著者
坂下 玲子 北島 洋子 西平 倫子 宮芝 智子 西谷 美保 太尾 元美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_91-1_97, 2013-03-20 (Released:2013-04-09)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

目的:臨床の看護職に適した看護研究のあり方を検討するための基礎情報を得るため,臨床における看護研究の現状を明らかにする.方法:全国の中・大規模の病院のうち,無作為抽出した3000病院に所属する看護研究推進担当者に対し,郵送法による質問紙調査を実施した.結果:回答は1130病院(回収率37.7%)から得られ,回答時100床以上であった病院1116を対象に分析を行った.本研究において,中・大規模の病院では,高い頻度で(88.4%),看護研究が実施されていることが明らかになった.その目的としては,「スタッフの教育」が最も優先順位が高く,次いで「患者サービス向上」「業務の改善」であった.研究法としては,質問紙法による実態調査が多く,研究期間は1年が多く,研究時間や研究資金は不十分であり,研究成果を論文として発表する率は低かった(14.8%).看護研究を進めるのに不足しているものとして,データ分析や研究法の知識・技術があげられ,また病院内で研究を指導する人が求められていた.結論:本研究により,病院で取り組まれている看護研究における課題が明らかになり,今後,臨床の看護職により実施される看護研究の目的を明確にするとともに,組織外のリソースを活用した研究支援の必要性が示唆された.
著者
坂下 玲子 大塚 久美子 Reiko SAKASHITA Kumiko OTSUKA 兵庫県立大学看護学部看護基礎講座基礎看護学 兵庫県立大学看護学部看護基礎講座基礎看護学 Nursing Foundation University of Hyogo College of Nursing Art and Science Nursing Foundation University of Hyogo College of Nursing Art and Science
出版者
兵庫県立大学看護学部
雑誌
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 (ISSN:18816592)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.93-105, 2008

地域に根ざした新しい看護提供システムとして「まちの保健室」事業が各地で展開されている。本研究は、この事業の後方支援のために、高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出を行うことを目的として、口腔健康相談を受ける頻度が高いと考えられる歯科衛生上を対象にフォーカスグループインタビューを行い高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出を行った。<対象と方法>対象は、研究への同意が得られた歯科衛生上で、カテゴリーが飽和するまで対象者の募集を行った。3~5人を1グループとしてフォーカスグループインタビューを実施し、1)よく受ける相談について、2)うまくいった相談場面、3)相談のとき気をつけている点、工夫している点についてたずねた。得られたデータを質的記述的に分析することによって相談技術を抽出した。<結果と考察>7グループと1人、計27人の歯科衛生上のインタビューを行った。参加者の年齢は平均36.8±9.5歳(25~60歳)、全員が女性であった。勤務年数は平均15.4±8.4年(5~36年)、経験したことのある職場は、保健所など多岐に渡っていた。参加者が表現した内容を注意深く読みとり255単位データが抽出された。抽出された技術としては、1)導入部分として、クライエントを「招き入れる」「信頼関係を築く」「機が熟すのを待つ」が抽出された。2)相談部分として、「真の問題を見つける」「問題点を理解してもらう」「できることをいっしょに探す」「行動を引き起こす」「行動の継続を促す」が抽出された。3)今後へ繋ぐ部分として、「次回の予約をする」、「次回までの具体的な目標を決める」が抽出された。インタビューの中では義歯の管理、口腔乾燥などの口腔健康への対応について語られた部分も多かったが、それは別の機会に報告することとし、今回は相談の具体的な技術に焦点をあて抽出した。歯科衛生士が用いている相談技術がそのまま看護職が応用できるとは限らないが、抽出された項目をみると、看護ケアの技術と重なる点がみられ、看護職も参考にでき応用していけるものと考えられた。
著者
井上 直彦 高橋 美彦 坂下 玲子 呉 明里 野崎 中成 陳 李文 亀谷 哲也 塩野 幸一
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.1-29, 1992 (Released:2008-02-26)
参考文献数
24
被引用文献数
2 3

中華民国(台湾)中央研究院において,中国河南省安陽県殷墟の犠牲坑から出土した398体の頭骨標本の調査を行う機会を得た.侯家荘西北高における,1928年から1937年まで通算15回の発掘による標本の数は,1,000体におよぶものであったというが,当時の中央研究院が戦乱を避けて移動する間に,現在の数にまで減少したという.甲骨文字の解読による史実と,同時に出土した遺物との対照によれば,1,400~1,100BC頃,すなわち殷商時代の後半と推定されている.この標本群は,歴史的な裏付けのある資料としては恐らく最古のものであり,しかも,標本数も大きい点で,古い時代の形質と文化との関わりを知るための資料としてきわめて貴重なものと考えられる.この資料についての過去の研究の中でとくに関心がもたれた重要な課題は,殷商王朝の創建者はどのような人種であったのかという点であるという(楊,1985b).すなわち,本来の中国人というべきものがすでに存在していたのか,東夷あるいは西戎であったのか,また,単一民族であったのか,あるいは楊が指摘したように数種の異民族を包括して統治していたものかなどである(Fig.1~Fig.3).もし,複数民族の存在が事実であるならば,それは,同一の時間,同一の空間に異民族が共存していたという比較的まれな例であるということができる.本研究は,長年にわたる人種論争にあえて参加する立場はとらず,各群が,群として認められるに足りる形態学的な根拠をもっかどうかを検討し,さらに文化の影響としての歯科疾患が,同じ生活圏に存在したと考えられる異なる民族群においてどのように分布するかを知り,著者らがすでに指摘した形質と文化との独立性をさらに確かめることを目的とした.
著者
手島 泰治 永長 周一郎 横溝 正幸 高橋 美彦 坂下 玲子 井上 直彦
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.889-897, 1989-10-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
22

To investigate the extent of oral diseases in the aged, a dental examination was conducted in combination with medical examinations of elderly inhabitants of Miyako district, Okinawa pref.Abnormal oral findings were noted in 1, 655 (29.19 %) of 5, 670 examinees. The incidence of oral disease tended to increase with age. Among the oral disease detected, oral mucosal diseases showed the highest frequency. Suspected malignant tumors were found in 0.14%, benign tumors in 4.36 %, leukoplakia in 1.29 % and diseases presumably due to insufficient oral care by dentists or patients in 8.77 % of the examinees. Evaluation of the state of disease revealed that a higher proportion of systemic diseases were under medical treatment as compared with oral diseases. Further detailed examination was indicated in 50 (0.88 %) examinees with oral diseases.