著者
石川 徹也 北内 啓 城塚 音也
出版者
言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.3-18, 2008-10

本研究の目的は、歴史資料(史料)を対象に歴史知識の構造化の基盤となる「歴史オントロジー」を構築するシステムを開発し、広く提供することによって歴史学の発展に寄与することにある。この目標を具体的に検証するために、昭和15年に時の帝国学士院において始められた明治前日本科学史の編纂成果である『明治前日本科学史』(刊本全28巻)の全文を日本学士院の許諾の下に電子化し、明治前の日本の科学技術を創成してきた科学技術者に関する属性および業績の情報を抽出することにより、前近代日本の人物情報データベースの構築を試みる。人物の属性として人名とそれに対する役職名と地名を、人物の業績として人名とそれに対する書名を、いずれもパターンマッチングなどのルールベースの手法によって抽出する。『明治前日本科学史総説・年表』を対象とした性能評価を行った結果、人名、人名とその役職名、および人名とその地名について、F値で0.8を超える結果が得られた。
著者
石川 徹也 北内 啓 城塚 音也
出版者
言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.3-18, 2008-09-21
被引用文献数
2

本研究の目的は、歴史資料(史料)を対象に歴史知識の構造化の基盤となる「歴史オントロジー」を構築するシステムを開発し、広く提供することによって歴史学の発展に寄与することにある。この目標を具体的に検証するために、昭和15年に時の帝国学士院において始められた明治前日本科学史の編纂成果である『明治前日本科学史』(刊本全28巻)の全文を日本学士院の許諾の下に電子化し、明治前の日本の科学技術を創成してきた科学技術者に関する属性および業績の情報を抽出することにより、前近代日本の人物情報データベースの構築を試みる。人物の属性として人名とそれに対する役職名と地名を、人物の業績として人名とそれに対する書名を、いずれもパターンマッチングなどのルールベースの手法によって抽出する。『明治前日本科学史総説・年表』を対象とした性能評価を行った結果、人名、人名とその役職名、および人名とその地名について、F値で0.8を超える結果が得られた。Our goal of this study is to contribute to the progress in historical science by developing a system for building a historical ontology from historical materials and making it available to the public. We digitize all the books of "Meiji-mae Nippon Kagaku-shi" ( Pre-modern Japanese Histroy of Science and Technology ) published by Nippon Gakushiin ( The Japan Academy ), and extract the attribution and the works in pre-modern Japanese history. We extract the names of persons, positions, places, and books as the attribution and the works of persons by pattern matching. The experimental results show that the F-measures for the names of persons, positions, and places are over 0.8.
著者
城塚音也 桑田 喜隆 安地亮一 小泉 宣夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1240-1247, 1998-05-15
参考文献数
7
被引用文献数
6

計算機が人間同士の音声対話を理解し,リアルタイムに対話の支援を行う,知的なComputer Mediated Communication (CMC)を提案する.提案するCMCは,人間同士のコミュニケーションと人間?計算機のインタラクションをシームレスに連結することにより,人間の知的活動を促進する.その実現例として,金融相談端末上の相談業務における音声対話を知的に支援する実験システムを構築した.システムは対話中のキーフレーズを音声認識することにより対話の内容を推定し,支援ルールによって支援計画を立案し,支援内容の作成を行う.作成された支援情報は相談員に提示され,相談業務の円滑化を促進する.システムの自律的な対話支援のコンセプトの評価実験および,対話モニタリングによる対話支援性能の評価実験について報告し,実験結果について考察する.An Intelligent Computer Mediated Communication(CMC) is proposed which enables computers to provide support information to people who are in conversation by monitoring their spoken dialogue.An experimental system for the support of pension consulting service was built in order to investigate proposed CMC system.The system estimates the topic of the dialogue from detected key phrases by speech recognition technology and designs support information with assist rules.The efficiency of the consulting service can be improved by the support information which is presented automatically by the system.The concept of Intelligent CMC was evaluated by the reference indication to human-human dialogue andhe performance of the generating support information function was measured by several experimental conditions.The experimental results are discussed.
著者
安地 亮一 城塚 音也 桑田 喜隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.33-38, 1996-11-15
参考文献数
4
被引用文献数
4

金融相談端末上の相談業務を音声対話を理解することで知的に支援する実験システムを構築した。知識の少ないオペレータでも本システムの提供する知識を元にスムーズな対話を実現でき、サービス品質を維持できることを目的としている。本稿では、まず即時対話支援の位置づけを明らかにし、金融相談業務への適用の有効法を提案する。さらに具体的な実験システムの構成について述べる。
著者
城塚音也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.44, pp.137-144, 2001-05-21
参考文献数
10

大量の自由記述されたテキストデータからの知識発見を支援するテキストマイニングでは、テキストデータの分析結果を視覚的に提示することが重要となる。本論分では、我々が使用したテキストマイニングシステムに実装した、複数の概念関係の視覚化方式を組み合わせたトップダウンの知識発見アプローチを実現する概念関係視覚化方式について報告する。実際の自由記述型のアンケートデータを使用し、本概念関係視覚化方式の、注目すべき概念の発見や重要な概念関係への絞込みといった作業における有効性を確認した。また、概念関係抽出性能の検証を行なった結果、従来手法に比べて、高い精度で概念関係を抽出できることを確認したVisualization of relationship between concepts is important in text mining as the process of knowledge discovery from large amount of unstructured text data. In this paper, we proposed an unique visualization method of concept relationship in top-down knowledge discovery approach that is implemented in a system prototyped by authours. Text data analysis is performed to real Q&A data in free from, which is retrieved from information providing service in a commercial web site and we found that our visualization method helps analyst's work to select concepts to be focused and to organiza concepts relationship for reporting. Ecperimental results show that the prototyped system can extract concepts relationship with higher precision compared to conventional method.