著者
幸田 芳紀 伊藤 康一 青木 孝文
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.312-320, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)
参考文献数
11

2015年に国連は,「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(Transforming our world:the 2030 Agenda for Sustainable Development)を採択し,その中でSustainable Development Goals(SDGs)を発表した.このSDGsは17個のゴールと169個のターゲットで構成されており,その目標16ターゲット16.9では,「2030年までに,出生登録を含むすべての人に合法的な身元を提供する」ことを宣言している.これは,出生直後から全ての人が出生国の国民として登録されることで,国民として享受すべき社会保障サービスを受けられる環境を確立することにほかならない.国民の登録・管理に利用できる個人認証技術の一つとして指紋認証がある.現在までに数多くの国々が指紋認証に基づいた国民IDシステムを導入している.しかしながら,新生児に利用可能な指紋認証システムが開発されておらず,そもそも現状の国民IDシステムでは,新生児を含む5歳以下の子供を登録対象としていない.本稿では,SDGsターゲット16.9の実現に向け,指紋認証技術の適用範囲を出生直後の新生児にまで拡大する取組みについて述べる.
著者
青木 孝之
出版者
駿河台大学
雑誌
駿河台法学 (ISSN:09149112)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.392-336, 2010-02
著者
青木 孝之 岡田 元
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
pp.jjom.H29-05, (Released:2017-11-18)

2017 年7 月に中華人民共和国深圳で開催された「第19 回国際植物科学会議(IBC 2017)命名規約セクション」において採択された「国際藻類・菌類・植物命名規約 (ICN; 深圳規約 2018)」における改正点の概要について解説した.
著者
内田 隆 青木 孝
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 43 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.483-486, 2019 (Released:2020-07-31)
参考文献数
6

本研究では,通電によるジュール熱でパンを作る電気パン実験の起源をあきらかにするため,電極式調理の歴史について文献調査と聞き取りを行った.その結果,電気パンの起源は陸軍の阿久津正蔵らが開発した炊事自動車で,電極式調理による製パンよりも前に炊飯が先に実用化されていたことがあきらかになった.終戦後にこの技術が活用されて家庭用電極式炊飯器である厚生式電気炊飯器やたからおはちが製造されたこと,さらに,現在はパン粉用パンの製造量の半分程度が電気パンと同じ電極式調理でつくられていることがわかった.
著者
鈴木 大地 中村 雅俊 大箭 周平 青木 孝史 江玉 睦明
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.117-123, 2019-04-01 (Released:2019-03-16)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

It is well known that eccentric exercise induces muscle damage that is characterized by a prolonged decrease in muscle strength and range of motion, development of delayed onset muscle soreness, and swelling. Therefore, the present study aimed to compare the acute effects of hold-relax stretching (HRS) with those of static stretching (SS) on muscle strength and soreness. The participants comprised 28 male volunteers randomly assigned to either the HRS group (N = 14) or the SS group (N = 14). Initially, the participants of both groups performed 60 maximal eccentric contractions of the knee extensors. Two and four days after this exercise, each group performed either HRS or SS for 60 s at a time and repeated them six times for a total of 360 s. Muscle strength and soreness during stretching and contraction were measured before and immediately after HRS and SS. The results showed that the muscle soreness observed after eccentric contraction significantly decreased immediately after both HRS and SS were performed two and four days later. In addition, there were no significant changes in muscle strength immediately after both HRS and SS were performed two and four days later. The rate of change in muscle soreness after HRS was significantly higher than that after SS two days post eccentric contractions. These results suggest that while both HRS and SS can effectively decrease muscle soreness, the effect of HRS on muscle soreness was larger than the effect of SS.
著者
西村 清和 尼ヶ崎 彬 長野 順子 相澤 照明 山田 忠彰 中川 真 渡辺 裕 津上 英輔 青木 孝夫 外山 紀久子 大石 昌史 小田部 胤久 安西 信一 椎原 伸博 上村 博 木村 建哉 上石 学 喜屋武 盛也 東口 豊 太田 峰夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は従来自然美論、風景論、環境美学、都市美学という評語のもとで考えられてきたさまざまな具体的、個別的諸問題領域を、日常生活の場において企てられたさまざまな美的実践としてとらえなおし、あらたな理論化を目指すものである。具体的には風景、都市景観、森林、公園、庭園、人工地盤、観光、映画ロケ地、遊芸、雨(天候)、清掃アートなど多様な現象をとりあげて分析し、その成果を『日常性の環境美学』(勁草書房、2012)として刊行した。
著者
青木 孝志 足達 義則
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.133-139, 2007-03-01

暗記や勉強を行うときは、室内を歩き回りながら行うと効果的であるといわれている。しかしパソコン作業などのデスクワーク中に歩き回ることはできない。デスクワーク作業中に可能な運動としては微小揺脚運動(貧乏ゆすり)が考えられる。しかし、これは歩行に比べだらエネルギー消費が非常に小さくなる運動規模の非常に小さい運動である。本研究では貧乏ゆすりが良導絡(電気的な経絡)の自律神経活動に与える効果をノイロメトリー法による皮膚電気反応測定により吟味した。被験者は22-23歳の健康な男子10人である。運動時間は4分間である。貧乏ゆすり前に4分間、貧乏ゆすり後に8分間のノイロメトリーを行った。貧乏ゆすり前に比べ運動後の初めの4分間は良導絡の皮膚電気伝導が上昇した。次の4分間に大略元に戻る傾向があった。従って貧乏ゆすりのような小規模な運動といえど、統計的有意に良導絡自律神経活動を活性化することが示唆される。また、良導絡自律神経情報系LH_2およびLH_3に影響が大きく現れる傾向が見られた。逆に、 LH_5およびLH_6への影響は比較的小さい傾向があった。
著者
伊藤 勅子 小松 大介 小山 洋 坂井 威彦 藤田 知之 中田 岳成 熊木 俊成 青木 孝學 春日 好雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1853-1856, 2002-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15

甲状腺癌のほとんどを占める乳頭癌は分化度の高いものが多く,早期発見および適切な外科治療により治癒が期待できる.今回われわれは, 1997年4月から2002年3月までの5年間の当院人間ドックにおける触診での甲状腺癌検診の成績および外科治療を含めた臨床的検討を行った.発見率は総受診者25,139人中58人(0.23%)で,男性は17,443人中11人(0.06%),女性は7,696人中47人(0.61%)であった.最大腫瘍径が1cm以下のいわゆる微小癌は25例(43%)であった.組織型は乳頭癌は56例(96%)で,濾胞癌,髄様癌はそれぞれ1例(2%)であった.リンパ節転移陽性は27例(47%)に認められた.いずれも手術時合併症はなく現在再発を認めていない.人間ドックでの早期発見により侵襲,合併症が少ない治療が可能で患者のQOLは向上することが期待され,検診の意義は十分にあると考えられる.
著者
坂井 威彦 藤田 知之 草間 啓 熊木 俊成 青木 孝學 工藤 道也 春日 好雄
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.1155-1158, 2000-05-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
17

1家系, 3世代に, 5例の甲状腺乳頭癌を認めた家系を経験したので報告する.発端者は21歳の大学生であり,その母親が8年前に甲状腺乳頭癌で,他医にて外科治療をされていた.発端者と同時期に, 25歳の実兄が甲状腺乳頭癌にて当科を紹介されて受診したので,家系調査を行った.その結果,母親の妹と,母方の祖母の2人に甲状腺乳頭癌が認められた.発端者の母親は,甲状腺内再発と両側肺転移を認めた. 5人の患者のうち4人に当科で外科治療が施行された.外科治療は甲状腺全摘が望ましいとされているが,合併症を防ぐため,準全摘とした.今後は他の発症していない家族の検診を続けるとともに,手術患者の局所再発,遠隔転移に注意していく必要があると考えられた.
著者
青木 孝平
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.25-36, 2005-01-20 (Released:2017-04-25)

Communitarianism is a social philosophy that M.J.Sandel, A.Maclntire, Ch.Taylor and others have advocated in England and America since the end of 20th century. It has severely opposed liberalism which is the main current of contemporary normative theory argued by J.Rowls. The aim of this paper is to reexamine the socalled Uno theory of economics which seems to have no connection with communitarianism, and to reveal that Uno theory is not only the methodology of scientific economics but also the text of social philosophy. At first, we try to extract the proper normative theory from Uno theory and show that it has a character similar to communitarianism. Moreover, the deductive logic developed by Uno is totally different from the historical materialism by Marx and also from the ideal dialectic by Hegel, or rather similar to socialism as a categorical imperative proposed by the neo-Kantianism. Secondly, we investigate the substance of normative theory included in Uno theory. As a result, in discussions about the theories of value form and of the fetishism considered by Uno, we find the same argument as communitarian's criticism against "the unencumbered-self" or "the self-ownership" liberalism premised. In the social contract theory, the subject is considered to construct the social relations, but in Uno theory, the relations construct the subject. Lastly, we think about the abolition of "the commodification of labor-power" and "the law of value". Thus we conclude that the purpose of Uno' theory is not a realization of freedom, equality and individuality, but a recovery of social collaborated relations. We are sure it is not besides the mark to discover a communitarian normative theory in Uno's political economy.
著者
青木 孝良 水野 礼 木村 利昭 堂迫 俊一
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.125-143, 2017 (Released:2017-08-07)
参考文献数
63
被引用文献数
5

Numerous studies have been performed on casein micelles because they have characteristic structure and biological functions, and play important roles in processing of milk. More than twenty models have been proposed since Waugh proposed the first model of casein micelle in 1958. In this review, models of the casein micelle were divided into three groups of early stage, submicelle, and nanocluster modeles, and then their characteristics were described. Submicelle models of Slattery, Schmidt and Walstra had been accepted by many researchers. However, since Holt proposed the nanocluster model in 1992, most of the proposed models were modified nanocluster ones. We made discussions on the electron micrographs which played a key role in proposing the nanocluster models. Finally, we described whether it is possible to explain the changes in casein micelles during processing milk using the submicelle model of Schmidt, nanocluster models of Holt, Horne, and Dalglesish & Corredig. It is impossible to explain all phenomena which occur in casein micelles during processing of milk using any models. Further studies on casein micelles are needed.
著者
青木 孝志 足達 義則
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.121-125, 2006-03-01
被引用文献数
2

アロマセラピーの研究においては、匂いが自律神経に与える影響を調査することが重要である。本研究ではジャスミンの匂いが自律神経に与える影響を心拍変動のパワースペクトルのHF(high frequency)成分とLF(low frequency)成分の変化から調べた。本実験における被験者は、ジャスミンの匂い刺激によりパワースペクトルのHF成分は有意変化を示さなかったが、LF成分が有意に増大した(p<0.01)。このことは副交感神経の活動増大(または精神性負荷減少)が起こることを示唆した。
著者
青木 孝文 伊藤 康一 青山 章一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.119-130, 2015-10-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2

本稿では,東日本大震災において亡くなられた方の御遺体の個人識別(身元確認)が,いかにして行われてきたかを明らかにする.今回の震災では,顔貌,指紋,掌紋,DNA型などを用いた各種の個人識別手法の中でも,特に歯科的個人識別が有効であった.しかし,発災当時,我が国の警察でさえも,多数遺体の歯科的個人識別について十分な経験を有しておらず,その方法論の確立が急務であった.この状況を打開するために,筆者らは,2011年4月から,宮城県警察本部の身元確認チームに参画し,ICTを活用した歯科的個人識別の高度化に取り組んだ.最終的に,歯科医師会と合同で,歯科情報に基づく迅速な身元確認のワークフローを構築した.本稿は,この震災現場で学んだ教訓を共有することを目的としている.更に,将来の大規模災害の身元確認に備えるために,現在,厚生労働省が実施している「歯科診療情報の標準化」事業の現状と,将来へ向けた技術課題を明らかにする.
著者
青木 孝義 谷川 恭雄 中埜 良昭 湯浅 昇 岸本 一蔵 丸山 一平 高橋 典之 松井 智哉 濱崎 仁 迫田 丈志 奥田 耕一郎
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、2009年にイタリアで発生した地震により被害を受けた文化遺産建築の被害調査を実施して、被害状況と応急処置方法を系統的に整理し、1970年代以降に文化遺産建築に対して行われたRC補強の効果を検証し、モニタリングにより補強前、補強途中の構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、また、関連する国内外の文化遺産建築の調査を通して、文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法に関する海外学術調査を実施したものである。
著者
青木 孝平 辻 大和 川口 幸男
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.137-145, 2014-06-20 (Released:2014-08-02)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Using long-term behavioral data recorded between1950 and 2010, we studied cases of change in the alpha individual and its social background in a captive troop of Japanese macaques (Macaca fuscata) housed in Ueno Zoological Gardens, Tokyo, Japan. During this period, nine alpha males and four alpha females were recorded. Among the alpha males, three were juveniles. All alpha males except for one continued to keep their position until they died or were removed from the group. Alpha females, on the other hand, lost their position when they were in estrus/pregnant/nursing, after which time they continued to stay in the group. Unlike cases in free-ranging populations, captive male Japanese macaques are included in the social hierarchy of their natal group, and dominance relationship between males and females were unclear. Under such conditions, dominant females and their juveniles can become alpha individual when the former alpha disappears and/or there are no dominant male(s) present. Appearance of female/juvenile alpha individuals in the Ueno Zoo troop seems to be one of the bi-products of a captive environment and in order to keep social relationships of captive animals similar to those of free-ranging populations, artificial transfer (removal/introduction) of adult males should be considered.