著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 内藤 俊夫 加藤 聖子 重松 美加 山崎 浩 FAN Chia-kwung CHANG Nen-chung Chang LEE Yunarn-jang CHANG Yu-sai TSAI Ming-dar JI Dar-der SUKATI Hosea Mlotshwa TU Anthony T.
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

台湾、日本、サントペ・プリンシペでの調査の結果、台湾と日本では医学生であっても感染経路や被害の状況を正確に把握していない、治療に関し最新の正しい情報がないため恐怖心がある、台湾の調査では「対策」の講義の機会のある公衆衛生学科の学生のほうが医学科の学生よりも正確に理解していること等がわかった。HIV/AIDSが日本国内に入って来て約20年が経過したが、新規感染者数は増加傾向にあり低年齢化してきている。日和見感染症や喫煙との関係が深いことは後述する調査で明らかとなった。HIV/AIDSの感染経路となるDrugや喫煙と併せて、正しい基礎知識と予防策を学校教育の中で教えていくことが重要である。
著者
加藤 聖子
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-04-01

着床における子宮内膜の幹細胞の果たす役割を解明することを目的とし、マウスやヒト臨床検体を用いて研究を行い下記の成果を得た。網羅的解析(RNA-sequence)は研究領域の技術支援を受けた。1) マウスモデルを用いた解析各週齢のC57BL/6マウス(5週・8週・60-75週)及びklotho早老マウスの子宮よりRNAを抽出し、RNA-sequence並びにGene Ontology・Pathway解析を行った。年齢毎に発現が増加あるいは減少する遺伝子群やPathwayを明らかにした。この中で老化マウスとklothoマウスで共通に変化する因子も見出した。2)臨床検体を用いた解析同意取得後、不妊治療中の採卵時に採取した子宮内膜検体や血液を用いて、その後の着床率との関連を解析したところ、着床不成功例では成功例に比較し、老化細胞率・p21の発現・細胞周期でのG0/G1期の割合が有意に高かった。また、両者の間で分泌が亢進しているサイトカインの種類に違いが見られた。興味深いことに、幹細胞マーカーの一つであるALDH1の発現はマウスでは老化により減少し、着床不成功例で老化細胞数増加とともに、減少していた。また、SASPに関連することが報告されている複数のサイトカインの発現や分泌が老化マウスや着床不成功例でそれぞれ亢進していた。以上の成果により、老化に伴い子宮内膜幹細胞が減少し、増加する老化細胞から分泌されるサイトカインによるSASPが着床不全の病態に関与することが示唆された。これらの結果はステムセルエイジングに伴う子宮内膜幹細胞の枯渇・劣化・内膜機能の低下が受精卵の着床を阻害していることを意味しており、がんや神経・筋肉の変性疾患だけではなくステムセルエイジングが引き起こす病態の中に子宮内膜機能低下による着床不全も含まれることを示すことができた。
著者
加藤 聖子 内田 聡子
出版者
順天堂大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

我々は以前ヒト正常子宮内膜よりSide Population細胞を分離しSP細胞が長期増殖能を持ち内膜腺上皮や間質細胞への分化能を有すること、このSP細胞の割合は月経期内膜に最も高いことを報告した。子宮内膜症の発症を月経血逆流説から検討するため、インフォームドコンセントを得た患者から月経血を採取し内膜細胞を分離培養しSP細胞を分離しその増殖能を解析した。月経血中の内膜細胞にはSP細胞が存在した(n=5,平均0.704%)。このSP細胞およびnon SP細胞を分離培養し、増殖能を解析したところ、SP細胞の増殖能が亢進されていた。また、コラーゲンプレートに500 cells/cm^2の細胞を播種したところ、SP細胞のみでコロニーが形成され、このコロニーより分離された細胞は同様にコラーゲンプレート上にコロニーを形成した(自己複製能)。また、昨年度ラット子宮内膜細胞のSP細胞とnon SP細胞を用いたマイクロアレイによりSP細胞で有意に発現の高かった受容体蛋白を蛍光免疫染色で解析すると、月経血中子宮内膜のSP細胞にnon SP細胞に比べ陽性細胞数が多かった。以上より、月経血中の子宮内膜細胞に、増殖能の高い、コロニー形成能、自己複製能を有する細胞が存在することが明らかになった。この細胞群が異所性に増殖する性質を持っ子宮内膜症の発生機構に関与する可能性が示唆された。内膜症からの癌化機構を検討するため、内膜症と卵巣癌(明細胞腺癌)が共存する組織切片を用いて、子宮体癌SP細胞で発現が増加していた蛋白の発現を免疫染色法で解析した。この蛋白発現は卵巣癌近傍の子宮内膜症に強く発現されていたが、離れた部位の内膜症組織や正常内膜には発現していなかった。
著者
和氣 徳夫 小林 裕明 福嶋 恒太郎 加藤 聖子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

Ras/ERα/MDM2/p52/p21シグナロソームにはゲノム多様性が存在し対立遺伝子間発現量に差異があることを明らかにした。特にMDM2 p1プロモータ活性にはAEDが関与し、その機能に影響を与えていることが判明した。子宮体癌幹細胞で発現を更新する遺伝子を同定した。そのうち細胞表面で発現するものを標的に抗体を作成し幹細胞を同定するMACSシステムを構築した。