈形成術(PCI)の治療効果判定に有用か?の4点について検討をした結果,陰性U波および陽性U波が臨床的に極めて有用であった.The U wave is a small wave of unknown origin which follows the T wave on the electrocardiogram(ECG) . The negative U wave has been reported to be useful in diagnosis of ischemic heart disease but there has not been a detailed investigation. We investigated the clinical significance of the negative U wave and the abnormal positive U wave in ischemic heart disease, specificallywhether U waves can be used to: 1) estimate the location of stenosis of the coronary artery branches, 2)discriminate between proximal and distal stenosis of the anterior interventricular artery, 3) discriminate between right coronary artery stenosis and left circumflex artery stenosis that indicate the presence of posterior wall ischemia of the left ventricle, and 4) determine the outcome of percutaneous coronary intervention (PCI). We found that both the negative U wave and the abnormal positive U wave were clinically extremely useful.
著者
富岡 修 今井 智紀 目黒 義弘 中島 幹雄 津島 悟 山本 一良 和田 隆太郎 山本 誠一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.511, 2005

次世代の革新的核燃料サイクルにおける廃棄物処理処分のコスト低減や安全性の向上のため,ウランやプルトニウム汚染物を除染する方法の開発が重要である.著者らは二次廃棄物発生量の少ない超臨界二酸化炭素リーチング(SFL)法を技術的な基盤とし,それらの汚染物を除染する方法を開発している.本研究では,プルトニウム除染へのSFL法の適用性を調べることを目的とし,硝酸プルトニウムPu(NO<SUB>3</SUB>)<SUB>4</SUB>を付着させた海砂試料から硝酸-TBP錯体を反応剤として含むSF-CO<SUB>2</SUB>を用いてプルトニウムを除去し,それに及ぼすSFL操作条件の影響を明らかにした.TRU汚染物として硝酸プルトニウム付着海砂試料を用い,SFL法により除染を行った結果,約81%のプルトニウムを分離することができ,4価プルトニウムイオンと硝酸,TBPからなる錯体がSF-CO<SUB>2</SUB>中に溶解し,固体試料からプルトニウムを除去できることを明らかにした.プルトニウムの分離反応は30分以内にほぼ平衡に達しており,それ以上反応時間を長くしても除染率は向上しなかった.検討した圧力,反応剤使用量の範囲では,これらの除染率への影響は小さかった.若干ではあるが,温度上昇とともに除染率は向上した.
著者
安田 圭志 喜多村 圭祐 山本 誠一 柳田 益造
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.4_47-4_63, 2009 (Released:2011-07-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本論文では,まず, e ラーニングシステムの研究開発のために構築された英語学習者コーパスについて解説し,次に,このコーパスの分析と,これを用いた英語能力自動測定実験について述べている.本コーパスは,496 名の被験者が各々 300 文の日本語文を英語に翻訳したテキストから構成されており,各被験者の英語の習熟度が TOEIC により測定されている.また,これらに加え,日英バイリンガルによる正解訳も整備されていることから,訳質自動評価の研究に利用することが可能である.このコーパスを用いた応用実験として,BLEU,NIST,WER,PER,METEOR,GTM の 6 つの翻訳自動評価スコアを用いた実験を行なっている.実験において,各自動評価スコアと TOEIC スコアとの相関係数を求めたところ,GTM の相関係数が最も高く,0.74 となった.次に,GTM や,英訳結果の文長や単語長などからなる 5 つのパラメータを説明変数とし,TOEIC を目的変数とした重回帰分析を行なった結果,重相関係数は 0.76 となり,0.02 の相関係数の改善が得られた.
著者
黒岩 眞吾 酒寄 信一 山本 誠一 藤岡 雅宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

KDDでは海外から日本のオペレータを直接呼びだし,国際オペレータ通話が可能な「KDDジャパンダイレクト^<SM>」という国際電話サービスを提供し,多くの日本人旅行者等の利用を得ている.しかし,特定の国からの呼については,現地の子供達等によるイタズラ電話が多く様々なトラブルを引き起こしている.そこで,オペレータに呼を接続する前に音声応答装置により対応しイタズラ呼の接続を排除するシステムを開発した.
著者
山本 誠一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.673-677, 1998-09-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
4 7

新しく開発されたLGSOシンチレータのパルス波高, エネルギー分解能, 減衰時間およびバックグウランド計数を測定しLSOのそれと比較した。LGSOの511keVγ線に対する発光量はLSOより18%多いが, エネルギー分解能はわずかに悪いという結果が得られた。単一光子計数法によって測定したLGSOの511keVγ線に対する減衰時間は34nsでLSOとほぼ同じであった。LGSO, LSO両シンチレータにともに含まれる天然放射能によるバックグラウンド計数はLGSOの方が10%少なかった。これらの結果よりLGSOはLSOと同様に新しいPET用シンチレータとして期待できることがわかった。
著者
菅谷 史昭 竹澤 寿幸 横尾 昭男 山本 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.2362-2370, 2001-11-01
参考文献数
9
被引用文献数
17

音声翻訳システムの新たな評価手法として翻訳一対比較法を提案し, ATR音声翻訳通信研究所が研究開発した音声翻訳システムで評価した.言語翻訳部単体, 音声認識部と言語翻訳部を結合した場合の翻訳一対比較法の評価結果を述べるとともに, 音声認識のシステム性能に与える影響を分析した.また, 評価結果を文ごとの平均単語エントロピーを使い分析し, 同システムで採用されたコーパスベース音声翻訳システム性能の特徴を明らかにした。また翻訳一対比較法の誤差解析を行った.
著者
林 克彦 塚田 元 須藤 克仁 Kevin Duh 山本 誠一
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2010-NL-196, no.1, pp.1-7, 2010-05-20

階層句機械翻訳では言語間の大局的な単語並び換わりを同期文脈自由文法によって表現することができるが,日英のような文法の大きく異なる言語間の翻訳ではその単語並び換わりを評価するためのモデルが充分であるとは言えない.本稿では階層句機械翻訳におけるこの問題を解決するために単語並び換えモデルを特徴量に導入することを提案する.提案手法では同期文脈自由文法の各ルールに並び換えされた原言語の文字列を追加することで,探索中の単語並び換えモデルの計算を効率良く行っている.日英旅行会話データを用いた実験では従来手法に比べ,提案手法の方がより適切な単語並びの翻訳結果を選択することができ,より高い翻訳精度を達成することができた.
著者
黒岩 眞吾 武田 一哉 井ノ上 直己 野垣内 出 山本 誠一 庄境 誠 尾和 邦彦 長濱 克昌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.223-231, 1994-02-25
被引用文献数
6

内線電話への接続をタスクとする音声対話システムを作成した.同システムは200人規模の組識の電話受付業務を行うもので,電話で所属と名前を言うだけで相手の内線に電話をつなぐシステムである.不特定話者の連続音声認識を実時間で行うために専用のハードウェアを開発した.ハードウェアは浮動小数点DSP9個を疎結合マルチプロセッサ方式で結合し,パイプライン処理により,エコーキャンセル,音響分析,HMMのゆう度計算および単語レベル,文法レベルでのビタビ演算を並列に実行する,並列化にあたっては,最も処理の重くなったプロセッサにプロセッサ間のデータ転送に伴う待ち時間が生じないようなパイプラインスケジューリングを行っている.また,タスクサイズが大きくなッた場合でも音響分析は一定の周期で行えるよう同期処理,非同期処理を混在させた構成とした.電話回線経由で収集した400名の発声による音素バランス4,000文を用いて学習した音素モデルを用い実環境で評価したところ,91%の呼に対して正しい相手の内線番号が案内でき,それに要した平均所要時間は41秒であり,多くのユーザによる利用が期待できる性能であることが確認された.
著者
黒岩 眞吾 酒寄 信一 山本 誠一 藤岡 雅宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

KDDでは海外から日本のオペレータを直接呼びだし,国際オペレータ通話が可能な「KDDジャパンダイレクト^<SM>」という国際電話サービスを提供し,多くの日本人旅行者等の利用を得ている.しかし,特定の国からの呼については,現地の子供達等によるイタズラ電話が多く様々なトラブルを引き起こしている.そこで,オペレータに呼を接続する前に音声応答装置により対応しイタズラ呼の接続を排除するシステムを開発した.