- 著者
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春木 敏
川畑 徹朗
西岡 伸紀
境田 靖子
- 出版者
- 大阪市立大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2004
ライフスキル形成を強化する第二次の食生活教育プログラム改訂,指導者マニュアル作成,授業担当者研修,意志決定スキル,目標設定スキル尺度開発,家族への働きかけを試み,以下の成果を得た.I.2005年6月〜2006年7月,大阪府下の6小学校と山口県2小学校を研究対象校とする準実験デザインのもと,健康的な間食行動と朝食行動を主題とするスキル形成に焦点をあてた食生活教育プログラム(18時間)を実施し,計810名が参加した.(i)プロセス評価より,意志決定の下位尺度「選択肢の列挙」「結果の予測」を踏まえたおやつ選択法を,「意志決定をすべき問題の明確化」を踏まえ,朝食で野菜を食べるために具体的な,実行可能な目標設定ができた.(ii)影響評価より,女子は,健康的な間食行動の態度,自己効力感が高まり,低油脂おやつの選択が増加した.野菜摂取に焦点をあてた朝食学習により,朝食の野菜摂取率はおよそ倍増し,栄養バランスを改善した.(iii)意志決定スキル形成群において介入校の児童は,広告分析に関する自己効力感や食品選択スキルに有意な成果が認められたが,対照校児童には規則性はみられなかった.II.大阪府下の3小学校と山口県3小学校を研究対象校とし,2007年5月〜7月に,保護者通信,朝食モニタリングシートの家族点検,家庭での朝食野菜料理など保護者への働きかけを強化した朝食プログラム(6時間)を実施した.計417名が参加した.(i)全児童は,目標達成率,朝食の栄養バランスともに有意に高くなった.(ii)授業実施6カ月後には,児童の学習成果は有意に低下したものの家族強化群は,対照群に比べ,朝食得点,野菜摂取率ともにやや高い維持率を示した.さらにプログラム効果を高め,持続するために,教材や指導者研修,家族強化の改善を図り,学校健康教育に普及していく.