- 著者
-
中條 直樹
塚原 信行
- 出版者
- 名古屋学院大学
- 雑誌
- 萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2006
研究分担者塚原信行(愛知県立大学・非常勤講師)、研究協力者水野晶子(愛知淑徳大学・非常勤講師)、ムサエフ・ターライベク(当時名古屋大学大学院国際開発研究科・後期課程在学中、現在マレーシア国民大学・講師)と代表者でスタートしたプロジェクトは、中央アジアの英雄叙事詩の文献の収集を開始した。キルギスの「マナス」は世界最長の英雄叙事詩の口承文芸であり、語部により長短がある。本プロジェクトでは文字化された「マナス」の収集により、4分冊の1編と3分冊の2編と1巻本の「マナス」を2冊およびその解説書を、またキルギスの“EL AD-ABIATY"(People's Literature)SERIESのうち9冊を収集した。さらに“Go'ro'g'li"(Ташкент),“Алцамыс Батыр"(Алматы),“Кобыланды Батыр"(Алматы),“Камбар Батыр"(Алматы)を収集したもののいずれもキルギス語・カザフ語・ウズベク語により記述されており、記述の「マナス」の比較対象研究、またその電子化の試みは向後の課題としたい。ムサエフ・ターライベクによる『叙事詩マナス・コンコーダンス』(CD)はこの間の成果の一つであり、これは氏の出身国キルギス共和国でも高く評価されている。一方、我が国では「マナス」については、『マナス少年編・青年編・壮年編』(平凡社東洋文庫)がこの間に翻訳出版され、有用であった。また中央アジアに関わる文献に関しても広く収集に心がけ、「アイハヌム」(2001-2008:加藤九祚個人雑誌)も入手し、今後の参考にすることにした。