著者
村田 弥栄子 山本 多恵 大場 郁子 中道 崇 中山 恵輔 太田 一成 宮澤 恵実子 清元 秀泰 上野 誠司 大友 浩志 佐藤 博 伊藤 貞嘉 宮崎 真理子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.357-362, 2012-04-28 (Released:2012-05-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

2011年3月11日に発生した東日本大震災では,宮城県の広い範囲,特に東部沿岸地域は津波による市街地の流失,電気,上水の供給停止,通信の途絶など,大きな被害を受け,災害拠点病院への救急患者集中,通院手段の確保困難,生活環境の悪化が生じ,被災地外での支援透析を要した.災害支援透析において,被害が大きい依頼側に,通常の臨時透析と同レベルの情報提供を求めることは,災害支援の基本概念に沿わない.また,支援側は,業務増大の中で初診の多数の透析患者の診療を行わなければならないが,過酷な環境から避難してきた透析患者への対応は,平時とは異なる視点が必要となる.そこで,われわれは震災後に多人数の入院支援透析を行うにあたり,災害時透析入院クリニカルパスを作成し使用した.クリニカルパスの運用によって,避難患者の容態把握を共通化,標準化することが可能で,二次避難先への引継ぎにも利用した.過去に例をみない大災害であったが,このクリニカルパスの活用は災害時入院支援透析における診療に有用であったので,ここに報告する.
著者
田坂 重元 大友 浩 関寺 恭朗
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.161-165, 1959-03-20 (Released:2011-02-17)
参考文献数
9

農村の乳児の骨系統の発育についての文献は余り見当らない。然し, 二, 三の文献から見ると一様に母体の妊娠中の偏食と過労などが原因し一方乳児期においては離乳の遅延と偏した離乳食などによって骨系統の発育に明かな障碍が起ってきている。北海道における, 乳児についての観察を行って見たのでその結果を要約すると, (240名についての統計)。(1) 離乳が都市より3~4ヵ月おくれ, 8~9ヵ月が一番多く行われていた。(2) 離乳食も14ヵ月迄は殆んどがおかゆ程度で副食は野菜物煮付が殆んどをしめ, 海藻類, 魚獣肉類やそのスープ類はやっていなかった。(3) 離乳未開始のものは栄養状態も悪く, 骨発育が劣っていた。(4) 未熟児は全出生児の10%をしめ, 未熟児の7割が栄養失調性クル病であり, 又, 重症型が多かった。(5) 未熟児は先天性股関節脱臼のものが24%いた。