著者
城塚音也 桑田 喜隆 安地亮一 小泉 宣夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1240-1247, 1998-05-15
参考文献数
7
被引用文献数
6

計算機が人間同士の音声対話を理解し,リアルタイムに対話の支援を行う,知的なComputer Mediated Communication (CMC)を提案する.提案するCMCは,人間同士のコミュニケーションと人間?計算機のインタラクションをシームレスに連結することにより,人間の知的活動を促進する.その実現例として,金融相談端末上の相談業務における音声対話を知的に支援する実験システムを構築した.システムは対話中のキーフレーズを音声認識することにより対話の内容を推定し,支援ルールによって支援計画を立案し,支援内容の作成を行う.作成された支援情報は相談員に提示され,相談業務の円滑化を促進する.システムの自律的な対話支援のコンセプトの評価実験および,対話モニタリングによる対話支援性能の評価実験について報告し,実験結果について考察する.An Intelligent Computer Mediated Communication(CMC) is proposed which enables computers to provide support information to people who are in conversation by monitoring their spoken dialogue.An experimental system for the support of pension consulting service was built in order to investigate proposed CMC system.The system estimates the topic of the dialogue from detected key phrases by speech recognition technology and designs support information with assist rules.The efficiency of the consulting service can be improved by the support information which is presented automatically by the system.The concept of Intelligent CMC was evaluated by the reference indication to human-human dialogue andhe performance of the generating support information function was measured by several experimental conditions.The experimental results are discussed.
著者
桑田 喜隆 高橋 一成 白樫 和明 有村 忠朗 藤本 浩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第20回全国大会(2006)
巻号頁・発行日
pp.53, 2006 (Released:2006-12-07)

オフィスでのコラボレーションを支援するため、RFIDによる人の位置把握および屋内のセンサを活用した基盤システムを試作した。本稿では試作システムの概要と実証実験による評価結果を述べる。
著者
横山 重俊 桑田 喜隆 吉岡 信和
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.688-698, 2013-02-15

クラウドコンピューティング技術は運用性,高信頼性,計算効率,柔軟性の高さにより,大学や研究機関など学術界でも活用が期待されている.本稿では教育および研究用途に特化したアカデミッククラウドのアーキテクチャについて提案する.従来技術と異なり,この研究の新規性である提案アーキテクチャの特徴は,研究グループや教育プログラムごとに,オンデマンドで物理マシンクラスタのセキュアに分離した形で構築し,その上にそれぞれの目的に合ったクラウド基盤(IaaS/PaaS/SaaS)を高速自動構築できるクラスタ提供をサービス化したCluster as a Service(CaaS)と,地理的に分散するそれらクラスタから統一的に利用可能なインタークラウドストレージサービスを学認認証により統合し,今後の地域分散型のアカデミックコミュニティクラウド構築に活用することを考慮したことである.本アーキテクチャの適用により,地域分散型のアカデミックコミュニティクラウドがヘテロなクラウド基盤で構成された場合でも物理マシンレベルから動的にクラウド基盤を構成することで,たとえば,災害時にはCaaSを用い,迅速に非常用クラスタを用意し,その上に通常時に使っているクラウド基盤を構築した後,インタークラウドストレージサービス内に保存している管理情報やマシンイメージをリストアすることで教育および研究活動の継続が可能となる.また,平常時においても,不足しているコンピュートリソースをCaaSによりオンデマンドで既存のクラスタに組み込むことができる.このことで,アカデミックコミュニティ全体でのリソース使用効率の向上に寄与する.
著者
安地 亮一 城塚 音也 桑田 喜隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.33-38, 1996-11-15
参考文献数
4
被引用文献数
4

金融相談端末上の相談業務を音声対話を理解することで知的に支援する実験システムを構築した。知識の少ないオペレータでも本システムの提供する知識を元にスムーズな対話を実現でき、サービス品質を維持できることを目的としている。本稿では、まず即時対話支援の位置づけを明らかにし、金融相談業務への適用の有効法を提案する。さらに具体的な実験システムの構成について述べる。
著者
桑田 喜隆 牛田 修司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.240-241, 1991-02-25

エキスパートシステムにおいて、専門家から得たルールを効率良く実行する方法としてRETEマッチアルゴリズムが有望であり、OPS5を初め多くのAIツールで応用されてきている。RETEマッチアルゴリズムでは予めルールの構造を解析し実行時の効率が最高になるような条件木(RETEネットワーク)を生成しておき、RETEネットワークを基にインタプリトしやすい中間形式を生成する。近年、RETE、マッチアルゴリズムに代わるTREATも提案されているが、否定ノードでの処理が増大してしまうことを考えると実際のエキスパートシステムでは必ずしも有効ではない。我々は実際に使われるエキスパートシステムでルールを効率良く実行するという観点で、RETEマッチアルゴリズムに注目して最適化の検討を行なっている。RETEマッチアルゴリズムでは、データ(ワーキングメモリエレメント,WME)の分布が実行時にしか分からないため、静的な解析だけでは最適な条件木を生成することは困難である。本稿では実行時のWMEの分布状況から最適なRETEネットワークを生成する方法について論じる。
著者
高橋 一成 桑田 喜隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.2-15, 2007-01-15
被引用文献数
5

近年,通信技術の進展を背景に新しいコラボレーションサービスへの期待が高まっている.本研究ではセンサネットワーク技術やモバイル通信技術を活用したコラボレーションサービスである,ユビスタイルを提案する.ユビスタイルは,人の位置や状況,モノの状態などといったプレゼンスを自動的に取得し,人間に意味のある情報に加工したうえで共有することで,コラボレーションの効率向上を目指したサービスである.ユビスタイルの有効性検証のため,オフィスでのコラボレーションを例題として取り上げた.プレゼンスとして,人の位置や状況,会議室の利用状況を自動的に収集し,パソコンや携帯電話から参照するサービスを試作した.試作サービスを利用し,社内で160 人規模の実験を行ったところ,人とのコンタクトの際や会議室の予約の場面で有効性が確認できた.また,被験者のアンケート分析によりプレゼンスを公開する際の抵抗感を減らすための考察を行った.It is expected that new collaboration services become popular in our daily life with new ubiquitous computing technologies. For more efficient collaboration, we propose "Ubistyle", that make use of sensor-network and mobile-computing technologies. Presences in Ubistyle, which include locations and status of people, status of objects, and so forth, are collected automatically by sensors, analyzed and converted to the form that people can understand, and are shared among users. In order to evaluate the usefulness of the concept of Ubistyle, we implemented a prototype system for office environments. The system offers a service that the office workers can refer the locations and status of co-workers and meeting rooms as presence. We carried out a large-scale experiment in our office, in which more than 160 people are involved. We found that the service is of advantage for both the contact to co-workers and reservation of meeting rooms. We also analyzed the acceptability of people to expose their presence to co-workers.