著者
熊坂 謙一 小島 尚 土井 佳代 佐藤 修二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.123, no.12, pp.1049-1054, 2003-12-01 (Released:2003-11-29)
参考文献数
10
被引用文献数
14 15

Glibenclamide, a sulfonylurea derivative (SU) antidiabetic agent was detected in a health food by three different methods: TLC, HPLC, and liquid chromatography-mass spectrometry (LC-MS). For analysis of SU antidiabetics, the sample was extracted with acetone as a sample solution. TLC analysis of the sample solution showed a specific spot that had the same characteristics as those of glibenclamide standard solution. HPLC analysis monitored using a photo-diode array detector showed that the sample solution had a peak with a unique UV spectrum, with coincided with that of standard glibenclamide. In sample solution, LC-MS analysis in positive and negative modes indicated that the (M+H)+ and (M-H)− ions occurred at m/z 494 and m/z 492, respectively. These results indicate that the monoisotopic mass is 493, coincident with that of glibenclamide. Quantitative HPLC analysis showed that the glibenclamide content in the health food was 0.78 mg/capsule (1.55 mg/g of sample contents). Because the initial dosage of glibenclamide for diabetics is 1.25—2.5 mg per day, this health food has sufficient medicinal effect and also has the potential to cause adverse effects.
著者
土井 佳代 小島 尚 原田 昌興 堀口 佳哉
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-22, 1994-02-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

1%コレステロール添加飼料 (Ch) に乾燥桑葉 (ML) およびその熱水抽出物 (ME) をさらに配合した飼料 (ML・Ch, ME・Ch) をウサギに12~16週間与え, 血清脂質に及ぼす影響について検討した。実験期間中2週間ごとに採血し, 総コレステロール (TC) 等の血清脂質成分を測定し, 実験終了時には剖検および病理組織学的検討を行った。1) Ch食による血清TCの増加は, 10週間で2, 500mg/dlに及んだのに対して, ML・Ch食によるTCの増加は抑制された。とくに2.5%添加したML・Ch群では最大値1, 500mg/dlを示したに過ぎず, 有意に増加が抑制された。FC, PL, TGなどの血清脂質成分も同様の傾向を示した。2) 16週間の摂食後の剖検において, 肝臓の肥大・脂肪沈着はML・Ch群で軽減することが認められた。10%MLのみを添加した飼料を与えた動物は, 通常飼料群との間に差を認めなかった。3) 4週間Ch食で飼育し, 各群のTCが約1, 300mg/dlに増加したのをみてML・Chに切り換えて飼育すると, TCをはじめとする血清脂質成分の増加は抑制された。また, ME・Ch群においても, 増加は抑制された。4) 3) の肝臓病理組織学所見において, 肝細胞の腫大・脂肪沈着等はCh群で顕著であったのに対して, ML・Ch食群とME・Ch食群では微弱傾向を示した。胸部大動脈の病理組織学所見において, Ch群で顕著にみられた血管内膜の肥厚は, ML・Ch群では抑制された。以上の結果より, 桑葉には高コレステロール食により高脂肪血症を呈したウサギの血清脂質増加を抑制し, 脂肪肝を軽減する効果を有することを認めた。また, この効果は桑葉の熱水抽出物でも認めたが, 有効成分は非抽出画分にも存在すると思われる。
著者
土井 佳代 佐藤 修二
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.48, pp.25-27, 1999-01-31 (Released:2010-06-17)
参考文献数
4

10年程前に「味付けアワビ」等と称した調理加工食品が原因とされる食中毒様事例が散見され,神奈川県でも数例の事例に遭遇した.事例はいずれもアワビに似たチリ産ラパス貝によるものだった.ラパス貝はチリからペルーの南米太平洋岸に生息する草食性の巻き貝の一種で,スキソレガイ超科スカシガイ属(原始腹足目)に属し,学名はFissurella maxima Sorbeyで,即時型アレルギーや,Hemocyanineによる抗原性が報告されている.食品加工用原料としてチリよりボイルされたむき身が輸入され,それを調理加工したものが販売されている.中毒様事例の原因解明にあたり実施した試験等について報告する.