著者
夏迫 歩美 鶴崎 俊哉
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.351-354, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
7

〔目的〕後方視的にハイハイ実施状況を調査し,幼児の立位姿勢との関係を明らかにすることとした.〔対象と方法〕保育園に通う3歳から6歳の幼児で,特に整形外科学的・神経学的な疾患を指摘されていない38名を対象に,ハイハイの有無,ハイハイ開始やつかまり立ち開始の月齢などについて質問紙調査を保護者に対して実施した.また幼児の自然な立位姿勢をビデオ撮影し,骨盤傾斜角度と股関節の内外旋を評価した.〔結果〕ハイハイ実施状況によって骨盤傾斜角度に差異はなかったが,ハイハイしなかった児やつかまり立ちが先行していた児には股関節内旋位の立位姿勢を示す児が多かった.〔結語〕ハイハイは股関節肢位に影響している可能性がある.
著者
石井 瞬 夏迫 歩美 福島 卓矢 神津 玲 宮田 倫明 中野 治郎
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.181-189, 2022 (Released:2022-12-16)
参考文献数
30

【目的】本研究の目的は,入院化学療法中の造血器腫瘍患者の倦怠感に関連する要因を明らかにすることである.【方法】本研究は後方視研究である.対象は入院中に化学療法を実施した造血器腫瘍患者90名とした.総合的,身体的,精神的,認知的倦怠感をそれぞれ従属変数とし,基本情報,ADL, Performance Status,不安・抑うつ,身体症状,栄養状態を独立変数として単回帰分析を実施した.単回帰分析で有意差を認めた項目を独立変数として,重回帰分析を実施した.【結果】総合的倦怠感を従属変数とした重回帰分析では抑うつが関連する要因として抽出された.さらに,身体的倦怠感は痛みの有無と抑うつ,精神的倦怠感はmFIMと抑うつが関連する要因として抽出された.【結論】倦怠感の症状がある造血器腫瘍患者に対しては,抑うつや痛み,ADLなどの倦怠感の原因に着目して対応する必要性が示唆された.
著者
石井 瞬 夏迫 歩美 福島 卓矢 神津 玲 宮田 倫明 中野 治郎
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.123-131, 2021 (Released:2021-04-16)
参考文献数
28
被引用文献数
1

【目的】造血器腫瘍患者に対して,運動療法を主体とした通常のリハビリテーションに行動変容アプローチを追加した介入効果を検討すること.【方法】化学療法後の造血器腫瘍患者を対象とした.リハビリテーションを実施したコントロール群12名,リハビリテーションに行動変容アプローチを追加した介入を行ったフィードバック群13名に群分けし,リハビリテーション開始時から退院時までの運動機能および身体活動量の変化を解析した.【結果】リハビリテーション開始時から退院時までの変化を比較すると,10 m歩行速度で測定時期に有意な主効果が認められた.また,週間歩数でフィードバック群の測定時期に効果を及ぼす有意な交互作用が認められた.【結論】運動機能と身体活動量のフィードバックを行う行動変容アプローチは,身体活動量を向上させる可能性が示唆された.
著者
石井 瞬 夏迫 歩美 福島 卓矢 神津 玲 宮田 倫明 中野 治郎
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.330-336, 2021 (Released:2021-06-18)
参考文献数
16

【目的】本研究の目的は,リンパ浮腫外来における圧迫下の運動療法の実施状況と,その実施が抱える問題点を把握することである。【方法】リンパ浮腫外来を実施している全国のがん診療連携拠点病院を対象に,リンパ浮腫ケアの実践内容,運動療法の実施内容,リハビリテーション(以下,リハビリ)スタッフとの連携の有無,運動療法の実施が抱える問題点についてアンケート調査を行った。【結果】リンパ浮腫外来で運動療法を実施している施設は14.2% であった。運動療法を実施できない問題点として「知識・技術のあるスタッフの不足」,「診療時間の不足」,「連携不足」などが挙げられ,運動療法を実施している施設はリハビリスタッフ数が多かった。【結論】今回の調査結果から,リンパ浮腫外来で運動療法を実施するためには専門的な知識をもったリハビリスタッフを育成,増員する必要があることが示唆された。
著者
石井 瞬 夏迫 歩美 福島 卓矢 神津 玲 宮田 倫明 中野 治郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11958, (Released:2021-03-17)
参考文献数
16

【目的】本研究の目的は,リンパ浮腫外来における圧迫下の運動療法の実施状況と,その実施が抱える問題点を把握することである。【方法】リンパ浮腫外来を実施している全国のがん診療連携拠点病院を対象に,リンパ浮腫ケアの実践内容,運動療法の実施内容,リハビリテーション(以下,リハビリ)スタッフとの連携の有無,運動療法の実施が抱える問題点についてアンケート調査を行った。【結果】リンパ浮腫外来で運動療法を実施している施設は14.2% であった。運動療法を実施できない問題点として「知識・技術のあるスタッフの不足」,「診療時間の不足」,「連携不足」などが挙げられ,運動療法を実施している施設はリハビリスタッフ数が多かった。【結論】今回の調査結果から,リンパ浮腫外来で運動療法を実施するためには専門的な知識をもったリハビリスタッフを育成,増員する必要があることが示唆された。
著者
中野 治郎 石井 瞬 福島 卓矢 夏迫 歩美 田中 浩二 橋爪 可織 上野 和美 松浦 江美 楠葉 洋子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.277-284, 2017 (Released:2017-09-08)
参考文献数
21
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は,化学療法実施中に低強度の運動療法を適用した造血器悪性腫瘍患者における運動機能,倦怠感,精神症状の状況を把握することである.【方法】対象は化学療法実施中に低強度の運動療法を適用した入院中の造血器悪性腫瘍患者 62名とし,運動療法の介入時と退院時の握力,膝伸展筋力,歩行速度,日常生活動作能力,全身状態,倦怠感,痛み,不安,抑うつを評価した.そして,各項目の介入時から退院時への推移を検討した.【結果】介入時と退院時を比較すると,膝伸展筋力は一部の患者では低下していたが,歩行速度,ADL能力,全身状態は9割以上の患者で維持・改善されていた.また,女性では倦怠感,不安,抑うつの改善傾向が認められたが,男性では認められなかった.【結論】化学療法実施中に低強度の運動療法を適用した造血器悪性腫瘍患者の運動機能は維持・改善しており,倦怠感,不安,抑うつの変化には性差が認められた.