著者
広川 美津雄 井上 勝雄 岩城 達也 加島 智子
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.543-554, 2014 (Released:2014-12-26)
参考文献数
21
被引用文献数
6 5

In recent years, as information equipment has become multi-functional, an easy-to-use interface has been demanded. Particularly, an interface design that can be operated intuitively is urgently required. Therefore, we have re-examined this problem from the point of view of familiarity and organization along the flow of execution of user behavior for the design method, characteristics, and the meaning of an intuitive interface by use of a literature search, a questionnaire survey, and experiments. Based on our results, after reviewing patterns that combine the recognition and operation by a user, we classified interfaces into four types. As a result, we have clarified the characteristics and requirements of an intuitive interface and design guidelines which form the methodological framework of an intuitive interface design. The current study focused on information terminals using a touch panel, but the design guidelines proposed should be applicable to the interface design of various devices.
著者
伊藤 弘樹 中村 千枝 井上 勝雄 関口 彰
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.11-18, 2006 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9
被引用文献数
7 2

Though a lot of glasses design for women are proposed and displayed in a shop recently, it is difficult for a customer to select them. For the purpose, the fundamental research on what kind of glasses design is liked from a viewpoint of a customer is thought to be required. Then, the purpose of this research would analyze about the glasses design liked by women.As the method of research, image words contributed to the attitude of liking the glasses design were calculated by multiply regression analysis, and cognitive parts (form elements) affected to each image word of the glasses design were extracted by rough sets. Before the calculation, these image words and cognitive parts were extracted by the evaluation grid method. Samples of seventy-one kinds of glasses were evaluated into five steps about each image word on the subject of twenty women. Four image words “foppish (fashionable), pretty, decent, intellectual”in twelve contributed to liking were calculated using the data mentioned above. Next, the relationship between four images and cognitive parts was extracted based on the decision class of Rough sets (the non-linear technique of the ability to avoid of Multicollinearity) using the data of each image word. From the result, the hierarchical relation from the attitude to cognitive parts about the preference has been clarified.Furthermore, the verification experiment of the result of the hierarchical relation was conducted on the subject of a designer working a design office, who proposed three design sketches reflecting the whole result of the attitude and emphasized pretty and intellectual in it with some useful comments to improve the method.
著者
井上 勝雄 広川 美津雄 酒井 正幸 木下 祐介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.B14, 2007

ユービリティ評価手法は定量的手法と定性的手法に大別される。定量的手法は複数のインタフェースを比較、つまり、複数のプロトタイプの中から1つを選択する場合やインタフェースを再設計した効果測定を行う場合に用いられる。他方、定性的手法は個々のインタフェースの具体的問題点の発見に用いられる。定性的手法は問題点の発見により改善策を求めるという方法論であったが、本研究で提案する手法は、問題点だけでなく優れた項目の発見も行えるという特徴あり、その優れた項目が設計の知識となる。手法の具体的な方法としては、ラフ近似AHP法の結果により、優れた項目と問題の項目をタスク分析やラフ集合により抽出するユービリティ評価手法である。そして、デジタルプレーヤを事例にその手法の有効性について検証・考察した。
著者
井上 勝雄 Katsuo Inoue
雑誌
経済学論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.135-146, 2009-12-15
著者
酒井 祐輔 井上 勝雄 加島 智子 酒井 正幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.5_61-5_68, 2013

今日,視覚的に使いやすく見える製品はデザインだけでなくマーケティング的にも求められている。そこで,本研究の目的は,電気製品の機能が多くなることが,製品の視覚的使いやすさ感に与える相違と共通要因を解明する,さらに,多機能な製品で操作が本体でなくリモコンの場合の視覚的使いやすさ感の要因も解明する。研究の方法は,前者は,アイロンやラジカセ,ミニコンポ,携帯電話を対象として,区間回帰分析を用いてインタフェースの階層関係(上位から感性的IF,認知的IF,物理的IF)から視覚的使いやすさ感の要因を解明した。一方,後者のリモコンに関しては,エアコン用リモコンと携帯電話のテンキーを対象として,区間AHP法とラフ集合を用いて視覚的使いやすさ感の要因を解明した。前者の結果では,ユーザーが製品デザインに対して操作が具体的にイメージしやすいかが関係し,後者では,ボタンや表示文字などの大きさや配置や形状の内容が寄与していることが示された。リモコンの結果はわかりやすさであり,前者の操作がイメージしやすいかとの関係が高い。
著者
井上 勝雄 安斎 利典 土屋 雅人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.19-26, 1995
参考文献数
13
被引用文献数
3

アイデアスケッチやモックアップモデルの選別に代表されるデザイン評価に言語表現を用いたデザイン評価方法を提案する。実際に企業内でのデザイン評価はほとんどが言語による方法でありその有効性が高い。しかし,言語というあいまいなものを取り扱うことの難しさから研究事例は極めて少なかったが,言語を扱えるファジィ理論の登場によりその可能性が生まれてきた。そこで本研究では,ファジィ測度を用いた携帯電話機の事例研究と,また,ファジィグラフ(ファジィアウトランキング法)を用いたAV機器用リモコンの事例研究を通じて,ファジィ理論を用いた言語表現を用いたデザイン評価の妥当性を検証した。ファジィ測度による方法は精度の高い評価ができ,また,ファジィグラフによる方法は柔軟性の高い評価が可能であることが分かった。本結果は,言語表現を用いたデザイン評価方法を提案すると共に,デザイン評価においてファジィ測度とファジィグラフによる方法が有効であることを示した。
著者
井上 勝雄 広川 美津雄 岩城 達也 加島 智子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.40, 2015 (Released:2015-06-11)

今日、スマートフォンなどに代表される多機能な情報通信機器の普及により、誰でも直感的に使用することのできるインタフェースデザインが求められている。 そこで、報告者らは数年前から直感的なインタフェースデザインの設計論について研究を行ってきている。アンケート調査や心理実験、心理学に関する文献調査の結果から、直感的なインタフェースデザインは「知覚と行為の円滑な結合」であることが明らかになった[1]。そのためには心理学の「体制化」と「親近性」を拡張した考え方を設計論に応用することができると考え、その考え方をもとに、直感的なインタフェースデザインの10原則を提案した。
著者
関口 彰 嶋 暁人 井上 勝雄 伊藤 弘樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.49-58, 2007
参考文献数
12
被引用文献数
4

今日の携帯音響機器のデザイン評価構造を明らかにするために、市販ポータブルMD製品を対象に調査分析を行い、その評価構造を定量的に求めた。具体的には、人間の評価における上位の態度からイメージを経由する認知までの階層構造において、上位の態度から中位のイメージへの関係分析を重回帰分析で行い、態度に強く寄与する3つのイメージを抽出した。中位のイメージから下位の認知部位への関係分析をラフ集合と決定ルール分析法で行った。評価用語(態度とイメージ、認知部位)の抽出には評価グリッド法を用いた。これら得られた態度と各イメージに対して、5段階SD尺度で29種製品サンプルを評価した。このラフ集合の計算過程において、決定クラスの絞込み方法についての新提案も行った。これらの分析により、デザイン評価構造が定量的に求められた。さらに、現場デザイナーによる確認実験とデザイン案の再評価の結果、この評価構造の設計知識としての有効性と改良点についても確認した。
著者
広川 美津雄 井上 勝雄 高橋 克実
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.21-28, 2002-11-30
被引用文献数
1

近年、製品デザインの現場やデザインマネジメントの立場から、デザインコンセプト策定の重要性が増大している。本研究は、橋梁という特殊な領域におけるデザインコンセプト策定についての先行研究の考察を基礎に、工業デザインの分野において曖昧に使われてきたデザインコンセプトの内容を明らかにし、工業製品のデザインコンセプト策定の方法に関する提案を行った。策定方法は、まずデザイナーが、製品開発の時系列的視点で製品価値を再構成することによってデザインコンセプトを設定する。次に、現在デザインしようとしている製品に求められる要件のうち、評価を定めたり、合意したりすることが困難な要件に対して、デザインコンセプトによって方向性を示す。このような製品価値主導のデザインコンセプト策定により、製品全体の新しい価値を明確にすることができ、以後に続く設計をリードし、製品開発の全体をコントロールできる。