著者
高橋 亨 棟方 充 大塚 義紀 佐藤 敦子 本間 行彦 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.723-727, 1995-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
14

特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪症例におけるウイルス感染の関与を血清抗体価・喀痰封入体検査から検討した. 当科に入院したIIP 105名のうち急性増悪(1ヵ月以内に自覚症状の増悪, PaO2 10 Torr以上の低下, 胸部レ線像の悪化のすべてを満たすもの) を呈した症例を対象とした. 経過中にウイルス抗体価の4倍以上変動を認めたか, 喀痰ウイルス封入体を証明したかの, いずれかの例をウイルス関与ありとした. これらの症例につき, 関与したウイルス, 臨床像などを検討した. 急性増悪例は全IIP患者の27% (28例) であった. ウイルス関与ありは増悪例の39% (11例) であった. 関与したウイルスは Influenza: 6例, Parainfluenza: 1例, Adeno:1 例, Herpes simplex: 1例, RS: 1例, Cytomegalo: 2例であった. ウイルス関与群は非関与群に比べ, 増悪前の血清IgA値が有意に低値であった (p<0.05). これらの結果から, 急性増悪では血清IgA低値と関連したウイルス感染の可能性がある.
著者
佐藤 俊 渡邉 香奈 石田 卓 吉川 素子 金沢 賢也 斎藤 純平 大塚 義紀 棟方 充 鈴木 均 丸山 幸夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.356-358, 2006-02-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

症例は47歳, 男性. 拡張型心筋症による発作性心房粗動に対しアミオダロンの投与を開始, 2年後に胸部X線写真にて異常陰影が出現. 肺胞洗浄, 肺生検所見などから総合的にアミオダロンによる薬剤性肺炎と診断した. 短期間のステロイド治療が奏功し, 現在まで再燃は認めない. 本症では肺胞洗浄液にて好酸球の著増を認め, 細胞毒性による肺障害と免疫学的機序を背景とした好酸球性肺炎の併発が考えられた.