著者
嶺井 聡 貝沼 茂三郎 坂元 秀行 玉城 直 友利 寛文 梁 哲成 仲原 靖夫 古庄 憲浩
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.141-145, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
15

苓桂朮甘湯は茯苓,桂皮,朮,甘草の4つの生薬から構成され,陽証で気逆と水毒を伴う病態で,起立性調節障害などの自律神経の機能調節障害,特に副交感神経優位から交感神経優位な状態への調節が上手くいかない場合などに用いられる。今回,自律神経の調節障害と考えられた3症例に対し,苓桂朮甘湯が有効であったので報告する。 症例1は運動後や仕事終了前後に出現する頭痛,症例2は夕方から出現するふらつきや冷汗,症例3は仕事終了後や休日に出現する頭痛が主訴であったが,いずれの症例も交感神経優位の状態が長く続いた後に,副交感神経優位な状態に自律神経の調節障害が原因と考えられた。また3症例いずれも陰証や水毒を示唆する所見に乏しく,今回の検討から水毒の所見がなくても,陽証で気逆の所見に加え,交感神経優位から副交感神経優位な状態に自律神経の調節障害に苓桂朮甘湯が有効である可能性が考えられた。
著者
嶺井 聡 貝沼 茂三郎 坂元 秀行 玉城 直 友利 寛文 梁 哲成 仲原 靖夫 古庄 憲浩
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.141-145, 2019

<p>苓桂朮甘湯は茯苓,桂皮,朮,甘草の4つの生薬から構成され,陽証で気逆と水毒を伴う病態で,起立性調節障害などの自律神経の機能調節障害,特に副交感神経優位から交感神経優位な状態への調節が上手くいかない場合などに用いられる。今回,自律神経の調節障害と考えられた3症例に対し,苓桂朮甘湯が有効であったので報告する。 症例1は運動後や仕事終了前後に出現する頭痛,症例2は夕方から出現するふらつきや冷汗,症例3は仕事終了後や休日に出現する頭痛が主訴であったが,いずれの症例も交感神経優位の状態が長く続いた後に,副交感神経優位な状態に自律神経の調節障害が原因と考えられた。また3症例いずれも陰証や水毒を示唆する所見に乏しく,今回の検討から水毒の所見がなくても,陽証で気逆の所見に加え,交感神経優位から副交感神経優位な状態に自律神経の調節障害に苓桂朮甘湯が有効である可能性が考えられた。</p>
著者
知北 和久 大八木 英夫 山根 志織 相山 忠男 板谷 利久 岡田 操 坂元 秀行
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.73-86, 2017-08-28 (Released:2017-09-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1

今回の研究対象である北海道・倶多楽湖は,20世紀までは冬季に完全結氷し年によっては湖氷の圧縮・膨張によるお神渡りが観察された。しかし,21世紀に入り,冬季に完全結氷しない年がこれまで4回現れており,今後の温暖化の進行によって倶多楽湖は将来,永年不凍湖になる可能性がある。ここでは,倶多楽湖の貯熱量を2014年6月~2016年5月の2年間にわたり計算し,気象因子の変動に対する熱的応答を感度解析によって検討した。なお,同湖が結氷するのは例年2~3月であるが,2015年は暖冬で部分結氷,2016年は完全結氷し,貯熱量に違いが見られた。ここでは,貯熱量を湖の熱収支に基づく方法と水温の直接測定による方法の二通りで計算し,両者を比較した。その結果,両者の間に決定係数R2=0.903の高い相関があり,熱収支による方法の妥当性が裏付けられた。これを踏まえ,主要な気象因子(気温,日射,降水量,風速)の値を変えて貯熱量に対する感度解析を行った。結果として,倶多楽湖の貯熱量は気温と降水量の増加に対して顕著に増加し,現在の湖周辺での年平均気温の上昇率0.024°C/年を考慮すると,約20年後には永年不凍湖になる可能性がある。
著者
石川 明子 松井 基純 釣賀 一二三 坂元 秀行 高橋 芳幸 金川 弘司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.965-968, 1998-08-25
被引用文献数
4

性成熟に達した10頭の飼育下の雄エゾヒグマを不動化した後, 電気刺激射精法により, 延べ21回の精液採取試験を行った.運動精子を含む射出精液は, 21回のうち14回から得られ, 採取された精液の量およびpHは, 平均2.7mlおよび7.4であった.また, 精子の濃度, 運動性, 生存率および奇形率は, それぞれ平均471.6×10^6個/ml, 80.2%, 89.7%および21.8%であった.