著者
紺野 香織 坂野 博之
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.121-126, 2010-03-20 (Released:2012-09-29)
参考文献数
21

ヒメマスの動物プランクトンに対する餌選択性を明らかにした。ヒメマスの胃内容物中には動物プランクトンのみが認められた。胃内容物中のプランクトン組成は環境水中の組成と異なり,大型のハリナガミジンコが優占していた。一方,環境水中で最も大型のケンミジンコに対して,選択性は認められなかった。以上のことから,ヒメマスは特定の動物プランクトン種を選択的に摂餌することが示された。過剰なヒメマスの放流は選択的摂餌を介して動物プランクトンの群集構造を改変し,ヒメマス資源に悪影響を与える可能性が考えられた。
著者
坂野 博之 淀 太我 HIROYUKI SAKANO TAIGA YODO (独)水産総合研究センター中央水産研究所 (独)水産総合研究センター中央水産研究所 National Research Institute of Fisheries Science Fisheries Research Agency National Research Institute of Fisheries Science Fisheries Research Agency
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.313-317, 2004-05-15
参考文献数
29
被引用文献数
3 6

ブルーギルの食性と動物プランクトンに対する餌選択性を明らかにするため, 二つのため池において動物プランクトン種組成とブルーギルの胃内容物組成を明らかにした。両池のブルーギルの胃内容物には動物プランクトンが頻繁に認められた。二つのため池に共通して生息するオナガケンミジンコは一方の池で選択的に摂餌されていたものの, 他方の池ではほとんど摂餌されておらずハリナガミジンコが選択的に摂餌されていた。
著者
片野 修 坂野 博之
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.183-191, 2010-11-30
被引用文献数
1

オオクチバスを駆除する方法の一つとして、生き魚を用いた釣りの方法を開発した。障害物がない場所では8〜9mの振出し竿を用い、小型の浮きと45cmのハリスの付いた小型の釣針をラインに装着した。餌魚として標準体長が5〜9cmのウグイを用い、釣針が餌魚の背の前部に掛かり、しかもその針先が背から突き出るようにした。餌魚がバスに攻撃され飲みこまれてから、30〜40秒待ちその後強く合わせた。ある溜池での調査から、この釣法はルアーフィッシングより効果的にバスを釣ることができること、大型のバスを効果的に減少させられることが示された。長野県の9ヶ所の溜池や湖でウグイ、生きエビ、ミミズの3種の餌による釣れ方を比べると、大型のバスはもっぱらウグイによって釣られること、小型のバスはミミズやウグイより生きエビによって多く釣られることが明らかになった。