著者
松尾 喜久男 吉田 幸雄 上本 驥一 原 治
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-22, 1962
被引用文献数
1

1) 1961年8月22日から8月27日の間に3回にわたり計8匹のハエ幼虫が男子尿道より排出された.2) 第2回目排出の2虫体を同定した結果, その虫体は3.4〜4.8mm長の3齢幼虫で, Sarcophaga septentrionalisかS. similisの何れかに該当し, 多分S. septentrionalisと思われる.3) 今回のハエ幼虫感染径路は恐らく汚染された陰茎かその付近に産下された1齢幼虫のうち若干のものが外尿道口から侵入し, 尿道内で発育した幼虫が3回にわたり尿中に排出されたと推察される.
著者
吉田 幸雄
出版者
大阪成蹊大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13489208)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.81-93, 2003

電子自治体構築の最重要基幹システムはGIS(地理情報システム)であるといってよい。GIS構築で重要なのは自然言語で表現された位置情報(住所や地番等)を空間言語で表現された位置情報(座標)に変換するジオコーディングの導入である。なかでも最も頻度高く利用される住所を座標変換するアドレスジオコーディングの効率化・精度向上のためには「住居表示」制度の普及が重要である。京都市では中心4区において伝統的な住所表示方法(交差点方式と町名地番方式の二重構造)が今も利用されているため、市域全体に住居表示が実施されていない特異な都市である。ところが、京都市の住所表示方法にふさわしい住居表示メニューが「住居表示に関する法律」では実際には用意されていることを明らかにし、次いで若干の改良を行えば京都の伝統を残したままの住居表示が実施可能であることを明らかにする。
著者
正垣 幸男 吉田 幸雄
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.38-42, 1956
被引用文献数
1 2

1)京都市北郊八瀬附近に於て, 8月〜9月の候, 人畜に来襲し, はげしく刺咬する種はニッポンヤマブユSimulium(Gnus)nacojapiであり, その他アオキツメトゲブユ, ヒメアシマダラブユ, キアシツメトゲブユ, オウアシマダラブユ等が来襲した.2)ニッポンヤマブユの動物嗜好性に関し, 人体, 牛, 山羊を同時に露出せしめた所, 人体及び牛に比し山羊は隔段少なかつたが, 人体と牛には共にはげしく来襲しこの両者間の差は本実験では判然としなかつた.3)ニッポンヤマブユの夏期における吸血活動の日間消長を観察した結果, 照度の変化によつて最も鋭敏に活動が左右される事を認めた.即ち気温, 風力等が制限因子として働かない場合は最も大きく影響するものは照度と考えられる.又朝夕におけるブユの活動の習慣性も見逃せない問題と考える.4)ニッポンヤマブユの吸血活動に好適な照度は1, 000〜20, 000luxと考えられるが, 真夏の太陽の直射の下, 10万lux以上の条件下に於ても, 活動は減少するも停止はせず, なお相当の吸血が行われる.5)当地区のあらゆる河川について, 幼虫, 蛹の採集を行つた所, ニッポンヤマブユ, キアシツメトゲブユが多く, 次でアオキツメトゲブユ, ヒメアシマダラブユ, クジツノマユブユ, オウアシマダラブユ, クロアシマダラブユ, オウアシマダラブユ, クロアシマダラブユ, ウチダツノマユブユ等が見出された.