著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 内藤 俊夫 加藤 聖子 重松 美加 山崎 浩 FAN Chia-kwung CHANG Nen-chung Chang LEE Yunarn-jang CHANG Yu-sai TSAI Ming-dar JI Dar-der SUKATI Hosea Mlotshwa TU Anthony T.
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

台湾、日本、サントペ・プリンシペでの調査の結果、台湾と日本では医学生であっても感染経路や被害の状況を正確に把握していない、治療に関し最新の正しい情報がないため恐怖心がある、台湾の調査では「対策」の講義の機会のある公衆衛生学科の学生のほうが医学科の学生よりも正確に理解していること等がわかった。HIV/AIDSが日本国内に入って来て約20年が経過したが、新規感染者数は増加傾向にあり低年齢化してきている。日和見感染症や喫煙との関係が深いことは後述する調査で明らかとなった。HIV/AIDSの感染経路となるDrugや喫煙と併せて、正しい基礎知識と予防策を学校教育の中で教えていくことが重要である。
著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 内藤 俊夫 大槻 公一 重松 美加 山崎 浩
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、当初、世界レベルでの甚大な被害が予想される重篤な新興感染症等、特に新型インフルエンザ(H5N1)をターゲットとした、国民や社会全体への被害を抑える対策の一つ、感染症教育の有効的な手法に関する研究であったが、東日本大震災以降、二次災害としての感染症の対策の意味合いも加え、知識の浸透と自主性の育成を念頭に、研究モデル校において、教育機器を用いた講義と自ら考える演習(避難所シミュレーション等)を併せたプログラムを実施、介入前後のアンケート調査の結果等から有効性が認められた。
著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 青木 孝
出版者
順天堂大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

新型インフルエンザ(H1N1)の発生・流行によって、「新型インフルエンザ」という名称は周知されたにも関わらずマスコミ報道等の影響で正しく理解されていない可能性が非常に高いと考えられたため、流行が収まるのを待って予備調査を実施した。その結果、リスク認知とリスク回避行動とが、リスクマネジメントの概念通りに正しくリンクしている勤労者(危機管理担当者)に対して、高齢者は自らの身体的リスクを認識した上で、新型インフルエンザ対策に関する情報収集等に強い関心を示し、マスコミや広報から得た知識を正しく認識できていない割合も他のグループより多いが、行動面で慎重でリスク回避の方向に進む傾向があることがわかった。その一方で、中学生他若者層は、知識吸収能力は高く対策についても正しく理解しているが、行動に関するリスクの認識が甘く、知識と行動とが合致せず危険性が高いことがわかった。H1N1型の国内発生・流行時の関西の高校生がカラオケ店に殺到した事件が裏付けとなる。中学生と、高校生・大学生を比較した場合、知識に関する設問でほとんど有意差がみられなかったため、調査モデル国の台湾では対象を中学生に絞った。台湾の中学生の行動は、日本の勤労者に近い行動をとること、講義や広報、マスコミ(一律の政府報道)に依存し、より慎重であることがわかった。また、全体的に、高病原性と低病原性のリスクを正しく理解していないことがわかった。以上から、リスク認知とリスク回避の関係は非常に密接であり、「感染症教育」の効果としての行動リスクの低減への期待値は非常に高いという結論を得た。