著者
水野 英彰 竹内 弘久 土屋 雅人 堀合 真市 鈴木 裕 阿部 展次
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.817-819, 2015 (Released:2015-06-20)
参考文献数
11

【目的】我々は胃瘻患者に対し、一定の高さより重力を利用し半固形短時間注入法と同等の時間で栄養剤を確実に投与する方法を自然落下法と提案し、有用性に関して検討を行った。【方法】2012年5月から2013年5月において、当院で胃瘻経腸栄養患者に対し、レントゲン透視検査による胃機能評価を施行。胃蠕動良好であり、自然落下法を施行した71例を対象とした。使用栄養剤は中粘度(約2000mPa・s)のとろみ調整栄養食品を使用した。検討項目は①投与時間の平均時間②排便回数③糞便スコア④合併症発生率の4項目とした。【結果】①投与時間は18.52±4.92分②排便回数は1.13±1.12回/日③糞便スコアは1.34±0.42点/回④胃食道逆流2例に認め、合併症発生率は2%で自然落下法継続率は98%であった。【結論】自然落下法は安全かつ簡便に投与可能で患者QOL改善に寄与する可能性があり、経腸栄養投与法として有用な手技となり得る可能性が考慮された。
著者
土屋 雅人
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第54回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.F04, 2007 (Released:2007-06-09)

紙の防災マップは,自然災害から身を守る有効な道具であり,携帯性と一覧性に優れているが,情報を更新したり追加することが容易ではない.一方,パソコンを用いたインターネット防災マップは,情報を逐次更新可能だが,閲覧時間,場所,設備に制約がある.筆者は2006年,辻堂地区防災マップを改定するにあたり,防災関連情報や復旧支援情報を住民に広く知らせる手段として,QRコードを掲載した防災マップを提案した.これは,携帯電話のバーコードリーダ機能を使用して,紙の地図上のQRコードを読み取ることで,携帯電話の防災情報サイトに容易にアクセスできるものである.紙メディアの携帯性,一覧性と,無線ネットワークを利用した携帯電話の迅速性,適時性のメリットを融合し,必要な時に必要な情報を,QRコードを介して提供できる防災マップである.本研究では,2005年度に作成した「辻堂地域防災マップ」(神奈川県藤沢市)に,利用目的別の10個のQRコードを掲載し,そのQRコードを利用して,携帯電話用の防災情報サイトにアクセスできる仕組みを構築した. この10個の目的別QRコードについて,シナリオライティングの手法を導入し,その有意性の検証を行った.
著者
井上 勝雄 安斎 利典 土屋 雅人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.19-26, 1995
参考文献数
13
被引用文献数
3

アイデアスケッチやモックアップモデルの選別に代表されるデザイン評価に言語表現を用いたデザイン評価方法を提案する。実際に企業内でのデザイン評価はほとんどが言語による方法でありその有効性が高い。しかし,言語というあいまいなものを取り扱うことの難しさから研究事例は極めて少なかったが,言語を扱えるファジィ理論の登場によりその可能性が生まれてきた。そこで本研究では,ファジィ測度を用いた携帯電話機の事例研究と,また,ファジィグラフ(ファジィアウトランキング法)を用いたAV機器用リモコンの事例研究を通じて,ファジィ理論を用いた言語表現を用いたデザイン評価の妥当性を検証した。ファジィ測度による方法は精度の高い評価ができ,また,ファジィグラフによる方法は柔軟性の高い評価が可能であることが分かった。本結果は,言語表現を用いたデザイン評価方法を提案すると共に,デザイン評価においてファジィ測度とファジィグラフによる方法が有効であることを示した。
著者
土屋 雅人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.12-15, 2006-03-30
被引用文献数
1

神奈川県藤沢市では、市内の13の地区毎に防災マップを作成し、6〜8年間隔で地図の改定を行っている。そのひとつ、辻堂地区では2001年に作成された防災マップがあるが、記載情報に経年変化が生じているため、最新版の制作が必要となっていた。そこで、湘南工科大学土屋研究室と辻堂地域の市民提案団体「辻堂くらし市民の会」(以下「くらまち」)は、2004年4月に防災マッププロジェクトを立ち上げ、協働して防災マップの調査・制作を行った。従来の防災マップの作成では、実地調査や地図制作の効率の悪さが課題となっていた。そこで本研究では、GPS(全地球測位システム)機能付携帯電話を利用したGIS(地図情報システム)を導入し、ITツールの高精度化・効率化と地域住民の地の利の相乗効果を狙った手法を試みた。2004年5月〜7月に実施された調査の結果、街頭消火器や貯水槽など、合計約480箇所の情報が取得された。2005年3月に防災マップが完成し、2,000枚の地図が辻堂地区住民に配布された(図1)。