著者
小久保 綾子 閑 絵里子 土屋 直樹 中嶋 宏 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.71-74, 2014

近年、先進国のみならず新興国においても肥満人口が増加している。肥満は糖尿病や高血圧症等の生活習慣病に繋がるケースも多いため、罹患前に生活習慣を改善し、肥満を解消することが推奨される。しかし、過度な食事制限などにより急激な減量を行うとリバウンドのリスクが高まる。このような課題を鑑み、我々は減量成功事例443件を用い、ユーザが目標体重に到達するために目指すべき体重推移を幅をもたせて可視化し提示するシステムを開発した。本システムは、1ヶ月間の減量を支援するものであり、期間のはじめから終了にかけて体重がゆるやかに目標に収束するよう、成功事例を関数近似し、提示する。加えて、これらの成功事例から得る朝から晩にかけての体重の増量幅を提示する。本システムと体重推移の可視化がないシステムを比較した結果、本システムの利用者の体重減少量は後者のシステムと比較し、有意に減少していることが確認され、体重推移の可視化がユーザの減量に寄与することが示唆された。
著者
米田 光宏 田崎 博 土屋 直樹 中嶋 宏 濱口 剛宏 奥 正次郎 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.90-99, 2008-02-15 (Released:2008-05-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2 7

生体インピーダンス法を用いて内臓脂肪量を推定する手法は,X線 CTや MRIによる計測に比べると,コストや安全性の点で優れている.しかし,この手法で高い推定精度を実現するためには,複雑な組成を持つ生体の個体差を考慮した計測とその信号解析およびモデリングが重要となる.本稿では,特徴量のバリエーションを確保し,有効な特徴量の選定によるモデリング手法を提案する.具体的には,カーディナリティという指標を用いて特徴量の性質を定量的に評価することにより,特徴量のバリエーションを確保する.さらに,統計的な評価指標である赤池情報量規準を用いることにより,特徴量の選定を行う.実験の結果,提案手法によって構築した推定モデルが,高い推定精度と安定性を示すことを確認した.
著者
齋藤 真由美 土屋 直樹 中嶋 宏 江森 泰子 大坪 豊 金澤 亜依 金岡 秀信
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.67-70, 2014 (Released:2015-04-01)

基礎体温は排卵日や妊孕性を推定でき、かつ家庭での測定が簡便なことから、長きに亘り女性の妊娠を支援する生体指標として活用されてきた。近年では、ICTの進化により、簡便に測定し、その記録をネットワークに蓄積できる環境が普及したことで、その活用方法が広がりつつある。我々も月経開始日と基礎体温の記録に基づき、個々の女性の日常生活における健康管理を支援するアプリケーションを開発した。本稿ではこのアプリケーションが提供する、月経開始日および排卵日を予測する技術を示す。この予測技術は、複数の過去の月経周期日数、各々の基礎体温変動から推定された排卵日の実績を用い、次回の月経開始日、排卵日を予測するものである。加えて、本稿はこのアプリケーションで蓄積された膨大な月経周期と基礎体温の記録を用い、月経周期日数と年齢やBMIなどとの関係を示す。今後、このように蓄積されたデータから得る知見を活用することで、予測性能を向上させるだけではなく、女性の健康管理を支援するライフスタイルの提案といった新たな機能の実現が期待される。
著者
土屋 直樹 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.681, pp.25-30, 2006-03-15

本研究ではCMC環境においてより円滑な会話を行うために,仮想空間上のアバターを用い身体的相互作用の生まれる環境の構築を目指す.そこで,身体的相互作用を支える身体的機能として視覚能力に基づく視野に注目し,仮想空間の2次元空間上に存在するアバターに視野を付与した.そして,視野の付与による相互作用の変化を観察するため,被験者に他者同士の会話へ参与する場合の身体配置を決定させる課題を与え,身体配置を記録した.その結果,被験者自身のアバターに視野を付与されることに伴って,被験者以外のアバターにも暗黙的に視野を有しているという前提の下での身体配置が観察された.このことから,視野を付与する事によって仮想空間での身体的な相互作用を促進させる可能性が示され,CMCシステムの設計において,アバターの空間的な配置や身体的な振る舞いの付与を検討する事の重要性が示唆された.