著者
仲松 宏 大城 一郎 端慶山 良助 小禄 洋子 具志堅 明美 具志 成子 新里 かおり 奥山 美智江 比嘉 京子 島田 篤子 比嘉 譲 真喜志 かおり
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.34-38, 1993-05-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

1991年4月より1992年3月までの1年間に当院人間ドックで腹部超音波検査時に甲状腺超音波スクリーニングを同時に施行し,5,567例中33例(発見率0.59%)の甲状腺癌を発見した。男性15例,女性18例に認めた。平均年令は47.7歳で,超音波検査で指摘できた33例全例が乳頭癌で,術後標本でみつかった潜伏癌の1個が濾胞癌であった。平均最大径は11.4mmで,腫瘍径10mm以下の微小癌が19例(58%)あった。腫瘍径15mm以下の癌の92%(24例/26例中)は触診上,触知不能(JTO)であった。リンパ節転移n1(+)が13例(42%),腺外浸潤 EX(ex)(+)が2例に認められた。超音波検査上,悪性を疑う所見は境界不鮮明(42%),低あるいは不均一な内部エコー(61%),砂状多発の石灰化像(55%)が主であった。超音波による甲状腺スクリーニングは極めて有効で腹部超音波検査時に甲状腺超音波検査を同時に行うことは有用と考えられた。
著者
仲松 宏 大城 一郎 端慶山 良助 小禄 洋子 具志堅 明美 具志 成子 新里 かおり 奥山 美智江 比嘉 京子 島田 篤子 比嘉 譲 真喜志 かおり
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.34-38, 1993
被引用文献数
2

1991年4月より1992年3月までの1年間に当院人間ドックで腹部超音波検査時に甲状腺超音波スクリーニングを同時に施行し,5,567例中33例(発見率0.59%)の甲状腺癌を発見した。男性15例,女性18例に認めた。平均年令は47.7歳で,超音波検査で指摘できた33例全例が乳頭癌で,術後標本でみつかった潜伏癌の1個が濾胞癌であった。平均最大径は11.4mmで,腫瘍径10mm以下の微小癌が19例(58%)あった。腫瘍径15mm以下の癌の92%(24例/26例中)は触診上,触知不能(JTO)であった。リンパ節転移n<sub>1</sub>(+)が13例(42%),腺外浸潤 EX(ex)(+)が2例に認められた。超音波検査上,悪性を疑う所見は境界不鮮明(42%),低あるいは不均一な内部エコー(61%),砂状多発の石灰化像(55%)が主であった。超音波による甲状腺スクリーニングは極めて有効で腹部超音波検査時に甲状腺超音波検査を同時に行うことは有用と考えられた。
著者
横山 能文 森 真理 平手 友章 篠田 邦大 桑原 祐也 宮﨑 太地 大城 一航 金山 朋子 野田 美香 山下 達也 門井 絵美 神田 香織
出版者
The Japanese Society of Pediatric Hematology / Oncology
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.198-201, 2019 (Released:2019-09-10)
参考文献数
9

10歳女児.発熱,頭痛を主訴に近医を受診した際に,白血球高値,貧血,血小板減少を認め当科紹介受診となった.骨髄検査にてAML(FAB-M2)と診断し,治療を開始した.1コース終了時点で寛解を確認したが,FLT3-ITD陽性と判明し造血幹細胞移植を行う方針となった.初診時陽性であった末梢血WT1mRNAは,1コース終了時より<5.0×101を維持していたが4コース終了時点で1.3×102に上昇を認めた.前処置CY+TBI,GVHD予防FK506+sMTXで臍帯血移植を行い,day32に生着を確認した.Day35で行った骨髄検査では寛解を維持していたが,末梢血WT1mRNAは1.7×102(day34),2.3×102(day39)と上昇を認めた.day40よりFLT3阻害薬sorafenib 200 mg/bodyの内服を開始した.末梢血WT1mRNAはday81より<5.0×101を維持し,その後約2年間sorafenib内服を継続した.現在内服終了後1年が経過し,末梢血WT1mRNAは<5.0×101を維持し,再発を疑う所見を認めていない.本例においてFLT3-ITD陽性AMLに対する移植後維持療法としてのsorafenib内服は,安全かつ有効であったと考えられた.
著者
金森 雅夫 鈴木 みずえ 山本 清美 神田 政宏 松井 由美 小嶋 永実 竹内 志保美 大城 一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.659-664, 2001-09-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
17
被引用文献数
12 14

デイケアに通所する痴呆性老人のうち, 事前に動物の嗜好, 飼育体験, 動物のアレルギーを聞き, 本研究に関する本人と家族の同意・承諾を得られた7名 (男性2名, 女性5名: 年齢69~88歳, 平均年齢79.43歳 (±6.06) に対し動物介在療法 (Animal Assisted Therapy: AAT) を実施した. 期間は平成11年7月27日から10月12日までの隔週計6回, 場所は対象者が普段利用するデイケア施設にて行ない, 以下の結果を得た.(1) MMSの平均値を比較すると11.43 (±9.00) から12.29 (±9.69) と僅かに上昇した. コントロール群では10.20 (±7.04) から9.50 (±6.26) と僅かに低下が認められた.(2) N-ADLでは, 28.43 (±14.00) から29.57 (±14.47) とわずかに上昇したが, コントロール群では29.70 (±11.02) から28.95 (±10.92) とわずかに変化した.(3) Bhave-ADではAAT群の合計は11.14 (±4.85) から7.29 (±7.11) と有意な下降を示していた (p<0.05). コントロール群は5.45 (±3.27) から5.63 (±3.59) と僅かに上昇していた. AAT群は「D. 攻撃性」,「G. 不安および恐怖」,「全体評価 (介護負担)」において3カ月後は有意に下降していた (p<0.05).(4) 表情分析によるコミュニケーション行動評価では, AAT群は28.71 (±2.87) から28.14 (±3.76) とわずかに下降していたが, コントロール群では, 26.55 (±4.95) から25.35 (±5.58) と有意に下降していた(p<0.05). コントロール群では「うなずき」,「会話量」,「会話内容の適切性」,「接近行動」の4項目においてコントロール群が有意に下降していた (p<0.05).(5) 精神ストレス指標であるクロモグラニンA (CgA) の評価ではAAT群の平均値は0.327 (±0.043) から0.141 (±0.115) とt検定によりやや差のある傾向が認められた (p=0.084). コントロール群において平均値は0.316 (±0.145) から0.377 (±0.153) と有意ではないが, 僅かに上昇していた.本研究は, AATの評価手法を検討することを目的に既存の評価尺度とCgAの測定を用いた. 既存の評価方法を組み合わせることにより患者の変化の側面を捉える可能性が示唆された.